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オムイ外伝 第四部(奇想天外篇) 第49話 |
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「何ッ!? オムイの足取りを見失ったと!?」 |
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「心配ご無用! 四つ葉のクローバーを手に入れました!」 |
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「オムイがどこに隠れようとも……四つ葉に念じて、呪殺します!」 |
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「なんと、呪殺とな!?」 |
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「オムイよ、死ね~~~い!」 追忍は、一心に念じた。 ずもももも~ん |
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ところが、急に ―― 「ぐえッ!? く、苦しい!」 |
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「ぐはあーーーッ!!」 |
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がくっ |
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「むむッ!? これは何としたことじゃ?」 |
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―― 同時刻。遠く離れた場所で。 「ふッふッふ……」 |
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オムイも、同じことをしていたのであった。 |
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おむさんは、草叢の中で、 |
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四つ葉のクローバーを見付けたのだった。 |
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「わ~い。嬉しいな~」 |
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「きっと、いいことがあるよ!」 |
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―― と、そんなことを考えていたら、 |
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一時間ほど経ってから、また四つ葉を見付けた。 |
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「おっ! いいことがあったな!」 |
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「え? いいこと? これが? 四つ葉の発見が?」 |
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「同じことの、繰り返しじゃないですか……」 |
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「ほう? 不毛な循環だと言うのかね?」 |
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「そのような循環が生じること自体、とても『いいこと』だと思わんのか?」 |
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「う~ん。そうかもしれませんけど」 |
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「でも……何かもっと、別の『いいこと』を期待していたんですよ」 |
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ここで、おかか先生は、何か考えついたらしい。 「……」 |
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ばたっ |
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「ぐはっ!」 |
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「あっ!? ど、どうしたんですか先生!?」 |
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「妊娠した!」 |
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「……そんなバカな」 |
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「へへへ。もちろん冗談だよ」 |
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「私の冗談が聞けたのだから、『いいこと』があったと思え」 |
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「う、う~ん。ま、そういうことにしておきましょう」 |
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やっと晴れてきた |
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昨日の豪雨が嘘のようだ |
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でも嘘じゃなかった証拠に、 濁流に洗われた水辺の草が、薙ぎ倒されている |
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よっちゃんが来た |
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ゆうちゃんも来た |
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ところが ―― いつまでたっても、おかか先生が来ない |
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「まさか……先生は、昨夜の濁流に飲まれたんじゃ……」 |
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「う~ん、それはないと思うよ」 |
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「先生のことだから、きっとどこかに隠れてるんだよ」 |
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「意外な所から出て来て、僕たちを驚かせるつもりなんだよ」 |
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「そうかもしれないね! 先生のやりそうなことだ」 |
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「だとしたら……どこに隠れているのかな?」 |
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「とにかく、待ちくたびれたよ。ほあ~」 |
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「ん?」 |
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「あああ~」 |
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「少なくとも、おむさんの口の中にはいないね」 |
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「ふふ。そりゃそうだよ……」 |
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―― 結局、この日、おかか先生は現れなかった
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僕たちはとても心配したけれど……
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