日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(427)「象が鼻は長い」の「述語論理」。

2019-12-15 15:01:47 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
① 象は鼻は長い。
② 兎は耳は長い。
といふのであれば、
①「象の鼻以外」については、何も言ってはゐない
②「兎の耳以外」については、何も言ってはゐない
従って、
(01)により、
(02)
① 象は鼻は長い。
② 兎は耳は長い。
といふのであれば、
① 象は、鼻だけでなく、耳も長い。のかも知れないし、
② 兎は、耳だけでなく、鼻も長い。のかも知れない。
然るに、
(03)
① 象は、鼻だけでなく、耳も長い。のかも知れないし、
② 兎は、耳だけでなく、鼻も長い。のかも知れない。
といふのであれば、
① 象は、鼻と耳が長い。のかも知れないし、
② 象も、鼻と耳が長い。のかも知れない。
然るに、
(04)
① 象は、鼻と耳が長い。のかも知れないし、
② 象も、鼻と耳が長い。のかも知れない。
といふのであれば、
① 象は鼻は長い(が、耳も長い?)。然るに、
② 兎は耳は長い(が、鼻も長い?)。故に、
③ 兎は象ではない(Rabbits can not be elephants)。
といふ「推論」は、「妥当」ではない
然るに、
(05)
① 象は鼻は長い。然るに、
② 兎は耳は長い。故に、
③ 兎は象ではない(Rabbits can not be elephants)。
といふ「推論」ではなく、
① 象は鼻長い。然るに、
② 兎は耳長い。故に、
③ 兎は象ではない(Rabbits can not be elephants)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① 象は鼻長い。
② 兎は耳長い。
といふのであれば、
①「象の鼻以外は、長くない。」と言ってゐて、
②「兎の耳以外は、長くない。」と言ってゐる。
従って、
(06)により、
(07)
① 象は鼻長い。
② 兎は耳長い。
ではなく、
① 象鼻は長い。
② 兎耳は長い。
といふのであれば、
①「象以外は、鼻は長くない。」と言ってゐて、
②「兎以外は、耳は長くない。」と言ってゐる。
従って、
(07)により、
(08)
① 象鼻は長い。
② 兎耳は長い。
といふのであれば、
①「象は、鼻は長く、象以外は、鼻は長くない」と言ってゐて、
②「兎は、耳は長く、兎以外は、耳は長くない」と言ってゐる。
然るに、
(09)
① 象以外は、鼻は長くない。⇔
① ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}⇔
① すべてのxについて、xが象でないならば、あるyがxの鼻であって、yが長い、といふことはない
然るに、
(10)
対偶(Contraposition)」は「等しい」が故に、
① 象以外は、鼻は長くない。⇔
① ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}⇔
① すべてのxについて、xが象でないならば、あるyがxの鼻であって、yが長い、といふことはない。
といふ「命題」は、
② 鼻長いならば、象である。⇔
② ∀x{∃y(鼻yx&長y)→象x}⇔
② すべてのxについて、あるyがxの鼻であって、yが長いならば、xは象である。
といふ「命題」に「等しい」。
然るに、
(11)
③ 象は鼻は長い。⇔
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}⇔
③ すべてのxについて、xが象でないならば、あるyはxの鼻であって、yは長い。
従って、
(10)(11)により、
(12)
① 象は鼻は長く、象以外は、鼻は長くない
② 象は鼻は長く、鼻が長いならば象である。
に於いて、すなはち、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃y(鼻yx&長y)→象x}
に於いて、
①=② である。
然るに、
(13)
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃y(鼻yx&長y)→象x}
といふ「論理式」は、「省略記号(Abbreviation)」を用ひて、
③ ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)}⇔
③ すべてのxについて、xが象でないならば、そのときに限って、あるyはxの鼻であって、yは長い。
といふ風に、書くことが、出来る。
従って、
(12)(13)により、
(14)
「番号」を付け直すと、
① ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)}
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃y(鼻yx&長y)→象x}
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xが象であるならば、そのときに限って、あるyはxの鼻であって、yは長い。
② すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、あるyがxの鼻であって、yが長いならば、xは象である。
③ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、xは象でないならば、あるyがxの鼻であって、yが長い、といふことはない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(15)
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
③ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、xは象でないならば、あるyがxの鼻であって、yが長い、といふことはない。
といふことは、
① 象は、鼻は長く、象以外は、鼻は長くない
といふ、ことである。
従って、
(08)(14)(15)により、
(16)
① 象鼻は長い。⇔
① 象は、鼻は長く、象以外は、鼻は長くない。⇔
① ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)}   ⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}
① すべてのxについて、xが象でないならば、そのときに限って、あるyはxの鼻であって、yは長い。⇔
① すべてのxについて、xが象でないならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、あるyがxの鼻であって、yが長いならば、xは象である。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(17)
① すべてのxがFである。といふことはない。
といふことは、
あるxはFでない(Fでないxが存在する)。
といふ、ことである。
cf.
