幸福論 詐取篇

2010年05月31日 16時55分50秒 | B地点 おかか

 

 

「あっ! 四つ葉のクローバーだ!」
「わーい! 嬉しいな~」
「これで幸福になれるぞ~」
「どうです、おかか先生? うらやましいでしょ?」
「……ちょっと見せてみろ」
「ふん。確かに四つ葉のクローバーだが……」
「あのな! こんなものは、邪道だよ!」
「じゃ、邪道?」
「よく聞け。幸福というものは、己れ自身の手で、つかみ取るものだ」
「……はっ!? そ、そうか!」
「クローバーに頼って幸福になろうなんてのは、間違った考え方だぞっ!」
「そうですね! 目から鱗が落ちました」
「うむ。それが解ればよいのだ」
「はい。これからは、四つ葉のクローバーなんかに頼らないようにします」
「じゃあ、これ、貰っていいかね?」
「……えっ? ど、どうぞ。差し上げます。もう要りませんから」
「ふっふっふ。いいんだな? 確かに貰ったぞ」
「あ~嬉しいな~。返さないぞ~」
「だ、だまされたっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


色々と複雑な関係

2010年05月30日 17時12分08秒 | N地点

 

 

おそらく新人の黒猫である。


※参照、新人(たち?)


主に対岸にいるようだが……しかし時々、川のこちら側まで来て、おむさん達のテリトリーを脅かしているようだ。
目と目の間に白い点のようなものが見えるが、はっきりしない。
画面左からやって来たのは、おなじみチビ君である。
黒猫が、チビ君に駆け寄る!
何か話し合っているようだ……。
おっと、ワンちゃん飼い主さんが来た。
黒猫は、下に逃げた。

チビ君は、大好きなワンちゃんの方へ行く。

猫より犬のほうが好きな、チビ君である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


今年も生まれた

2010年05月30日 16時32分20秒 | B地点 おむ

 

 

たったったっ

「お~い! ニュースだ!」
「カモのヒナが生まれたぞ!」
「えっ!? 今年も生まれましたか!」
「ほら見ろ。あそこだ」
「ほんとだ! 可愛いなあ」
「ヒナは、9羽もいますね!」
「うむ。情報によれば、孵化したのは10羽だったが」
「既に、1羽、減ってしまったのだ……」
「……カラスにやられたんでしょうか?」
「わからん。とにかく、減ってしまった」
「……」
「……」
―― 毎年、何組か、カモのヒナが生まれる。
カモの親子を見ると、僕も、幼い頃のことを、思い出すんだ。

母親の温もりも、思い出せそうな気がするよ。

でも、カモのヒナは、なかなか、生き延びることができない。

だから、悲しいような、切ないような、 ―― それでいて、懐かしいような、甘えたいような、そんな複雑な気持になるんだよ。

だから、カメラのお兄さんの膝に、乗ってしまうのさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


小雨そぼふる

2010年05月29日 15時30分27秒 | B地点 おかか

 

 

よっちゃんおかか先生。

仲良く食事。
よっちゃんは元気だ。
だが ―― おかか先生は、吐いてしまった。
しかも二回。
天気が崩れると、先生も体調を崩す。
先生の背中が、小雨に濡れている。
肌寒いせいか、膝に乗った。
しばらく、ここで休むがいい……。
やがて、おむさんもやって来た。
先生も食欲を取り戻し、一緒に食事をする。
おむさんは、相変わらず。

―― 冷たい雨がぱらつく、そんな一日だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


少年の恥じらい

2010年05月28日 17時59分19秒 | B地点 おむ

 

 

「僕、どうも風邪を引いたみたいです」
「ちょっとノドを見せてみろ」
「あ~ん」
「うむ、扁桃腺が腫れてる。じゃ、次は胸を見せてみろ」
「えっ!? 胸は……恥ずかしいですよ」
「何が恥ずかしい? いつも素っ裸でいるくせに」
「で、でも……」
「聴診と触診をしてやる。さっさと見せんか!」
おむさんは、胸を見られてしまった……。
「ああっ、恥ずかしい!」