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孤狼

2007-07-02 23:43:18 | 書籍。
・孤狼 堂場瞬一 (中公文庫)

『孤狼』―、この1冊を読みたいが為に、ここ数日間、「雪虫」「破弾」「熱欲」と約1500ページの下準備本を読んできた。そして、ついに今日『孤狼』を読破した―。
刑事になるべくして刑事になったオトコ、鳴沢了。その彼が、今回、刑事の職を賭けて桜田門に立ち向かう。警視庁という巨大な組織内に存する派閥―、それは時として、殺人を揉み消すほどのチカラを持つ。自分の地位を保証するために―、派閥トップ陣を警視庁トップに就かせるために―、この派閥に属する者どもは警察の本来の意義を見失っていた。
鳴沢了は大食いで変わり者の刑事・今敬一郎とコンビを組み、行方不明になった刑事・戸田均を追う。が、彼を追う中で、警察組織に属する者が多々、不可解な接触をしてくる。鳴沢に好意的に協力する刑事、脅しをかけてくる刑事、警察OB、官僚人―。蜘蛛の巣のように権力が張り巡らされた警視庁組織内の膿を表に出そうと、鳴沢は全速疾走するのだが―、それは同時に彼自身の危険も高める。戸田が消えた理由とは―。鳴沢の捜査を邪魔し、また彼の身に危険を及ぼそうとする組織とは―。悪は誰か―、見えない敵に攻め込む鳴沢を見守りながらページを捲り…、後半はノンストップの想像を遥かに超える展開が―。警察組織の暗部に迫る堂場の会心の一撃的傑作。「雪虫」「破弾」「熱欲」に登場する主要人物がほぼ全員登場し、その一冊一冊の点が、この作品で線となる!堂場瞬一がスゴイ…。