京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京のがっかり時間」

2019-07-15 09:33:27 | 時計修理

7月15日海の日。明日は祇園祭の宵山。
工房の営業時間が午前中のみブログもお休み。
明日は会所の当番の日なのでご迷惑をおかけします。

今朝やっと晴れたと思うとすっきりしない雨雲が浮かんでいます。
いつもの通勤コース綾小路を烏丸通りに向かうとびっくり!
歩行者天国になった綾小路通りは露天商がずらりと並んでいます。
昨夜もこの道を通ったが露天商のオヤジたちの掛け声がうるさい。静かなお祭りの雰囲気ぶっ壊し。

ところがその屋台の一つでキュウリ丸ごと串刺しにして売っているのだ!
「これは あかんやろ~!」と歩行者のお爺さんがつぶやく。
祇園祭期間中山鉾町に住む人はキュウリを食べていない。
祇園祭が始まる前には自宅のキュウリを北区に住む娘宅に疎開させたほど神経を使います。
それほど「願掛け」で無事を祈る京都人を逆なでする無神経に悲しくなりました。

ハラルで豚汁を売るようなものでしょう。ダメなものはダメだ。ばちあたりがぁ~!
露天商が悪いとか良いとか言っているわけではない。
誤解がないように地方から集まる露天商にはもともと京都特有の慣習とか常識がないのだ。
その京都の慣習を教える人が関係者にいなくなったのだ。
一番くじ「蟷螂山」の厄除け粽もネット販売されているという。がっかり!

「時計の仕事」も神さまの仕事から、一般民衆のための仕事、その後株主のための仕事に替わってきた。
「神様にささげる仕事」の時計業です。妥協が許されないので残業、休日出勤は当たり前でも満足していました。
これが一変!
「会社は株主のためにある」これを聞いたときは冗談だと思ったが本気で言っていた小泉政権時代。
時計の素材が悪くなる一方で分解掃除後ケースはピカピカになって戻ってくるが客に見えないキャリバーは指紋だらけでした。

その市場経済主義社会の末路が今回のキュウリ販売、厄除け粽のネット販売になる。
令和元年 お金儲けの自由競争の始まり。
とにかく丸ごとキュウリを串刺しにして食べた観光客に罰が当たらないように祈るばかりです。

明日は会所の当番です。時計はセイコー・クレドールかシチズン・クリスタルセブン。どちらにしようか迷います。
まだ時計が神様にささげる仕事だったころの宝物の作品なので堂々とつけていけます。

今夜は緊急の呼び出しがかからない場合6時まで工房に居ますよ~ん。
お早めにお越しくだされ~。







コメント
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