毛布が必要なのは

2011年02月23日 16時45分59秒 | B地点 その他

 

 

下には、赤い毛布が敷いてある。

そして、リュックの上には、黄色い毛布が敷いてある。

あの雪の日以来、ゆうちゃんは、赤い毛布に乗ることを、許された。

(※参照、「ダブル初体験」

だが、ゆうちゃんの望みは、リュックの上の黄色い毛布に乗ることである。
「おい。リュックに乗ってもいいぞ」
「えっ!? ほ、ほんと?」
「うむ。今日から、乗ってもいいことにしよう」
「わーい! お許しが出た!」

というわけで、ゆうちゃんは、この日初めて、リュックに乗った(実話)。
だが ――
「……」

「やっぱり、やめよう」

ゆうちゃんは、降りてしまった。
すたすた
「おい、ゆうちゃん、どうしたんだい?」
「黄色い毛布に乗るのが、夢だったんだろう?」
「僕は、毛布に乗らなくてもいいよ」
「寒さで凍えている人たちに、この毛布を、送ってあげようよ」
「ゆうちゃんは、いい子だな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


愛するものを守るため闘う

2011年02月23日 15時49分18秒 | B地点 おかか

 

 

私はその時、水を飲んでいた。
不気味な気配を感じて、振り向くと ――

テリトリーに、侵入者が!

例の黒猫、脅威君である。

(※参照、「仲間を守れ」「追い出せ」「雨の睨み合い」

運悪く、おむの奴はいない。

私が闘うしかない。
脅威君を追い払うため、私は、岸の上へ!
激しい格闘の末、私は脅威君に勝った。

橋の上を逃げていく脅威君を、私は更に追う。

(この橋は、二つのテリトリーの中間地帯である。)
脅威君が敗走したことを、私は確認した。
だが、脅威君はまだ、近くをうろついている。
奴が戻って来るかもしれないので、引き続き、私は警戒していた。
奴との激しい格闘で、私は怪我をした。
なあに。このくらい、どうってことはない。
この地を守るために。

私自身と、私の仲間を守るために、私は闘う。
今日は、ゆうちゃんが、初めてリュックに乗った。

記念すべき日である。
新しい世代が、どんどん育ってゆく。ゆうちゃんも、大きくなった。

だが、まだ脅威君には勝てないだろう。
今日は、ゆうちゃんを守ることができた。
大切なものを守るために、私は闘う。

たとえ我が身が傷つこうとも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


駆虫薬投与

2011年02月23日 15時22分09秒 | B地点 おかか

 

 

02月04日に処方された、駆虫薬である。

(※参照、「猫用内部寄生虫駆除剤」

前日は、おむさんに投与した。

(※参照、「それぞれが、それぞれの生を」

この日は、おかか先生に。
前回同様、粉にしてフードに練り込む。

(※参照、「オトナの味がする」

しかし、この日、先生は、ほとんど食べてくれなかった。

誰かに餌をもらったせいか、味が苦いせいか。

薬入りフードは冷蔵し、その後、数日かけて、七~八割ほど食べてもらったが、そのような投与の仕方で効果があるかどうか。

もっとも、おかか先生に関しては、寄生虫そのものも、寄生虫による症状も、確認されたわけではないので、深刻になる必要はないだろう。

ボラさんが、暖かくなったらレボリューションを用意しましょう、と申し出てくれた。それで充分、いや、完璧であろう。ありがたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


それぞれが、それぞれの生を

2011年02月22日 15時45分41秒 | B地点 おむ

 

 

保護されている間に、僕の体の中に寄生虫がいることが判明したんだ。

(※参照、「便の中に寄生虫が」

今はもう傷も治って、体調も安定しているので、僕はこの日、駆虫薬を飲むことになった。
これがその薬なんだ。
これを飲めば、内部寄生虫を駆除できる。
だけど……なんだか申し訳ないような気がするんだ。
だって……薬がなくて困っている人も、たくさんいるのに……。
「お前の気持は、よくわかるぞ」
「だがな、しょうがないじゃないか。それぞれが、それぞれの生を、精一杯生きるしかないのだよ」
「お前が今、薬を拒否しても、薬が無駄になるだけで、いいことは何もない。ありがたく薬を飲むがいい」
「そ、そうですね! おっしゃる通りです。さすが先生」
「うむ。わかればいいのだ」
にやり

