惜別

2008年07月31日 18時53分00秒 | B地点 おかか

 

トラックがやって来た
今日は草刈りの作業が更に進められる
河川の管理は大変だろう
酷暑の中での作業の労苦も察するに余りある
だがもしも感傷が許されるのなら

私の愛した花々が

(20日18時54分撮影)

彼の愛した草叢が

(22日18時41分撮影)

失われてしまったことに対して
一掬の涙を禁じ得ないのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


遠望の瞳

2008年07月30日 16時23分54秒 | G地点 シロC

 

シロさんがやって来た。

彼女が子育て中だと私が聞いたのは、07月14日だった。その時点で仔猫が仮に一週齢だったとすれば、今はもう三週齢になっている計算だ。
「信頼すべき目撃筋からの又聞き情報」によると、シロさんの子は一匹だけ(他は育たなかったらしい)、色はやはり白だが、みじか尻尾だそうだ。

(産褥を追い出され已むを得ず移動したので、その際に目撃されたとのこと。)
む、頸の左側にも傷を負ったな。
右側の傷は、もうカサブタになった。
先日も見せて貰ったが、シロさんの子は、この二つの乳首がお気に入りらしい。
おほっ、ついさっきまで仔猫が吸っていたに違いないぞ、これは。
シロさんはなぜか木に登った……。
近い内に元気な子を見せておくれよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「わたしの指がついうっかりと……」

2008年07月30日 15時36分00秒 | G地点 チッチ

 

今日ぼくがベンチでぼーっとしてたら
だしぬけにミーコさんが現れたんだ
隠れる暇もなかったよ
ミーコさんはおもむろにぼくの隣に座った
どど どうしよう 何か言わなくちゃ
ドキドキドキ わっ 心臓が飛び出しそうだ
しかも 偶然だけど 足の先が触れ合ってしまった
ミーコさんの柔らかくて温かい肉球!
わわーっ!
ぼくは必死で平静を装っていたけど
心の中では 大声で叫んでた
ミーコさんの方はといえば 終始澄まし顔で
足先が触れているのにも気付かなかったみたいだ
……間もなくミーコさんは行ってしまった
何も言わずに また 何事もなかったように
もちろん ぼくも結局何も言えなかったよ
ちぇっ ぼくってダメだなあ

 

※ タイトルは、ロラン・バルト著/三好郁朗訳 『恋愛のディスクール・断章』(みすず書房、1980年) 100頁より

 

 

 

 

 

 

 

おまけ写真

 

 

 

 

 


轟音

2008年07月30日 15時01分03秒 | G地点 チッチ

 

チッチさん いつの間にか 逞しくなったわね
へへ ナナちゃん ありがと
ぼく 一歳になったんだぜ 怖いものなしさ
あら この音は何?
昼の花火 どん どん ずどどーん
びくっ
あたふた
怖いよー

 

※ 後半(5~8コマ)はほぼ実話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


Daddy-Long-Legs

2008年07月30日 14時38分00秒 | G地点 チッチ

 

あたしはジュディ。
身寄りのない捨て猫だけれど、


匿名の大富豪「あしながおじさん」のお陰で、
進学することができたのよ。
大学生活は楽しいわ。
素敵な友達もたくさんできた。
怪我にもめげない、ナナちゃん。
子育て中の、シロさん。
ひょうきんな、チッチさん。

それにしても、
あしながおじさんって、誰かしら?
どんなひとかしら?

あっ? ……ま、まさか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


秘薬 (その二)

2008年07月28日 18時08分00秒 | B地点 おかか

 

(承前)


やれやれ やっと媚薬の効力が薄れてきましたね 先生

まったく 酷い目に遭ったぞっ
待って下さい 媚薬に笑い薬も混じってたようです……にゃはっ
なにっ?
にゃ……にゃはっ
にゃははっ ほ ほんとだ 笑いが止まらん
にゃははっ
にゃーっはっはーっ なんとかしてくれーっ

 

※ 後日譚はこちら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


秘薬 (その一)

2008年07月28日 17時20分00秒 | B地点 おむ

 

「この茂みの奥から、いい匂いがするぞ」
「ええ、とてもいい匂いですね、先生」

「えもいわれぬ香りだな、いったい何だろう」
「中に入ってみましょう」
「よし、私も行くぞ」
やがて出てきた両者の様子がおかしい
茂みの奥にあったのは、なんと! 「禁断の愛の媚薬」だったのである
「先生、僕、なんだか不思議な気持に……」

「……私もだ」

ちゅっ

(続く)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


プーマの心痛

2008年07月27日 16時52分00秒 | B地点 おむ

 

プーマ!
なんちゃって。
ふふ、最高だなあ。
雨脚が強くなってきたけど、
この木の下の、このイスの上で、
のんびり雨宿りさ。
あれっ、向こう岸に……。

ああ……、
やっぱり雨宿りだね。

なんだか狭そうだなあ。
……でも、あれが野良猫の本来の姿だよね。
僕、こんなに贅沢してて、いいのかな……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


こればっかりは

2008年07月27日 15時52分00秒 | B地点 おかか

 

降ってきたっ
この木の下で雨宿りしましょう
おかか先生 何してるんですかっ
ま 待ってくれ
こればっかりは途中で止められないんだ
後始末もちゃんとしないと
ひゃー 濡れちまう
ほら先生 急いで下さいっ
うわー まいったな
水もしたたる濡れネズミだ

 

 

 

 

 

おまけ写真

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ちょっとびっくり

2008年07月27日 15時22分00秒 | B地点 おむ

 

水を飲んでいたら、
ぽつぽつ降り出したので、
草叢で雨を避けていたんだけど、
そこから出ようとしたら……出られないんだ。
偶然だけど、草の茎が絡まって、輪になって、僕の首に引っ掛かってしまったんだ。
何が起こったのか、よくわからなかったよ。ちょっぴり慌てちゃった。
もがけばもがくほど、ぐいぐい締め付けられるんだからね。
カメラのお兄さんが助けてくれたけど……なあに、余計なお節介だったのさ。もちろん自力で抜け出せたんだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


変化

2008年07月25日 17時58分04秒 | B地点 おむ

 

僕たちが暮らす川岸で 今日 大規模な草刈りが行われた

昨日はこうだったのに

前日(17時59分)撮影

今日は こう
刈り取られた草は 強い日射しのせいで たちまち萎れて 茶色くなってしまった
隠れ家も遊び場もなくなって なんだか不安だ
ねえ おかか先生 なぜ草を刈るんでしょう?
私にはよく解らないよ 仮に解ったとしても 私は語らないだろうな
不安になりませんか 先生

すぐ慣れるよ……