どこにいたの

2011年06月30日 16時41分53秒 | B地点 おむ

 

 

雨脚が強くなってきた
背中が少し濡れてしまった……
しょうがない、ここで雨を避けよう
雨はますます強くなる

遠くで雷も鳴っている
「みんなはどこにいるだろう? ゆうちゃんは大丈夫かな?」
「僕、ここにいるよ」
「僕は大丈夫だよ」
「それより、おかか先生はどこにいるのかな……」
「心配はいらないよ」
「私はこうして、傘の下にいるからな……」
やがて雨は上がった
お日さまが顔を出した……!
お日さまは、雨の間、どこにいたのだろう

雲の上で、誰かと遊んでいたのかな?
「ねえ、お日さまは、どこにいたの?」
お日さまは、何も答えてくれなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 


御礼参り

2011年06月29日 11時07分00秒 | 一期一会

 

 

この猫については、まず、「神社にて」(04月15日)を参照されたい。


あれから二ヶ月余り。

この日母は、手術を受けた病院の外科で、最後の外来診察を受けた。
術後、発作も次第に鳴りをひそめ、
経過はまずまず良好と判断されて、
母は向後、再び地元の病院の内科で、フォローされることになったのである。

診察後、私は母と共に神社を訪れ、お礼参りをした。
そして、あの時の猫にも、こうして再会することができたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


アクビ合戦の午後

2011年06月28日 17時12分40秒 | B地点 おかか

 

 

「いや~暑いなあ。だるいなあ」
「退屈ですねえ」
「どうだ、おい! ヒマつぶしに、アクビ合戦でもやるか?」
「アクビ合戦!? 面白そうですね。やりましょう!」
「んじゃ、まず私から」
「ほああ~」
「じゃあ次は僕が。ほああ~」
「負けてたまるか! ほああああ~っ!」
「よ、よくそんなに続けてアクビができますね」
「ふふふ。この勝負、私の勝ちのようだな」
「ダメ押しの一発! ほあああ~っ!」
そんな二人を、カモの夫婦が見ていた。
「あっ、カモさんだ!」
「あの二人、バカみたいだな」

「ええ。いつもああなのよ」
「……」
「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


うるわしき玉

2011年06月27日 17時53分16秒 | B地点 おかか

 

 

「いや~参ったよ。もう、ぐったりだ」

「今日は何度も何度も、ゲロしてしまった……」


(※参照、「嘔吐7回」

「先生、元気を出してよ。プレゼントあげるから」
「ほら、これあげる」
「おお! 四つ葉のクローバーか!」
「違うよ」
「ん? じゃあ何だ?」
「葉っぱに付いてる、水玉だよ!」
「なるほど、水玉か……。美しいなあ」
「素敵なプレゼントを、ありがとう」
「先生、体を大事にしてね」
「だがな、私も美しい玉を持っているぞ」
「ま、まさか……」
「その、まさかだよ!」
「な~んだ。その玉なら、僕も持ってるよ」
「いいなあ……」

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