「じゃあ、先生も飲みましょうね」
「……な、何だと?」
「実は、先生のぶんも、薬があるんです」
「ほら、これです! とっても苦いけど、ちゃんと飲みましょうね」
「しまった! ヤブヘビだった……!」

← 薬が大の苦手
「さあっ! 飲んで下さいっ!」
「勘弁してくれ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


落涙

2011年02月20日 16時06分05秒 | B地点 おかか

 

 

希望がある
だが ――
苦しみがある 不安がある
疲れがある
そして ――
悲しみがある
おかか先生の目に 涙が宿っていた
透明な涙が
ぽとりと落ちた
もちろん 演出でもなく やらせでもなく

これは おかか先生の目から落ちた涙を

そのまま撮影したものである

 

 

 

 

 

 

 

 

 


その時、激しい揺れが!

2011年02月20日 15時48分29秒 | B地点 おかか

 

 

「地震は、怖いよね」

「また大きな揺れがくるのかなあ……」

「そうだ、おかか先生に訊いてみよう。先生は地震のことに詳しいから」

(※参照、「危険な安全」「大きな地震」

「先生、また大地震がくるでしょうか?」

「何? 地震?」
「大きな揺れが、またくるでしょうか?」

「う~む。そうさな……」
「当分の間は、大丈夫だと思うがな」
「しかし……また強い揺れがくるかもしれん!」
「が、こないかもしれん!」
「いや……やっぱり……くるかも……」
「先生、一体どっちなの? くるの? こないの?」
「うむ! 近いうちに、大きな揺れが、きっとくる!」
「い、いや……やっぱり、こないかも……」
「先生!」
「ん?」
「いま先生の心は、大きく揺れてますね!」
「ははは……ま、まあな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


五日目の四回目

2011年02月19日 16時05分04秒 | B地点 おかか

 

 

おかか先生。

投薬の第5日にして、最終回(四回目)である。

※参照、
第1日(02月15日)、「新処方にて投薬開始」
第2日(02月16日)、「残雪の投薬」
第3日(02月17日)、「三日め」
第4日(02月18日)、「暴風 投薬できず」

薬を練り込んだフードを、ほぼ完食した。

むろん完治とはいかないが、状態は良くなっているようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


暴風 投薬できず

2011年02月18日 15時49分31秒 | B地点 おかか

 

 

おかか先生である。

投薬、四日め。最終日である。

(※参照、「三日め」

しかし ――

この日は強風が、いや暴風が吹き荒れた。

いつも作者が持参するこのリュックが、なんと、突風で飛ばされて川に落ちてしまった。
慌てて拾い上げたが ―― ご覧の通り。

おかか先生は、暴風を避けて、安全な場所へ避難した。
そのため、この日は、薬を練り込んだフードを与えることができなかった。

フードは冷蔵し、また翌日に投薬することにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


あなたの力をわけてください

2011年02月17日 16時29分57秒 | B地点 おかか

 

 

おむさんである。

三週間ほど前に、ケガをした。

(※このコマのみ、01月28日の撮影)

だが、その傷も、遂に癒えた。
「おい、よく治ったな! たいした回復力だ。若さだな」
「それにひきかえ、この私は……」
「見てのとおり、また体調を崩してしまってな」

「一昨日から、薬入りのフードなんぞを喰っている有様さ」

(※参照、「新処方にて投薬開始」

「お前の若さが、羨ましいよ……」
しょんぼり
「先生。僕のパワーを、僕の若さを、わけてあげましょう」
ぴとっ
おむさんは、おかか先生に体をくっつけた。
「どうです先生? 僕の若いパワーが、これで少しは伝わるかも」

「ふふふ。そうかもな。ありがとう」
「少なくとも、温かさは伝わったよ」
そんな二人の姿を見ていたゆうちゃんの心も、温かくなった。
でも、ゆうちゃんは、ちょっぴり不満だった。

「僕のほうが、もっと若いんだけどなあ……」