半分は本気だった

2009年02月28日 17時21分00秒 | B地点 おむ

 

この日、いつものようにリュックに乗ろうとしたおむは、
ふと、考えた。
「ねえ先生、お願いがあるんです」
「ん? 何かね?」

「先生の背中に乗ってみたいんです」
「な、何っ!?」

「リュックにばかり乗っていては芸がないし。カメラのお兄さんの背中にも、何度も乗ったし」
「そ、それで、私の背中に乗りたいと?」

「ええ、そうなんです」
「ねっ、この通り。頭を下げてお願いします!」

「だ、だめだだめだ! かんべんしてくれっ!」
「……先生、冗談ですよ。何も逃げなくたって」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


加齢なる落ち

2009年02月28日 17時20分00秒 | B地点 おかか

 

「ねえ先生、昨日は大雪にならなくて、よかったですね」

「うむ。そうだなあ」
「……だが、もし私が雪だったら、どうだろう? ふわふわ落ちるのは、楽しいだろうなあ」

「えっ、なんですって!?」
「試してみるか!」
ふわ~っ
「先生! 危ない!」
どった~ん

「うぐ~っ!」
がくっ ぴくぴく

「あいたたた……」

「だ、大丈夫ですか、先生」
「……いかがでした、雪になった気分は?」

「い、痛かった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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雪の翌日の秘技

2009年02月28日 17時16分00秒 | B地点 おむ

 

雪が降った。


(27日撮影)

積雪が懸念されたが、雪はやがて霙(みぞれ)になり、雨になった。


(同じく27日撮影)

その翌日。

猫達は、いつもと変わらず、元気であった。

これは、おかか先生。ブレボケであるが、ポーズと構図がいいので、掲載。
これは、おむさん。秘技「回転流し撮り」に成功したので、掲載。だが、私の左手が邪魔である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


アンテナ鉄塔を建てよう

2009年02月28日 16時29分00秒 | G地点 シロC

 



シロさんである。アンテナの鉄塔が気になるらしい。


 



えっ、シロさんも鉄塔を建てたいって? 尻尾で!?


 



おいおい、どうした、シロさん?


 



おお、尻尾が上がってきた!


 



す、すごい! できそうだ!


 



や、やったあ! 成功したね。ちょっと傾いてるけど(笑)。


 



うん。流石はシロさん。


 



たいしたもんだ。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


鞘当て?

2009年02月28日 16時18分00秒 | G地点 その他

 

左がナナちゃん。右はクロ子さん。どちらも雌である。
両者の間に、凄まじい緊張が走る。オンナ同士の鞘当てか。
ナナちゃんは、
クロ子さんの胸が気になるようだ。
クロ子さんは、
ナナちゃんのお尻に、神経を集中。
ナナちゃんが去る。
緊張が解けて疲れを感じたのか、
クロ子さんは、がっくりと肩を落とした。
悠然と去るナナちゃん。クロ子さんの方が「気合い負け」したように見える。クロ子さんはまだ幼いので、それも当然か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


柳眉が……

2009年02月28日 16時15分00秒 | G地点 チッチ

 

「……」
「あ~! ミーコさんは綺麗だなぁ~」
「……」
「う~ん! ミーコさんは可愛いなぁ~」
「……」
「いや~! ミーコさんは素敵だなぁ~」
「ガオーッ!」
びくっ
「ガオガオーッ!」

びくびくっ
「ギャオーッ!」
「グオーッ!」
「ミ、ミーコさんは、怖いなぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


幸福のために

2009年02月28日 15時50分00秒 | G地点 ミーコ

 

「この紐を引っ張ると、願いが叶うんだってさ!」
ぐいっ

「みんなに、いいことがありますように! ぼくにも、いいことがありますように!」

無邪気でいじらしい、そんなチッチの後ろ姿を、ミーコさんがじっと見ていた。
たまにはチッチにも優しくしてやろう ―― とミーコさんは思った。
そこでミーコさんは、チッチの後ろに座って……。
尻尾を……。
ぴとっ

チッチは、その日いちにち幸せだった。そう、恋する者が幸福になるためには、これだけでも充分なのである。


(※参照、「『わたしの指がついうっかりと……』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


良し悪しの彼岸

2009年02月26日 17時24分00秒 | B地点 おかか

 

「おっ、カイロだ」
ぬくぬく

「んむ、あったかい」
ほこほこ

「ん~、こりゃいい」
「おい、二つあるから、一つ使わないか?」
「いえ、僕は若いので、平気です。先生、どうぞ両方お使い下さい」

「そうか? すまんね」
「あ~、いい気持だ」
僕は先生にカイロを譲ったけれど、いくら若いとは言え、寒さを感じないってことはない。
僕には、僕なりに、暖を取る方法があるのさ。
カメラのお兄さんの膝の上も、その一つ。
そういえば、おかか先生は、「ニンゲンの膝の上」の味わいを知らないんだろうな。これからも、知ることはないだろう。
そのことが良いか悪いかって? どうなんだろう、わからないなあ。僕なんか、猫としては堕落してるのかもしれないし。

きっと、問いの立て方が間違ってるんだろう。良し悪しの問題じゃないと思うんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ソフトフォーカス

2009年02月26日 17時17分00秒 | B地点 おかか

 



「おっ、カメラの若造か。どうした、まだ一眼レフを買わんのか」



 



「何? 今日は顔のアップを撮りたい?」



 



 「よかろう。かっこよく撮ってくれよ」



 



「ん? ソフトフォーカスか! 中々やるじゃないか!」



 



「何っ!? 鼻息でレンズが曇っただけかーっ!」