大月東中学校 美登里の日々

われら励みて人たらむ
われら学びて知るを得む
知るは即ち愛深き
行いをもて証とす
東中学 いや栄えあれ

読書感想文コンクールで入賞しました。

2012年10月01日 20時09分02秒 | 学校生活
 前回に引き続き,夏休みの課題の優秀作を紹介しよう。今回は,読書感想文北都留地区コンクールで入選した2年生の小俣玲奈さんと3年生の志村侑香さんの作品だ。

課題作文の部 入選
「地球とともに生きる」
2年 小俣玲奈
 地球というと私が思い浮かぶことは「青い,大きい,丸い」,地震というと「怖い,揺れる,危険」ということくらいしか思い浮かびませんでした。実際,今まで地震が起きたり,テレビで地震の被害を目にしたりしたとき,「どうして地震が起きるのだろう,地震なんて起きなければいいのに」とただ思うだけでした。しかし,この本を読んでいくと,地球のことや,地震の起きるしくみが,身近にあるものなどを地球やプレートに例えてあったり,地震を起こしてみる実験が書いてあったので,私はだんだんと「地震は怖い」という気持ちが軽くなっていきました。
 自分の住んでいる地球のことをじっくり調べたり,地震が起きるしくみを調べたりするこもなかった私にとって,この本は,自分で実験することもできるし,色々なことをわかりやすく教えてくれました。「まるで先生みたい」と思ってしまいました。
 ゆで卵を地球に例えていることに興味を持ち,いつも作る卵作りではなく,少し実験気分でゆで卵を作ってみました。ゆで卵の殻をプレート,白身がマントル,黄身が核,実際自分の目では見ることができない地球の内部を見ることができたような気持ちになり,ワクワクした気持ちになりました。
 今まで私は「地震は怖い,地震なんて起きなければいいのに」と思いだけでしたが,地球のこと地震のことを少し理解することができました。「地球は生きているから地震が起きる。地球が生きているから私たちが生きている」そのことをこの本で実感しました。
 また,地震はこの地球のすべての場所で起きると思っていたのは,間違いだったことにも気づきました。プレートの境界で地震が起きるので,まったく地震が起きない場所もあることを知り,少しうらやましいようにも思いました。
 日本は四つのプレートが押し合っている所にあるので,地震が多く起こると書いてありました。日本に住んでいる限り,いつ地震が起きてもおかしくありません。しかし,今は地震が起きるのをいち早く知ることのできる地震計がいろいろな場所に置かれていることにより,昔に比べれば少し安心できるのではないかと思います。
 これからは,「地震はこわい」という気持ちだけではなく,これから先も地震が起きなくなることはないので,地震や地震による被害をいつも身近に感じ,自分で地震の被害を防ぐようにしようという気持ちに変わっていきました。
 『地球の声に耳をすませて』というこの本の題名は,本を読む前と呼んだ後の私には違う言葉となりました。最初は「地球の声なんて聞こえるわけがない」と思うだけでした。しかし,本を読み終わった私には地球の声が聞ける,聞こえるような気持ちになりました。
 それは,地球のことを少し分かってあげられるようになれたからだと思います。この気持ちをこれからも忘れることなくこの地球に生きていくのだから地球のことを思いやる気持ちを持ちながら「地球の声に耳をすませて」いけば,いつか私にも地球の声が聞けるかもしれないというような気持ちになりました。
 聞いてみたいのは地球の笑い声,地球と一緒に私も笑ってみたいです。地球の笑い声,それはいったいどんな声なんだろう。地球は元気できれいだから笑い声もきっと大きくて明るい元気な声で笑ってくれるはずです。

