大音量は苦手です

2011年08月31日 17時09分55秒 | B地点 おむ

 

 

僕は今、いつもとは違う場所にいる。
いつもの場所は、草刈り中なんだ。
今ちょうど、刈り取った草をクレーンで吊り上げる作業をしている。
だから僕は、ここに避難しているんだよ。
「避難だと? ふふふ。怖いのか?」
「人間は怖くありません。クレーンの音が怖いんです」
「クレーンの音が怖い?」

「そうです。猫は、大きな音に敏感ですからね」
「はははは! 笑わせるな!」
「たかが音じゃないか。私は、大きな音なんか怖くないぞ」
「……へえ? 本当ですか?」
「ふふふ。本当だとも」
「……」
「わ~~~っ!」
「うひゃっ!?」
「どうです? 怖かったでしょう」
「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


イケメンになれるという薬を使ってみた

2011年08月30日 17時51分21秒 | B地点 おむ

 

 

オムイ外伝 第六部(驚天動地篇) 第14話

 
抜け忍オムイは、病んでいた……。
眼の病である。

右の眼から、粘りけのある涙が出てしまうのだ。


(※参照、「涙が止まったら涙が出た」

「おい、オムイ! 具合はどうだ? 大事ないか?」
「むッ!? 追忍かッ!」
「まあ落ち着け。武士の情けで、薬を持って来たのだ」
「薬だと……?」
「これだよ。眼軟膏だ。さあ、さっそく使うがいい」
「か、かたじけない……」

ぬりぬり
「……うむ、効きそうだ。礼を言うぞ!」
「な~に。敵に塩を送るというやつさ。礼には及ばん」

「いやいや……恩には、恩をもって報いたい」

「そうだ! 礼として、秘伝の忍薬をお前にやろう」
「秘伝の忍薬……?」
「これだ! 美男子になれる薬だ!」
「な、何ッ!? 美男子になれるとなッ!?」

がばっ
「さ、この薬を、顔に塗るがいい」
「か、かたじけないッ……!」

ぬりぬり
だがこれは、オムイの非情なワナだった……。

「ぐはッ!」
「ふッふッふ。効いてきたようだな……」
「うわッ! か、顔が!」

ぶるぶるぶるぶる
「その薬を塗ると、顔が崩れてしまうのだ!」
「ぐはあああーーーッ」