そんな日だった

2010年02月27日 16時22分00秒 | B地点 おかか

 

 

春一番の次の日は雨。

そして、その次の日も、雨だった。

しとしと しとしと
おむさんは、おかか先生と一緒に、橋の下で雨宿りをしていた。
こういう時は、退屈してしまう。
そして ―― おかか先生のだじゃれが炸裂するのが、常である。
おかか先生のだじゃれを聞かせられるのは、苦痛である。
おむさんは、今日も、それを恐れていた……。
しかし今のところ、先生は何も言わない。
おむさんが黙っていれば、先生もキッカケをつかめないのだろう。
ふと見ると、カモがいる。
サギもいる。
カワセミもいる。
早春の雨というのは、なかなか風情があるものだ。
「う~ん……。雨だなぁ……」

おむさんは、思わず、ひとりごちた。
むくっ
「……」

「おい、ひとこと、言わせてくれ」

「ま、まさか……」

「う~ん……」
「カメラなぁ……」
―― 遂に、先生のだじゃれが出てしまった。
しかも、「雨だなぁ」と「カメラなぁ」。
余りにも、ひどいではないか……。
ぐったり
どこか楽しく、どこか憂鬱な、そんな、春雨の日であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


春一番が吹いた日

2010年02月25日 16時50分00秒 | B地点 おむ

 

 

「今日は、陽射しが強烈ですね」

「くはー! まぶしいなあ!」
「これは……春の陽射しかもしれませんよ!」
「む……。そうだな。いよいよ春が来たのかも」
「よ~し、調べてみよう」

すたすた
「川岸に降りれば、わかるかも」
「うわー!? 風が強いなあ!」

びゅう~びゅう~

「昨日は、こんなだったのに」


※このコマのみ、前日の撮影

「今日は、水面が、こんなだもん」

ちゃぷちゃぷ
「うむ。確かに強い風だ」
「どれ。私も水辺に降りてみるかな」
ひょい

「う~ん。本当に凄い風だ! 川面が波立ってる!」

びゅう~びゅう~ ちゃぷちゃぷ

「先生! 気象庁の発表があったそうです。この風は、春一番ですよ」
「おお! やっぱりそうか!」
「……僕、春が来たら、やりたいことがあったんです」

「春にやりたいこと? 何だね?」

「寝るんです」
「思いっきり、寝るんです」
「な~んだ。いつもと同じじゃないか」
「えっ!?」

「全然違いますよっ!」

「この違いが解らないなんて、先生らしくもない」
「春に寝るのは、とっても気持がいいんです」
「……ふふ。なるほど。そうだなあ」
くーくー すやすや

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


色々と萌え出ずる

2010年02月25日 16時28分00秒 | B地点 おむ

 

 

おなじみ、おむさんである。

昨年暮れに、異物が付着したため、毛刈りが行われたことは、読者もよくご存じの通りである。
その跡も、当初ほどは、目立たなくなってきた。
そして、この日、気付いたことがある。
新しい長い毛が、たくさん生えてきたのだ。

きっと、そろそろ換毛期なのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


良くなりますように

2010年02月25日 16時01分00秒 | B地点 おかか

 

 

昨年暮れから、眼軟膏の投与を受けている、おかか先生である。

※参照:

だいじょうぶかな
病院嫌い
再開します

そこそこ効果があったのであるが、この日は、左眼の上まぶたから、「血の混じった膿」のようなものが出てきた。
いわゆる「ものもらい」に近い症状かとも思われる。

やはり、細菌感染による炎症・化膿なのだろうか。
翌日、私(作者)はこれらの写真を携えてまた動物病院に赴き、獣医師に相談した。
詳細は省くが、結局、今までと同じ眼軟膏(抗菌剤)が処方され、継続投与となった。

私は以後、塗布の量をやや多めにした。

03月13日現在まで、おかか先生の眼の状態は、それほど悪くない。まだ目やにが多めであるが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


三年後

2010年02月24日 16時24分00秒 | B地点 その他

 

 

この日、見慣れない猫がいた。
私(作者)は、地域猫ボランティアさんに、写メで問い合わせてみた。
すると、驚いたことに、三年ほど前にこの同じ場所にいた猫であるということが判明した。

当時、ボランティアさんが、給餌や去勢をなさったそうである。
この猫には特殊な身体的特徴 ―― 胸部の突起(胸軟骨の突出だそうだ) ―― があり、現地にお越しになったボランティアさんによって、個体が同定されたのである。
漸く、私も思い出した。

当時は、地域猫として去勢済みであることの印として、耳にピアスを付けていた。

だから私はこの猫を、ピアスちゃんと呼んでいた。写真も撮った。

ほぼ三年ぶりに再会したわけである。


参照:

うふふ
えへへ
猫が勇めば花が散る

さて ―― このピアスちゃん、痩せている。
動作も緩慢である。
バッグに乗ったりもするが、
元気がない。
膝に乗せても、ぐったりしている。
ボランティアさんは、ピアスちゃんを保護するという決定をなさった。

ご依頼を受けて、私も微力ながら、預かりのお手伝いをすることになった。
ピアスちゃんは水は飲むが、餌を食べない。

そして、嘔吐した。

吐物は白い泡であった。
撮影時は気付かなかったが、ここに写っている白い泡も、やはりピアスちゃんの吐物だったのである。
この日の晩、(これらの写真が撮影された後、)ピアスちゃんは病院で検査を受けた。その結果、FeLV陽性であることが判明した。
また、脱水状態であったため、病院では輸液も行われた。

ピアスちゃんはそのまま入院した。
翌日、ピアスちゃんは転院した。

更に詳しい検査の結果 ―― ピアスちゃんは既に末期のがんに冒されており、余命いくばくもない、という診断が下った。
ピアスちゃんは治療を受けながら闘病したが、八日後(03月04日)に息を引き取った。
ピアスちゃんは、最期の日々を、ボランティアさんの献身的な愛情に包まれて過ごしたのである。