大月東中学校 美登里の日々

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われら学びて知るを得む
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行いをもて証とす
東中学 いや栄えあれ

私たちの生活を支える税金

2011年12月30日 10時16分52秒 | 学校生活
 昨日のブログ「褒賞の記録」で紹介した,柴田和佳(2年生)さんの「中学生税についての作文」で会長賞をいただいた作品を掲載する。


私たちの生活を支える税金
2年 柴田和佳


 私は「税金」という言葉を聞くと,消費税くらいしか思いつきませんでした。たしかに消費税は私たち中学生にとっても身近な税金かもしれませんが,他の税についても知りたいと思い調べてみることにしました。そしてその税は何に,どのように使われているかも気になりました。
 調べてみると税金は,国に納める国税,県に納める県税,市町村に納める市町村税の大きく三つに分けられていて,その中でさらにいろいろな税金に分類されていることが分かりました。それは私が思っていた以上の数で全く聞いたこともない名前の税金もいくつかありました。
 そして,その税金は,道路,図書館などの「公共施設」,警察や消防などの「公共サービス」を提供する費用,小・中学生の学習に必要な教科書,実験器具,体育器具など,私たちのために使われていることがよく分かりました。
 私は今まで,税金を払う意味,なぜ払わなければいけないのか,そんなことは考えてみたこともありませんでした。でも,もしも税金が無くなったらと考えると私たちは生活できなくなると思いました。例えば,税金が無くなると,道路が整備されなくて安全に通学通勤ができなくなってしまう。学校では教科書,実験器具,体育器具が無くて授業ができなくなってしまう。他にも,警察,消防が無くなってしまうと困るなど,少し考えてみただけでも不便なことはたくさん出てきて,私たちの生活を支える税金は大切だと分かります。しかし,税金は自分たちのために使われているというより,自分たちが払っているだけという意識が高くなってしまっていると思います。なので,一人ひとりが税金は身の回りで自分自身のために使われているということを理解し,意識していかなければいけないと思います。
 私たちの生活は,税金に支えられているということが今回作文を書いて改めて感じることができました。なので,これからも,将来大人になって税を納めるようになっても,税金の大切さを忘れず,しっかり払っていくことが必要だとわかりました。


 税金は,3年生の社会科「公民的分野」で勉強する。文中にあるように,税金にはいろいろな名前のついた税金が存在する。ついでといっては何だが,いい機会だから税金について蘊蓄(うんちく)を傾けよう。
 まず税金は納める先によって大きく二つに分けられる。国に納める国税と,都道府県・市町村に納める地方税だ。
 次に税金を負担する人の納め方によっても,二つに分けられる。税金を負担する人と納める人が同じ,つまり税金を負担する人が直接納める税金を直接税という。税金を負担する人と納める人が違う場合,つまり税金を負担する人が他の人を通じて間接的に納める税金を間接税という。
 そしてさらに,その使い道によっても,また二つに分けられる。税金の使い道を決められている目的税と,特に決まっていない普通税だ。ただし現在の日本には「目的税」は存在しない。(らしい?)
 というわけで,税金の名称はたくさんあるが,その種類は,国税と地方税,直接税と間接税,目的税と普通税の組み合わせとなる。
 たとえば,所得のある人にかかる所得税は国に納めるから「国税」。そして,負担する人と納める人が同じなので,「直接税」。そして,使い道は決まっていないので「普通税」となる。
 また,商品を購入したときにかかる一般消費税は,負担する人は消費者で,納める人は商店なので「間接税」。商品価格5%の税の行き先は,4%が国になるので「国税」,1%は都道府県なので「地方税」となるわけだ。また,一般消費税は「普通税」だが,野田総理は財務大臣在職中は消費税を3%上げてそれを「復興目的税」とする考えを持っていた。そして,現在は10%まで上げようと言っている。いずれにしろこの消費税,奥が深いので,「総合的な学習」や自由研究のテーマになるぞ。
 さて,大事なのは,税金の使い途。「普通税」なので,その使い途を分析すれば,その時々の政府(国や地方公共団体)の方針がわかる。戦争をしているときには,軍事費が歳出の50%を占める。福祉に力を入れていれば,社会保障費の占める割合が多くなる,という具合だ。
 君たちも立派な納税者。また,あと10年もすれば,ほとんどの人が働き,所得を得て,所得税を納めるようにもなる。税の仕組みを勉強し,その使われ方に目を配り,自分の考えを持つ。納税は国民の義務でもあり,権利でもある。税を納めるとともに,税の使い途を通して,よりよい政治が行われるよう積極的に関わっていける大人になってもらいたいと思う。
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