京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京の里帰り時間」

2019-07-09 09:17:39 | 時計修理

7月9日火曜日。雨。
上京区千本釈迦堂では陶器市の日に雨。陶器なので雨でも大丈夫か?
仁清・乾山写しのコーヒーカップ?でも探しに行こうか?
陶器と絵画の業界では写しは社会的に許されてOK!
本物の仁清乾山が2000円くらいで入手できるはずがないのだ。

この陶器市を境に京おんなのお里帰りが始まります。
京都で生まれ育った女性は祇園祭期間中には当然実家に戻る暗黙の了解・特権があるようです。
私の嫁さんも盛岡、金沢などから祇園祭になるととっとと実家へ戻っていました。
地方に住んでいる皆さんはあわわ~!の一人暮らし時間の始まりです。

歴史的少子化の町なので高学歴の結果東京周辺の首都圏で生活する京都人が多い。
京都に大企業が少なく就職先も少ないのでしょうがない。
盆正月、祇園祭、松尾大社・八朔祭、今宮神社・やすらい祭りなどそれぞれ町内の行事によって帰趨本能があるようです。

工房のある北区の周辺では北区最大のお祭り「大宮夏祭り」に合わせて京都へ里帰りする人も多い。
ロンドン在住の女性が仲間の時計を預かって持ってきた!というお客様もいるので油断できません。

海外の時計修理は怖いからね~!壊された挙句料金を請求されて泣き寝入りするパターンが多い。
京都に住んでいたころは優秀な時計師が多い。ほかの都市に行ってびっくりさせられることが多いという。

工房は祇園祭期間中には不規則営業になります。
明日10日水曜日10~15時まで
11日~15日10~17時
16日宵山は10~12時まで
17日巡行は10~15時まで
会所の当番、直会などの合間に日切り、時間切りの仕事をこなすスリリングな日々の始まり。

祇園祭先祭りの巡行のころには梅雨も明けお日様が顔を出します。
千本通りの日時計が活躍するころ。

日時計に描かれている名言集を思い出します。
「私は日時計だ。そしてこのイングランドの風土の中で時々時間を示すだろう」
イギリスでは役に立たない日時計。千本通りの日時計も高層ビルが増えて役に立つのが夏のひと時だけ。
今年の日照不足の中で文句を言いたい時はこの言葉を思い出します。
お天気は悪い、食事はまずい、女性は冷たく気が荒い、EUからも脱退のイギリス。
京都にいる喜びを大事にしましょうね~。

それにしても人生豊かに過ごすためには医者、弁護士の友人を持てという格言があった。
ところがお祭りに戻ってくる医者も弁護士も当然私と同じように歳をとってあっという間にジジイだ。
顔を見るたびに老けてきて医者が病気自慢、弁護士が貧乏自慢で盛り上がるのが不安。
必要な時には役に立たないのでおじゃ~。
そんなことを含めて祇園祭りのうきうき大騒ぎ。京都ビトの大移動が始まります。

カルティエ、ブルガリ、シャネル、エルメス電池交換1000円と10分。
写真のエルメスのように電池から液漏れが始まらないうちにお持ちくだされ~でおじゃ~。
お待ちしております。






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