![]() |
ゆうちゃんは、まず間違いなく、前年の春の生まれである。 (※参照、「夕刻の訪問者」(ゆうちゃん初登場)) |
![]() |
だから、ゆうちゃんにとって、雪を踏むのは、初めての体験である。 |
![]() |
「う~ん。これが雪か……!」 |
![]() |
|
![]() |
「なかなか楽しいね!」 |
![]() |
「やれやれ。子供は元気がいいなあ」 |
![]() |
「しかし、足が冷たいだろうに……」 |
![]() |
「よし! 今まで、ゆうちゃんには厳しくしてきたが、今日は特別だ」 |
![]() |
「お~い! ゆうちゃん!」 |
![]() |
「なあに?」 |
![]() |
「毛布に乗ってもいいぞ!」 |
![]() |
「ええっ!? ほ、ほんと?」 |
![]() |
「ふふふ。ほんとだとも」 |
![]() |
「やったあ~っ! 遂にお許しが出た!」 |
![]() |
たったったっ |
![]() |
「ほ、ほんとに乗ってもいいの?」 |
![]() |
「うむ。いいともさ」 |
![]() |
こうして、ゆうちゃんは、 |
![]() |
この日、初めて毛布を踏んだのだった。 (※実話) |
![]() |
雪と、毛布と ――。二つのものを初体験した、ゆうちゃんであった。 |
![]() |