自由作文の部 入選
「命を大切にするということ」
3年 志村侑香
 「人はどうして死んでいくのだろう」。私はこの本を読んで,そう思いました。
 一人の少年が病気になってしまい,病院での生活を送る中で,お昼の放送のディスクジョッキーになって病院中を明るくしていくという小さな恋の物語です。私は何度読んでも切ない気持ちになり,そして少し心が温まります。
 1977年を舞台に描かれており,主人公の少年,太郎くんの病気は最後まで治ることはありませんでした。しかも太郎くんは途中で自分の病気について知ってしまうのです。そして,一人背負いながら病気と闘っていきます。もし,私が太郎くんだったのなら,このような現実から逃げたくてしかたありません。たぶん,太郎くんも本当は逃げたくてしかたなかったのではないでしょうか。私は,読み終わった今でもそんなことを考えています。逃げたくてしかたない,でも向き合わなければなりません。私は気持ちで病気に負けなかった太郎くんを尊敬します。
 ディスクジョッキーは太郎くんの夢でもありました。すごいことだと思います。自分の好きなことをして,それで皆の心を動かす,自分だけでなく,人々までを楽しい気分にしてしまうところは,私はとても感動しました。
 そしてある時,入院中の少女,たまきちゃんに出会います。太郎くんはたまきちゃんに恋心を抱き,毎日が楽しくなっていくのです。時々一緒にお昼の放送をしたり,ベットで遊んだり,そんな2人の姿が見えてきそうな気がして,読むのがすごく楽しくなっていきました。
 太郎くんの誕生日,2人は病院を抜け出して映画を見に行きました。それは,もう長くないかもしれない,という太郎くんの思いが行動に移させたのかもしれません。これは私の推測に過ぎませんが,太郎くんはこのときにもう,自分の死を覚悟していたのではないでしょうか。こんな大胆な行動をとるのには,それなりの想いがあると思うからです。その後,太郎くんの病状が悪化していき,危険な状態になってしまいました。
 私がこの作品で一番気に入っている部分,それは太郎くんの最後の放送です。意識も危ない状態にもかかわらず,その時だけは,はっきりと意識が戻るのです。放送の内容はたまきちゃんへの告白でした。同じ病室の人にもらったライターの火がつかず,カチ,カチというまるで時を残酷に刻むような音が聞こえてきます。そして,ボッと火がついて,太郎くんは決意して言いました。
 「ぼくは海乃たまきさんが好きです」
 「ずっと前から,大好きでした。そして,これからもずっと------」
 太郎くんは自分の想いをしっかりと伝え,最後はたまきちゃんとキスをして死んでいくのです。
 病気が治るというハッピーエンドではありませんが,恋が実って終わったので,ハッピーエンドだったと思います。大人になって,たまきちゃんはプロのディスクジョッキーになりました。
 私がこの本から学んだこと,それは命を大切にすることです。夢に向かって最後まであきらめず,一生懸命に生きていく太郎くんの姿を見れば,誰もが命を無駄にはできないと思うのではないでしょうか。せっかく健康でいられるのだから精一杯生きないと亡くなった方々,病気の方々に失礼だと思うからです。私はこれから,何事にも前向きに,そして一生懸命に生きていこうと思います。太郎くんのように夢に向かって,輝いていけるような人生を送りたいと思います。
 太郎くん,今,笑顔でいますか。私は命を大事にし,夢に向かって進んでいきます。苦しいこと,辛いこともたくさんあると思います。でも途中で諦めず,努力し続けたいと思います。太郎くんのように人を笑顔にできるような,そんな人間になりたいと思いました。
 命を大切にするということは,今を精一杯生きることだと,教えてくれてありがとう。


 季節は秋。6時ともなれば日もとっぷりと暮れ,暗いところでは人の顔が判別できない。2週間後,新人戦が終われば,学校も冬時間。家庭で過ごす時間が1時間以上増える。つまり,自分で自由に使える時間が増えるわけだ。
 問題は,その時間をどう過ごすか。数ある過ごし方のうち,やはりオススメは読書だろう。
 玲奈さんのように新しい知識を得て,ものの見方,考え方が変わってくる。視野が広がるとともに,感受性がより豊かになる。
 あるいは,侑香さんのように主人公の気持ちに同調し,自分の今ある生活を振り返り,ありがたさを感じるとともに前向きに生きる勇気を手にする。
 マンガやテレビ・映画も同じ効果を生むかもしれないが,自分がこれまで得た知識や経験に基づいて文字からイメージを描き出さなければならない読書は,その何倍もの現実感を持って自分自身に変化をもたらす。
 思春期にあたる中学生,高校生の時期は,変化がいちばん著しい時期だ。
 本を読むことにより,新たな知識を吸収し,いくつもの人生を擬似的に体験することによって,内面が豊かに変化,成長していく。
 二人のように感想文を書けとはいわない。読みっぱなしで結構。書きたいときは,自然と書きたくなるものだ。たくさんの本を読んでみよう。
 その中で,オススメの本に出会えたら,ぜひとも先生に教えて貰いたい。
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