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京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間。

2013-11-18 09:19:24 | 日記

昨日17日は「水仙の花が咲く頃」
「キキミミ頭巾」の時間。

奇跡的に晴天に恵まれた「北野大茶会」
最高の状態でのイベントに西陣の住人の私もほっとしました。
「献茶祭」などこれから西陣のイベントが毎週繰り広げられます。

昼食は四条の街中まで下がり錦小路「二傳」さんで昼食。
スッポン料理や鯛のあら煮が絶品でした。

仕出屋さんで有名なお店なので調理方法など時間をかけてしっかりと教えてくれる。
「鯛のアラ煮」は味がちょっと濃いめに仕上げられているのでお酒が進みます。
東北「塩釜」の日本酒がお勧め!震災で奇跡的に被害を免れためでたい酒蔵のお酒です。
仙台時代を思い出しながら頂きました。
お腹いっぱいになるので持ち帰り容器もちゃんと準備されいる。仕出屋さん特有のサービス満杯。

残念ながら今朝の「朝日新聞」には京都のイベントはすべて無視されていました。
「神戸マラソン」一色の紙面にあきれます。
自社協催イベントとはいえもっと公平な記事がかけないものかとガッカリします。
「京都マラソン」「京都女子駅伝」などは京都新聞主催なのでこれはしっかりと無視する。
不気味で気持ち悪いマスコミの実態がわかる。

先週、金曜日・京都新聞の投書コーナーを思い出しました。
「キキミミ頭巾」のかわいいお話。
この頭巾をかぶると鳥のお話がわかる京都の伝統アイテムだ。
「あそこのお家に赤ちゃんが生まれたよ~!」などと小鳥たちがささやくのです。
この可愛い投書をした人は70歳を過ぎた女性。若い文章に脱帽します。

「スズメのお宿」に出てくるいいおばあちゃんも、悪役のお婆ちゃんもきっと「キキミミ頭巾」を装備してスズメの声が理解できたのだ。
「大きなつづら」と「小さなつづら」の2択問題は全国レベルの難問として今後センター試験では今後受験者の性格テストで出題されそうなのだ。

京都人はさらに進化する。そのうちに「聞き耳頭巾」は不要になるのです。
京都人の本音を聞き分ける「聞き耳頭巾」現在かぶっている人はいません。
「ブブ漬事件」、一見さんお断り「いっぱいです~!スンません。」など京都人の本音が全国でも有名になってしまいました。

ところが京都では「地獄耳」に発展するのです。
一体どこで情報を仕入れてくるのか不思議に思うほど京都のイベントに詳しい人が多い。
「最近百貨店の時計展にいったらアカンで~!外商部得意先の内覧会みたいになっとるそうや!」
忠告を無視して出かけるとそのとおり。
普段通りの売場だ。

時計売場とは別の場所にある展示会場を期待してい出かけました。
 得意先に渡すプレゼント用の机と看板だけがイベント開催中だとわかる。
売場に急設された招待客用のテーブルにおばあちゃんが一人ポツンと座っていました。

このテーブルに追い出されたような形で時計のベルトを売っているおじさんは従業員用の通路で見つけた。

1階に降りる。
「フォリ・フォリ」コーナーのおねーさんたちが元気いっぱいだったのが救い。
やはり「地獄耳」さんが言ったとおりだ。

四条通りのジュンク堂で2014年の旧暦カレンダーを買ってきた。(写真)
カレンダーに来年のイベント予定を書き込むのも毎年の行事だ。
旧暦の「地獄耳専用」カレンダーです。

「地獄耳」からさらに進化すると危険だ。
「神様のお告げ」やら「宇宙からの通信」が聞こえてきたらもう大変!
「アベノミクス」の毒矢被害の不況で妄想気味になっているのでさっさと神経科の病院にいきましょう。
京都の秋は今日も快晴!
つるべ落としの秋を楽しんでくださいね~!
つるべ落としの売上?水曜日はお出かけ修理でお休みになります!










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時計師の京都時間。

2013-11-16 09:16:45 | 日記

「贅沢な時間」
写真は「ユニバーサル・ジュネーブ」手巻き。
独特なゼンマイ巻き上げ機構を持つ難易度が高い「贅沢な時計」。

日本では知名度が低いが立派な高級時計メーカーです。
ロレックスよりも修理が難しい割りにユーザーから感激されないようで3~4万円の修理の見積もりを低くしてもキャンセルになりやすい。
今回はやっとGO~!がでた。嬉しい贅沢!