(ⅱ)
1  (1)  ~∀xFx       A
 2 (2) ~∃x~Fx       A
  3(3)    ~Fa       A
  3(4)  ∃x~Fx       3EI
 23(5) ~∃x~Fx&∃x~Fx 24&I
 2 (6)   ~~Fa       35RAA
 2 (7)     Fa       6DN
 2 (8)   ∀xFx       6UI
12 (9) ~∀xFx&∀xFx   17&I
1  (ア)~~∃x~Fx       29RAA
1  (イ)  ∃x~Fx       アDN
すべてのxがFであるわけではない。├ あるxはFでない。
(ⅱ)
1  (1) ∃x~Fx A
 2 (2)   ~Fa A
  3(3)  ∀xFx A
  3(4)    Fa 3UE
 23(5)~Fa&Fa 24&I
 2 (6) ~∀xFx 35RAA
1  (7) ~∀xFx 126EE
あるxはFでない。├ すべてのxがFであるわけではない。
従って、
(16)(17)により、
(18)
「量化子の関係」により、
①  ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}
② ∃x~{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}
に於いて、
① の「否定」は、② であり、
② の「否定」は、① である。
然るに、
(19)
(ⅱ)
1    (1)∃x~{象x→∃y(鼻yx&長y)& ~象x→~∃y(鼻yx&長y)}  A
 2   (2)  ~{象a→∃y(鼻ya&長y)& ~象a→~∃y(鼻ya&長y)}  A
 2   (3)~[象a→∃y(鼻ya&長y)]∨~[~象a→~∃y(鼻ya&長y)]  2ド・モルガンの法則
 2   (4) [象a→∃y(鼻ya&長y)]→~[~象a→~∃y(鼻ya&長y)]  3含意の定義
  5  (5) {象a→∃y(鼻ya&長y)}                     A
 25  (6)                 ~[~象a→~∃y(鼻ya&長y)]  45MPP
   7 (7)                    象a∨~∃y(鼻ya&長y)   A
   7 (8)                   ~象a→~∃y(鼻ya&長y)   7含意の定義
 257 (9)                 ~[~象a→~∃y(鼻ya&長y)]&
                          [~象a→~∃y(鼻ya&長y)]  68&I
 25  (ア)                  ~[象a∨~∃y(鼻ya&長y)]  79RAA
 25  (イ)                   ~象a& ∃y(鼻ya&長y)   アド・モルガンの法則
 2   (ウ) {象a→∃y(鼻ya&長y)}→  ~象a& ∃y(鼻ya&長y)   5イCP
    エ(エ)  象a&∃y(鼻ya&長y)                      A
    エ(オ)  象a                                 エ&E
 2  エ(カ)     ∃y(鼻ya&長y) →  ~象a& ∃y(鼻ya&長y)   ウオMPP
    エ(キ)     ∃y(鼻ya&長y)                      エ&E
 2  エ(ク)                   ~象a& ∃y(鼻ya&長y)   カキMPP
 2   (ケ)    象a&∃y(鼻ya&長y)→ ~象a& ∃y(鼻ya&長y)   エクCP
 2   (コ) ∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→ ~象x& ∃y(鼻yx&長y)}  ケEI
1    (サ) ∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→ ~象x& ∃y(鼻yx&長y)}  12コEE
(ⅲ)
1     (1)  ∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→  ~象x& ∃y(鼻yx&長y)}  A
 2    (2)     象a&∃y(鼻ya&長y)→  ~象a& ∃y(鼻ya&長y)   A
  3   (3)     象a                                A
   4  (4)        ∃y(鼻ya&長y)                     A
  34  (5)     象a&∃y(鼻ya&長y)                     34&I
 234  (6)                     ~象a& ∃y(鼻ya&長y)   25MPP
 23   (7)        ∃y(鼻ya&長y)→  ~象a& ∃y(鼻ya&長y)   46CP
 2    (8)     象a→∃y(鼻ya&長y)→  ~象a& ∃y(鼻ya&長y)   37CP
    9 (9)     象a→∃y(鼻ya&長y)                     A
 2  9 (ア)                     ~象a& ∃y(鼻ya&長y)   8アMPP
 2  9 (イ)                    ~[象a∨~∃y(鼻ya&長y)]  イ、ド・モルガンの法則
     ウ(ウ)                     ~象a→~∃y(鼻ya&長y)   A
     ウ(エ)                      象a∨~∃y(鼻ya&長y)   ウオ含意の定義
 2  9ウ(オ)                    ~[象a∨~∃y(鼻ya&長y)]&
                              [象a∨~∃y(鼻ya&長y)]  イエ&I
 2  9 (カ)                   ~[~象a→~∃y(鼻ya&長y)]  ウオRAA
 2    (キ)    象a→∃y(鼻ya&長y)→ ~[~象a→~∃y(鼻ya&長y)]  9カCP
 2    (ク)  ~[象a→∃y(鼻ya&長y)]∨~[~象a→~∃y(鼻ya&長y)]  キ含意の定義
 2    (ケ)  ~{象a→∃y(鼻ya&長y) &  ~象a→~∃y(鼻ya&長y)}  ク、ド・モルガンの法則
 2    (コ)∃x~{象x→∃y(鼻yx&長y) &  ~象x→~∃y(鼻yx&長y)}  ケEI
1     (サ)∃x~{象x→∃y(鼻yx&長y) &  ~象x→~∃y(鼻yx&長y)}  12コEE
