僕は今、カメラのお兄さんのおうちで、療養中なんだ | |
お兄さんは毎日、パソコンでおはなしを作っている それがお兄さんの楽しみなんだ | |
だけど、今日に限って、おはなしのネタが、思い浮かばないらしい お兄さんは、とっても辛そうだ | |
なんとかして、お兄さんの役に立ちたい 何か、いいネタはないだろうか……? | |
「そうだ! テレパシーで、おかか先生に相談してみよう!」 | |
← テレパシー送信 | |
← テレパシー受信 「何? ネタだと?」 | |
「へっへっへ! 私にまかせろ!」 | |
たったった | |
ごろっ | |
ごろん | |
「……」 | |
「!?」 | |
すやすや | |
「……寝た?」 | |
「その通り! わっはっは~!」 |
よっちゃん。 | |
ゆうちゃん。 | |
前日は、距離を置いて、睨み合っていた。 (※参照、「仲良くなれるかな?」) しかし、この日は ―― 急接近! | |
お鼻とお鼻をくっつける、猫のアイサツである! | |
お互いに、相手を認めたようだ。 | |
二匹の距離が、だいぶ近付いた。 |
保護、四日め。 | |
前夜から朝にかけて、おむさんは初めて排便をした。 前回(二年前)の保護の時も、最初の数日間は、排便が見られなかった。だから今回も、余り心配はしていなかった。 | |
便はやや硬めだが、特に問題はないようだ。肛門も大丈夫。 ―― これで、「飲む・喰う・出す」がすべて揃った。 | |
朝方、患部から少量の出血。 前日にあれだけ膿を絞ったので、このくらいは仕方がないだろう。 | |
排尿も良好。 | |
尿路系に関しては、とりあえず心配ないようだ。 | |
よく食べる。 | |
よく飲む。 | |
断続的にだが、よく眠る。 | |
投薬も、毎日スムーズだ。 | |
問題は、やはり、精神面である。 既に述べた通り、室内生活になじめないのだ。 | |
部屋の外に、出たくてたまらない。 | |
窓の向こうが、気になってしょうがない。 | |
おむさんは、痛ましい声で鳴き続ける。 | |
おむさん。 保護されてから、三日め。 | |
前日にいったん出血したものの、その後は特に問題もないまま30時間が経過した。 | |
08時30分。 私なりに、触診してみる。 傷口(カサブタ)は完全に乾いて、ガサガサしている。(周囲にこびりついているのも、前回出血した時の血が乾いたものである。)だが、患部を軽く押してみると、カサブタの下は、なにやら、ブヨブヨしている ―― 。 目視した限りでは、ふくれているようにも見えないが、しかし、内部が少し化膿しているのかもしれない。 | |
14時40分。 剥がれかけたカサブタの周囲の隙間から、自然に膿汁が出てきた ―― 。 化膿止めを飲ませてはいるのだが、やはり、少し膿んでしまったのだ。 | |
「もし化膿したら、外科的に排膿する」というのが獣医師の方針であったことは、既述の通り。 ところが運の悪いことに、この日は日曜で、かかりつけの動物病院は休診である。 費用の問題もあるので、他の病院を探すことはせず、私自身が膿を出すことにした。 | |
おむさんの頭部を押さえ、畳んだウェットティッシュを患部に当てて、膿を押し出す。この作業を、何度も何度も繰り返す。 ティッシュを15枚ほども取り換えたろうか。結局、何も出なくなるまで、膿を絞り出してしまった。 (この処置は良かった、と、後日、獣医師にホメられた。もっとも、獣医師なら、患部を切開したであろうが。) | |
意外なことに、この処置をしている間、おむさんは全く痛がりもイヤがりもせず、私にすっかり身を任せていた。 治りかけの傷というものは、ムズムズするものである。そこをギュッギュッと強く押さえてもらったので、気持がよかったのだろう。或いは、膿を出すことに意味があるということを、本能的に知っているのかもしれない ―― 。 | |
20時00分。 | |
よっちゃん。 | |
ゆうちゃん。 | |
前日の、初顔合わせ(?)の時は、些か不穏な雰囲気だった、この二匹。 (※参照、「もどってきたよ」) 今日は ―― 距離を置いて、睨み合っている。張り詰めた空気。 | |
そんな二匹を見守るのは、おかか先生。 | |
どうなることか!? とばかりに、身を乗り出して注視している。 | |