先日、保険会社の大同生命さんが毎月持ってきてくれるパンフレットを読む。
その中に「贅沢」に関する年代別アンケート調査の報告がありました。
「旅行」「食事」などそれほど年代別の差がない。

私の場合、58才で好きな時計の仕事が出来ることはかなり贅沢ではないか?
退職年齢も自分で決められる。贅沢者!

毎日、工房から比叡山と大きな空を眺めることが出来る贅沢。近所に高いビル街がないので空が広い。
こんな環境で仕事が出来るのはかなりレベルが高い贅沢だと思う!

「この!贅沢もんが~!」と言われそうだ。
大学も留年したオチこぼれ、会社に勤めるとすぐに出向。倒産!と人の半分以下のスキルでこけてばっかりだけど今はなんとなく贅沢な生活です。

時計師仲間でお金に執着しない人が多いのは一応「社会貢献」していることと「チャレンジ」できる環境に満足しているのが要因でしょうか。
「貧者の一灯」とも言う。


SF作家「山本弘」さんの作品。「神は沈黙せず」
「宗教」「UFO」「先端産業」「オカルト」などなど資料集めだけでも大変なエネルギーだと思う作品です。
ハードSFが苦手な人でも資料として保管したい作品。
作者は私と同じ世代になる。1956年生まれ。そのエネルギーに驚きます。

ただ、異質な感覚がある。作者は「無神論」者でしょう。
私は仕事上「神様」を信じている人たちと深くかかわってきました。

「クロック」の語源は教会の鐘「カリオン」から来ているように一日7回のミサ時間を知らせるためヨーロッパの時計が発達してきた歴史がある。
13世紀ダンテ「神曲」にも目覚し時計が登場しています。

時計の仕事は「宗教」と深くかかわっている。
「ミレー」の「晩鐘」に描かれている生活環境も参考にできるのです。
お祈りの時間を守り、規則正しい生活を送ることで貧しくても健康になれる。
キリスト教に入信すると健康になれる!「予防医学」の役割もあったのでしょう。

毎年、クリスマスにプレゼントしたいアイテムに「時計」がトップ10入りしています。
時計を贈る事で相手の健康を願う意味も添えることが出来ること、
いつも身近に使ってもらえるアイテムなのが要因のようです。

確かに「山本氏」が書いているようにキリスト教は「十字軍」「ユグノー弾圧」「30年戦争」など多くの宗教戦争をやってきたと批難している。
スイスの多くの村で男達が傭兵として借り出されて全滅したこともあるほど。

その反面、多くのキリスト教の信者さんがお亡くなりになる日まで毎日安らかに生活している場面を見てきた。
「心の安らぎ」を与える宗教として優れているのではないかと思う。

私は仏教徒なのでヨーロッパで働いても「宗教税」は免除になります。
ただ、払っている人たちがうらやましく思えた事もある。
「消費税」よりも目的がはっきりしているので解りやすい。
貧しい村の教会に「贅沢な時計」が自慢だ。

明日は工房がお休み。
工房の定休日が毎週水曜日。同じ水曜日が定休日のお店はこんな機会を利用したい。
三条の「ジュージヤ絃楽器」もたずねてみたいお店です。
明日はちょっと贅沢な時間を楽しんできます!









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時計師の京都時間。

2013-11-15 09:11:37 | 日記

京都は雨の仏滅。残念な週末になってしまいました。
17日日曜日「北野大茶会」が開催されますがお天気が心配。

当日は工房も臨時休業になるのでこちらも心配だ。
北のはずれまでやってきて工房がお休みではガッカリされることでしょう。
時計をお預かりしているお客様への連絡がいそがしい一日です。

『いけずな時間』
お天気までイケズな京都。人の性格もいけずで有名?
名古屋での会社員時代にはずいぶん「京都産いけず」のことで嫌味を言われました。

私は地方では『京都人』、地元の京都では『よそさん』扱いです。出身地の長崎でも『京都人』として攻撃される都合の良い対象のようだ。

名古屋出身者の人は大学生活を京都ですごす人が多い。
一度は東京や京都などで生活する。卒業後は地元の名古屋に戻ってくるのが「名古屋エリート」の定番です。

その4年間で京都人のイケズ被害に遭うのだ。その手法をせつせつと訴えてくる。これが相当に根が深い。
アルバイト先のブラック企業、アパートの悪質管理会社、バスの悪質運転手の話など私もうなずくような話が続く。学生の間には神話化している被害が多い。

