それぞれが、それぞれの生を

2011年02月22日 15時45分41秒 | B地点 おむ

 

 

保護されている間に、僕の体の中に寄生虫がいることが判明したんだ。

(※参照、「便の中に寄生虫が」

今はもう傷も治って、体調も安定しているので、僕はこの日、駆虫薬を飲むことになった。
これがその薬なんだ。
これを飲めば、内部寄生虫を駆除できる。
だけど……なんだか申し訳ないような気がするんだ。
だって……薬がなくて困っている人も、たくさんいるのに……。
「お前の気持は、よくわかるぞ」
「だがな、しょうがないじゃないか。それぞれが、それぞれの生を、精一杯生きるしかないのだよ」
「お前が今、薬を拒否しても、薬が無駄になるだけで、いいことは何もない。ありがたく薬を飲むがいい」
「そ、そうですね! おっしゃる通りです。さすが先生」
「うむ。わかればいいのだ」
にやり

「じゃあ、先生も飲みましょうね」
「……な、何だと?」
「実は、先生のぶんも、薬があるんです」
「ほら、これです! とっても苦いけど、ちゃんと飲みましょうね」
「しまった! ヤブヘビだった……!」

← 薬が大の苦手
「さあっ! 飲んで下さいっ!」
「勘弁してくれ……」