人生とは美しく刺激的なリッチ。

へんてこでも自分らしい生活。
美に感動、優に感謝、心に感性。

映画『単騎、千里を走る。』

2006-02-01 21:40:21 | 美術館・博物館・シネマ。
単騎、千里を走る。
in ヴァージンTOHOシネマズ六本木ヒルズ


寡黙、控えめ、無口…。

元外交官に直接聞いた話―、 国際会議の場では「日本人にしゃべらせ、インド人に黙らせることが1番難しい」というネタ的共通認識があるとか。

クチが重い日本人。
けど、それはコミュニケーションの能力とは関係ないんだね。

クチを使わなくても「伝える」ことは出来るんだ―、
それを美しく実践する日本人、高倉健さん。

世界中の映画界の巨匠たちは、
健さんを「背中で語る俳優」と絶賛するとか。

黙っていても、多くを伝える―、だから「高倉健」なんだな。

「映画」はどんなに長くても3時間半。
その短い時間の中で書籍に匹敵する量を伝えることは、「言葉(セリフ)」だけでは不可能なこと。 だから、映画界に「高倉健」あり、なんだな。
コミュニケーション能力…、
しゃべればいい、ってもんじゃなぃ。

『単騎、千里を走る。』はチャン・イーモウ監督が高倉健さんに惚れたことがキッカケで撮られた映画とか。 まさに健さんらしい映画だった。
作品内で「伝える」媒体として、「言葉」以外のモノがいくつか出てくる。

これから観る人は「伝える媒体」に注目してご覧になると、新境地を切り開けるかもです。
最近、自分は「文字」「言葉」の美しさにこだわり過ぎてたため、見えない部分が多くなってた…反省。視野の狭まりは自分では気付けないから…。

寡黙な映画『単騎、千里を走る。』。
クライマックスあたりの、国境を超えた、文字で表せない会話は涙なくして観れません。静から生まれる感動をどうぞ。

中国の奥地の大自然も見所。
額縁に入らない美しい絵画のような風景―、
いや、景色が「天井の無い美術館」のよう。