不幸にも勤め先の社長が「同志社大学」の卒業生。
「うらみはらさで~おくべきか~!」
出張や食事、会議の席と京都人のイケズ被害の話題を繰り返す。あげくにやっと走り出した京都発のMKタクシーの事までボロボロにけなす。
感情をぶつけてくるのには困った。よほどひどい目にあったようです。

得意先ではお金を投げてよこしてくる。1円玉ばかりで支払う。
最後の段階で「この二桁きれいに切りましょう!」とせこく値引きを迫ってくるのだ。
ファーストミート「京都イケズ」。
そこはおおらかに「この二桁の200円が私の給料です!切られたらタダ働きですのや~。」と泣いて切り抜けます。
ヨーロッパでも同じようにテストのようなイケズの手法があるので「京都イケズ」で充分学習しておきましょう。

NHKの朝ドラが明るい「あまちゃん」から悲惨で暗い「これが「大阪」いじめやで~!」に替わりました。
朝からいじめの番組を見たくないのですが嫁さんはチャンネルを変えてくれません。
「私もあんたからおなじめに遭ったんやで~!ひぃひぃひ~チャンネル変えませんのや~!」
京都人の嫁さんの嬉しそうなイケズが15分間毎日続いています。
「100円やるからチャネル変えて~!」私の声は届きません。

京は15日「五十払いの日」
狭い道は混んで走りにくい。おまけに雨。
今日のような日に「京都イケズ」が最大効果をもたらすのでしょう!
学生の皆さん気をつけておくれやす~!

写真はクリスマスプレゼント人気の「フォリフォリ」
アルバイトで必死に稼いだ給料をつぎ込むのには最適な時計です。
電池交換を繰り返しながらゴールインまで使える時計なのだよ~ん。
「京都イケズ」に負けないで頑張りましょう。



















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時計師の京都時間。

2013-11-14 09:17:35 | 日記

七五三御参り。京都では十三参りは明日がピーク。
7・5・3と奇数時間は私たち時計師には要注意時間です。
この時にミスが起きやすい。

「危険な時間」のお話。
「電池交換時間はすべての処理を8分以内でやってください!」
お客様は10分以上になるとカラータイマーが点滅してくる!二度と戻らない。
修理コーナー担当のおじさんたちに通達したことがある。

昔、浜松のお店を巡回した時の事、お隣は仏壇屋さん。
ファサードは仏壇屋さんのほうが明るい雰囲気でした。当然お店の売上も低迷。このままでは撤退して跡地にはマンションでも建てようかとうわさも出るほど。

店に入ると修理コーナーのおじさんが私をにらみつけてきた。「いらっしゃいませ」の声も聞こえない。
そのまま帰りたくなる瞬間です。

お客のふりをしてしばらく店内を回る。私の後から女性が入ってきた。「電池交換お願いします」と手渡す。おじさんは無言で受け取り、数分後「1000円!」憮然と一言。
「ありがとうございました!」と言い残して女性がさっと出て行く。悲しい光景でした。

私が営業本部に入った頃はどのお店もこんなものです。
休憩室では店長さんがのんびりと高校野球を見ていた。
椅子を蹴り飛ばしたくなるが我慢する。
高校野球を見る時間があるなら私の話も聞いてもらえそうだ。

修理コーナーのオジサン用マニュアルを伝えます。
お客様には「電池交換には10分ほどかかります!」といって預かる。
実際8分以内で終了すること。

「10分以内で手渡す時は『お待たせしました。ありがとうございました!』と言う事!」
10分以上かかったときには「大変!お待たせしました!ありがとうございました!」と頭を下げさせて会話をさせようとするのが目的。
8分以内にすべての作業ができる人が少ないことは解っていました。
時計職人は無口は人が多い。

「その際に遅れた理由をはっきりと伝える事!」
このような簡単な一言でもお店の担当者から抵抗がありました。

「百貨店では電池交換に30~40分ほど客を待たせるのが普通だ!」と反論してきた。
「百貨店にはきれいな販売員の女性もいるし、休憩所もある。レストランもある。30分くらいは楽しくすごせます。
大事な事は百貨店の30分がこの暗いお店の5分に相当します。5分でここから逃げ出したくなる。
ここのフロアーにあるのは時計だけ。来店してくれるすべてのお客さんが時計が大好きなお客様だけではないのです。
『お客様の立場』の視線に欠けていることに驚く。

