二日間入院していたおむが、今日退院する。 私はおかか先生と一緒に待っていた。 | |
そして、おむは帰ってきた。 | |
目は殆ど元通りになった。 | |
あんなに腫れていたのが嘘のようだ。 | |
ん、それは、ケンカ傷かい、注射の跡かい? | |
まあ、それくらい、舐めてりゃ直るさ。 | |
やはり、いつもの場所は落ち着くらしい。 | |
おかか先生も喜んでいるのだろう。 | |
おむもすっかりくつろいでいる。 | |
感慨深いとでも言いたげな面持ちも、ちらと見せてくれた。 | |
かなり強そうな顔つきだ。 |
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この猫がおむとケンカしたのかもしれない。 |
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野良猫としてはこれ以上望めないほどの手厚い看護と治療をおむが受けられたのは、ひとえにボランティアさんのお陰である。 |
「おむの右目が腫れてしまったのだ」 | |
「心配だよ」 | |
「いつも世話になっているボランティアさんに カメラの若造がさっそく連絡してくれたが 私にも何かできることはないだろうか」 | |
「……よおし これだッ!」 | |
どっすん | |
「……おかか先生 つい先日も似たようなことを」 「う うむ」 | |
「だ だがな 今日は一層の愛情が込められているんだ 早く良くなれよ」 | |
「……先生 どうもありがとう」 |
※参照 「見られてた」