従って、
(19)により、
(20)
② ∃x~{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}
③   ∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→~象x& ∃y(鼻yx&長y)}
に於いて、
②=③ である。
従って、
(18)(19)(20)により、
(21)
「量化子の関係」により、
①  ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}
② ∃x~{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}
③   ∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→~象x& ∃y(鼻yx&長y)}
に於いて、
① の「否定」は、② であり、
② の「否定」は、① であり、
②=③ である。
従って、
(21)により、
(22)
①  ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}
③   ∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→~象x& ∃y(鼻yx&長y)}
に於いて、
① の「否定」は、③ であり、
③ の「否定」は、① である。
従って、
(23)
①  ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}
③   ∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→~象x& ∃y(鼻yx&長y)}
に於いて、
① の「否定」は、③ に「等しく」、
③ の「否定」は、① に「等しい」。
従って、
(23)により、
(24)
①  ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}
③ ~∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→~象x& ∃y(鼻yx&長y)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であるが、xが象でないならば、あるyがxの鼻であって、yが長い、といふことはない。
③ xが象であって、あるyがxの鼻であって、長いならば、xが象でなくて、あるyがxの鼻であって、長い。といふ、そのやうなxは存在しない。
に於いて、
①=③ である。
然るに、
(25)
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であるが、xが象でないならば、あるyがxの鼻であって、yが長い、といふことはない。
③ xが象であって、あるyがxの鼻であって、長いならば、xが象でなくて、あるyがxの鼻であって、長い。といふ、そのやうなxは存在しない。
といふことは、
① 象は鼻は長く、象以外は、鼻は長くない
③ 象は鼻は長く、兎の鼻は、長くない
といふ、ことである。
従って、
(16)(25)により、
(26)
① 象鼻は長い。⇔
① 象は、鼻は長く、象以外は、鼻は長くない
といふ「日本語」は、
①  ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
③ ~∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→~象x& ∃y(鼻yx&長y)}。
といふ「述語論理」に、相当する。
然るに、
(27)
1  (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)} A
 2 (2)∀x(兎x→~象x)                        A
1  (3)   象a→∃y(鼻ya&長y)&~象a→~∃y(鼻ya&長y)  1UE
 2 (4)   兎a→~象a                         2UE
1  (5)                 ~象a→~∃y(鼻ya&長y)  4&E
  6(6)   兎a                             A
 26(7)      ~象a                         46MPP
126(8)                      ~∃y(鼻ya&長y)  57MPP
126(9)                     ∀y~(鼻ya&長y)  8量化子の関係
126(ア)                       ~(鼻ba&長b)  9UE
126(イ)                       ~鼻ba∨~長b   ア、ド・モルガンの法則
126(ウ)                        鼻ba→~長b   イ含意の定義
126(エ)                     ∀y(鼻ya→~長y)  ウUI
12 (オ)    兎a→∀y(鼻ya→~長y)                 6エCP
12 (カ)∀x{兎x→∀y(鼻yx→~長y)}                オUI          
従って、
(27)により、
(28)
(1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
(2)∀x(兎x→~象x)。 
(カ)∀x{兎x→∀y(鼻yx→~長y)}。
といふ「推論」、すなはち、
(1)象は、鼻は長く、象以外は、鼻は長くない。 然るに、
(2)兎は象ではない。 従って、
(カ)兎は、鼻は長くない
といふ「推論」は、「妥当」である。
(29)
伝統的論理学を速水滉『論理学』(16)で代表させよう。わたしのもっているのが四十三年の第十九刷一万部中の一冊で、なお引続き刊行だろうから、前後かなり多く読者を持つ論理学書と考えられる。新興の記号論理学の方は、沢田充茂の『現代論理学入門』(62)を参照することにする(三上章、日本語の論理、1963年、4頁)。
然るに、
(30)
三上章先は、「象長い」や、「象」や、「鼻長い」や、「象長い。」といった「日本語」を、自分自身で、「現代論理学の言葉(述語論理)」に訳されてゐるわけではない。
(31)
三上章先生は、「三上章、日本語の論理、1963年」の中で、「英語」と「日本語」を比較されることはあっても、「現代論理学の言葉(述語論理)」と比較して、「日本語」を、論じてゐるわけではない。



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