「電池交換を待っている時間がその一日一番の苦痛を感させ待たされた!と怒りだす。」限界時間。関西では10分だ。

名古屋の本部に入るまで全国新店舗を5店ほど造った。どの都市の店もライバルは百貨店です。
「所詮、百貨店と量販店ではトンビと鷹。月とスッポンの違いがある」
視察する百貨店の時計コーナーで時計を見て回るのは楽しい。30分くらいあっという間に過ぎていきます。
ところが量販店では息が詰まるのだ。不思議と必要最小限の滞在時間で逃げ出したくなるのです。

私にはこれが解決できないまま会社を離れた。その4年後、倒産して市場から消えた。
「ヌーベル・パスティーシュ時計修理工房」(TEL075-495-2608)はその後始末のように始めました。
相変わらずトンビ、スッポンクラスのヘナチョコ工房のままだ。

今でも出来るだけ解りやすい言葉で説明したいのですがこれが難しい!
写真のようにさび付きがあったり、裏ブタにシールがいっぱい貼られていることもありますが出来る限り正確にお伝えしたいと思う。

京都大丸さんでは「世界の時計展」が始まっています。17日の日曜日までやっているのでお勧め!
私もこそこそと行ってきましょうかね~!楽しみです。

『田中芳照』油絵展。日本橋三越で19日まで開催中です。
京都・洛北在住の画家さんで近所の町内会長さん。
作品と同じように人柄も癒されるようにおおらか。
『日本の美景をたずねて』の20点はお勧めなのです。




















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時計師の京都時間。

2013-11-12 09:22:29 | 日記

「8分の時間」
朝食のゆで卵をゆでる時間。沸騰したお湯に卵をぶち込んで正確に8分計る。
7分30秒までに待機しておかないともたもたしてタイムオーバーで黄身が硬くなる。
「ゆで卵」にこだわる朝なのです。
へなちょこ「時計師」は朝食も時間厳守。

一般の時計なら「8分間」電池交換が終わる。
バイヤー時代にそのように全国で指導してきました。
その為にすべての工程を8分以内で完了するように材料や工具の設置場所まできめ細かく設定しています。

電池交換料金の1000円はこの時間で決められる。
ちなみにカシオ・フロッグマンなど1時間もかかるような時計が敬遠されるのはこのような理由がるのです。
時間換算すると8000円ほどの料金になりそうだ。
それが1000円の料金でやるのだからG-SHOCKのユーザーたちはお得なのです。

時間の感覚もお国柄がある。「時間だよ~!」と言うと思いつくのがそれぞれ違う。
フランス人なら時間は「哲学」を思いつく。イギリス人は「歴史」、ドイツは「労働時間」、イタリア人は「デートの時間」。
それぞれだよ~!

工場でお昼時間ジャストにドイツ人が各部屋の電気を消して回る。
消される前にイタリア人は食事に行く彼女を誘うのだから一日で一番忙しい。
デートの合間に仕事をするようなものだ。遊び時間をすべてに優先する。
イタリア人の自殺率が極端に低いのもわかる。

スイスの時計工場で働くイタリア人が多い。デザインを任せたら最高のものを造る。
ところが彼らが造る「ビジネスウオッチ」のデザインとイギリス人の料理は絶対に避けたい。売りものにならない!
どちらも死にたくなるほど時間がもったいない。

京都人に「時間だよ~!」と言うと皆さん辛い顔になる。
京都人にとって時間とは「耐える」時間のことなのだと思う。
耐えて耐えて死ぬまで耐え抜く歴史がある。
決して爆発しないが爆発している人の応援は積極的にやる性格だ。

気候に耐える京都人。
冬は寒い、札幌出身の人が「京都が一番寒い」と逃げ出すほど。
夏は暑い、沖縄の人が「京都は一番暑い!」と逃げ出す。
これをどうやら京都人は自慢しているようにも見える。
これから長い間冬の気候に耐える時間の始まりだ。

経済的にも恵まれない。
京都が一番良かったのが「平安時代」なのだ。徐々に衰退している。
辛い江戸時代から明治維新になってやっと一息つけると思ったら皇室は東京に行ってしまう。
京都は現在全国トップクラスの不況構造になってしまった。

現在西陣地区は「アベノミクス3本の毒矢」に見事に殺されそうな町だ。
自殺率は全国トップクラスを維持、非正規雇用率も並んでトップクラス。
物価は天井知らずで上る!
新聞報道のようにとても時計が売れているとは信じられない。商店街は火が消えたように静かです。
じっと耐えている京都人はすごい!とおもう。

明日は工房がお休み。

午後から工房では「掛時計修理」の仕事をやっています。腕時計の修理でお急ぎの方はご利用ください。
ただし「機械式掛時計」の修理は新規では受け付けていませんのでご注意ください。













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