いいものゲット(後篇)

2009年04月29日 16時04分00秒 | B地点 おむ

 

 

承前


「……ん?」

「カメだ! スッポンかな?」
「よ~し、あれを捕まえよう」
「そ~っと近付いて……」
「……ありゃ。また逃げられた」
「ちぇっ」
「何かを獲るって、難しいなあ」
「あ~あ」
「……おい。子供たちが来たぞ」
僕は、子供たちと楽しく遊んだ。
女の子が、大切な宝物を僕にくれた。
素晴らしいネックレスだ。
やがて、子供たちは帰って行った。

「……どっこいしょっと」
「楽しかったけど、子供の相手は疲れますねえ、先生」
「……ふふ。良かったじゃないか」
「今日は何も獲れなかったが、素敵なプレゼントを貰ったな」
「えっ」
「……」
「うふふ。そうですね」
「うん。今日は、とってもいい日でした」
「先生、明日のお天気はどうでしょう?」

「きっと明日も晴れるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


いいものゲット(前篇)

2009年04月29日 16時03分00秒 | B地点 おむ

 

 

「いい天気だなあ」
「花も綺麗だしな」
「ええ。空気も清々しいですし」
「なにしろ、ここは自然が豊かですから」
「あっ!? 先生!」
「何だ?」
「ほら、あそこに鳥が!」
「サギです!」
「何か狙っていますよ……」
「……あっ!」
「何か獲りましたよ!」
「あれは……ザリガニですかね」
「凄いなあ……!」
「うむ。いつ見ても鮮やかなもんだ」
「……」
「よし! 僕も何か捕まえよう」
「そうだ、あのハチを!」
「そ~っと近付いて……」
「ありゃ、逃げられたっ」

「ちぇっ」


つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


優しさが命取り

2009年04月29日 15時51分00秒 | B地点 おむ

 

 

もと公儀隠密……。今は抜け忍となって諸国をさすらうオムイである。
オムイの命をしつこく狙う、追忍である。

「ゆくぞ、オムイ!」
「来いッ」

「うッ!?」


※実際に首を絞めているわけではありません。念のため。

「ふふふ……。今回は、刺客として子供を雇ったのよ!」
「な、何だとッ!」

「まずい! いたいけな子供を攻撃するわけにはいかん……」

「その通り! その子は何も知らん。騙されているんだからな」
「何とか逃げなくては……」
「だ、だめだ! 逃げられん!」
「ふははは! 子供は一人だけではないのだぞ!」
「う、ううッ!?」
「うわああ!」
「も、もうダメだ」
「うぐーーーッ」
ガクッ