たとえ遠く離れていても

2011年05月31日 17時35分35秒 | B地点 おかか

 

 

オムイ外伝 第四部(奇想天外篇) 第49話

 
「何ッ!? オムイの足取りを見失ったと!?」
「心配ご無用! 四つ葉のクローバーを手に入れました!」
「オムイがどこに隠れようとも……四つ葉に念じて、呪殺します!」
「なんと、呪殺とな!?」
「オムイよ、死ね~~~い!」

追忍は、一心に念じた。

ずもももも~ん
ところが、急に ――

「ぐえッ!? く、苦しい!」
「ぐはあーーーッ!!」
がくっ
「むむッ!? これは何としたことじゃ?」
―― 同時刻。遠く離れた場所で。

「ふッふッふ……」
オムイも、同じことをしていたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


四つ葉で、いいこと。

2011年05月31日 17時06分37秒 | B地点 おむ

 

 

おむさんは、草叢の中で、
四つ葉のクローバーを見付けたのだった。
「わ~い。嬉しいな~」
「きっと、いいことがあるよ!」
―― と、そんなことを考えていたら、
一時間ほど経ってから、また四つ葉を見付けた。
「おっ! いいことがあったな!」
「え? いいこと? これが? 四つ葉の発見が?」
「同じことの、繰り返しじゃないですか……」
「ほう? 不毛な循環だと言うのかね?」
「そのような循環が生じること自体、とても『いいこと』だと思わんのか?」
「う~ん。そうかもしれませんけど」
「でも……何かもっと、別の『いいこと』を期待していたんですよ」
ここで、おかか先生は、何か考えついたらしい。

「……」
ばたっ
「ぐはっ!」
「あっ!? ど、どうしたんですか先生!?」
「妊娠した!」
「……そんなバカな」
「へへへ。もちろん冗談だよ」
「私の冗談が聞けたのだから、『いいこと』があったと思え」
「う、う~ん。ま、そういうことにしておきましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


どこにいるの

2011年05月30日 17時01分12秒 | B地点 おむ

 

 

やっと晴れてきた
昨日の豪雨が嘘のようだ
でも嘘じゃなかった証拠に、

濁流に洗われた水辺の草が、薙ぎ倒されている
よっちゃんが来た
ゆうちゃんも来た
ところが ―― いつまでたっても、おかか先生が来ない
「まさか……先生は、昨夜の濁流に飲まれたんじゃ……」
「う~ん、それはないと思うよ」
「先生のことだから、きっとどこかに隠れてるんだよ」
「意外な所から出て来て、僕たちを驚かせるつもりなんだよ」
「そうかもしれないね! 先生のやりそうなことだ」
「だとしたら……どこに隠れているのかな?」
「とにかく、待ちくたびれたよ。ほあ~」
「ん?」

「あああ~」

「少なくとも、おむさんの口の中にはいないね」
「ふふ。そりゃそうだよ……」

―― 結局、この日、おかか先生は現れなかった


(※まれなことですが、実話)

僕たちはとても心配したけれど……

でも、 翌日には、元気な姿を見せてくれたよ


(※実話)