良し悪しの彼岸

2009年02月26日 17時24分00秒 | B地点 おかか

 

「おっ、カイロだ」
ぬくぬく

「んむ、あったかい」
ほこほこ

「ん~、こりゃいい」
「おい、二つあるから、一つ使わないか?」
「いえ、僕は若いので、平気です。先生、どうぞ両方お使い下さい」

「そうか? すまんね」
「あ~、いい気持だ」
僕は先生にカイロを譲ったけれど、いくら若いとは言え、寒さを感じないってことはない。
僕には、僕なりに、暖を取る方法があるのさ。
カメラのお兄さんの膝の上も、その一つ。
そういえば、おかか先生は、「ニンゲンの膝の上」の味わいを知らないんだろうな。これからも、知ることはないだろう。
そのことが良いか悪いかって? どうなんだろう、わからないなあ。僕なんか、猫としては堕落してるのかもしれないし。

きっと、問いの立て方が間違ってるんだろう。良し悪しの問題じゃないと思うんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ソフトフォーカス

2009年02月26日 17時17分00秒 | B地点 おかか

 



「おっ、カメラの若造か。どうした、まだ一眼レフを買わんのか」



 



「何? 今日は顔のアップを撮りたい?」



 



 「よかろう。かっこよく撮ってくれよ」



 



「ん? ソフトフォーカスか! 中々やるじゃないか!」



 



「何っ!? 鼻息でレンズが曇っただけかーっ!」