日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(892)「太陽系は、地球が第三惑星である」の「述語論理」と「確定記述」。

2021-05-18 22:17:00 | 象は鼻が長い、述語論理。

 ―「昨日(令和03年05月17日)の記事」を書き直します。―
(01)
三上はこれを文型として登録すべきであると、主張しています。
象をAに、鼻をBに、長いをCに変え、文型の公式として、
 Aは、BCだ。
を作っておきます。すると、この公式に当てはまる文は、たいてい機械的にパラフレーズできます。
 二辺の平方の和が第三辺の平方の和に等しい三角形は、第三辺に対する角直角である。
(山崎紀美子、日本語基礎講座―三上文法入門、2003年、215頁)
従って、
(01)により、
(02)
① 象は鼻長い。
② 太陽系は、地球第三惑星である。
③ 二辺の平方の和が第三辺の平方の和に等しい三角形は、第三辺に対する角直角である。
といふ「日本語」は、
① Aは、BCだ。
といふ「公式」に対する、「代入例(Sustitution instances)」である。
然るに、
(03)
固より、
② 地球=太陽系の第三惑星
② 太陽系の第三惑星=地球
であって、
② 地球=太陽系の第三惑星
② 太陽系の第三惑星=地球
といふことは、
② 地球以外は、太陽系の第三惑星ではない
といふことに、他ならない。
然るに、
(04)
③ 二辺の平方の和が第三辺の平方の和に等しい三角形は、第三辺に対する角直角である(三平方の定理)。
とするならば、
③ 他の二角は、「直角」ではなく、
③ 他の二角は、「直角」ではないのであれば、
③「三角形」の 「直角」は、「1つしか無い」。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
① 象は鼻が長い。
といふ「象鼻文」を含めて、
① Aは、BCだ。
② Aは、BはCであり、B以外はCではない
に於いて、
①=② である。
はずである。
然るに、
(06)
1     (1)∀x{太陽系x→∃y[地球y&第三惑星yx&~∃z(第三惑星zx&z≠y)]} A
1     (2)   太陽系a→∃y[地球y&第三惑星ya&~∃z(第三惑星za&z≠y)]  1UE
1     (3)   太陽系a                                 A
13    (4)        ∃y[地球y&第三惑星ya&~∃z(第三惑星za&z≠y)]  23MPP
  5   (5)           地球b&第三惑星ba&~∃z(第三惑星za&z≠b)   A
  5   (6)           地球b&第三惑星ba                   5&E
  5   (7)                      ~∃z(第三惑星za&z≠b)   5&E
  5   (8)                      ∀z~(第三惑星za&z≠b)   7量化子の関係
  5   (9)                        ~(第三惑星ca&c≠b)   8UE
  5   (ア)                         ~第三惑星ca∨c=b    9ド・モルガンの法則
    5   (イ)                          第三惑星ca→c=b    ア含意の定義
   ウ  (ウ)        ∃z(火星z&~地球z)                    A
    エ (エ)           火星c&~地球c                     A
    エ (オ)           火星c                          エ&E
    エ (カ)               ~地球c                     エ&E
     キ(キ)                 b=c                     A
    エキ(ク)               ~地球b                     カキ=E
  5   (ケ)                地球b                     6&E
  5 エキ(コ)           ~地球b&地球b                     クケ&I
  5 エ (サ)                b≠c                     キコRAA
  5 エ (シ)                         ~第三惑星ca        イサMTT
  5 エ (ス)           火星c&~第三惑星ca                  オシ&I
  5 エ (セ)        ∃z(火星z&~第三惑星za)                 スEI
  5ウ  (ソ)        ∃z(火星z&~第三惑星za)                 ウエセEE
13 ウ  (タ)        ∃z(火星z&~第三惑星za)                 45ソEE
1  ウ  (チ)   太陽系a→∃z(火星z&~第三惑星za)                 3タCP
1  ウ  (ツ)∀x{太陽系x→∃z(火星z&~第三惑星zx)}                チUI
従って、
(06)により、
(07)
(ⅰ)∀x{太陽系x→∃y[地球y&第三惑星yx&~∃z(第三惑星zx&z≠y)]}
(ⅱ)∃z(火星z&~地球z)
(ⅲ)∀x{太陽系x→∃z(火星z&~第三惑星zx)}
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが太陽系であるならば、あるyは[地球であって、xの第三惑星であって、(xの第三惑星であって、yでない)といふ、そのやうなzは存在しない]}。
(ⅱ)あるzは(火星であって、zは地球ではない。)
(ⅲ)すべてのxについて{xが太陽系であるならば、あるzは(火星であって、zはxの第三惑星ではない)。}
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(06)(07)により、
(08)
(ⅰ)太陽系は、地球は、第三惑星であって、地球以外に第三惑星は存在しない。然るに、
(ⅱ)火星は、 地球ではない。従って、
(ⅲ)太陽系は、火星は第三惑星ではない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(09)
① 地球は、第三惑星であって、地球以外は第三惑星ではない。⇔
① ∃y[地球y&第三惑星yx&~∃z(第三惑星zx&z≠y)]
に於ける「地球・第三惑星」を、「英語」では、「確定記述(definite description)」といふ。
従って、
(10)
the earth.
the third planet.
のやうな「the 単数名詞」を、「確定記述」といふものの、
さて定冠詞(the)は、それが厳密に用いられるときには、一意性(uniqueness)を内含している。確かに、しかじかのひと(So-and-so)がいく人かの息子もっている場合でさえ、「the so of So-and-so」という表現を使用するが、本当はその場合には、「a so of So-and-so」という方がより正しいといえよう。それ故、われわれの目的のためには、the一意性を内含しているものと考えていく。
(勁草書房、現代哲学基本論文集Ⅰ、バートランド・ラッセル、指示について、1986年、53頁)
従って、
(09)(10)により、
(11)
① 太陽系は、地球第三惑星である。
といふ「日本語」が、「英語」では、
① Speaking of the solar system,the earth is the third planet.
といふ風に、「翻訳」されるのであれば、
① Speaking of the solar system,the earth is the third planet.
といふ「英語」は、
① Other than the earth, it is not the third planet of the solar system.
といふ「意味」になり、それ故、
① 太陽系は、地球第三惑星である。
といふ「日本語」は、
① 太陽系は、地球第三惑星であって、地球以外は第三惑星ではない
といふ、「意味」なる。
従って、
(06)~(11)により
(12)
① 太陽系は、地球第三惑星である。⇔
① Speaking of the solar system,the earth is the third planet.⇔
① ∀x{太陽系x→∃y[地球y&第三惑星yx&~∃z(第三惑星zx&z≠y)]}⇔
① すべてのxについて{xが太陽系であるならば、あるyは[地球であって、xの第三惑星であって、(xの第三惑星であって、yでない)といふ、そのやうなzは存在しない]}。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(13)
1     (1)∀x{太陽系x→∃y[地球y&第三惑星yx&∀z(第三惑星zx→y=z)]} A
1     (2)   太陽系a→∃y[地球y&第三惑星ya&∀z(第三惑星za→y=z)]  1UE
 3    (3)   太陽系a                                A
13    (4)        ∃y[地球y&第三惑星ya&∀z(第三惑星za→y=z)]  23MPP
  5   (5)           地球b&第三惑星ba&∀z(第三惑星za→b=z)   A
  5   (6)           地球b&第三惑星ba                  5&E
  5   (7)                      ∀z(第三惑星za→b=z)   5&E
  5   (8)                         第三惑星ca→b=c    7UE
   9  (9)        ∃z(火星z&~地球z)                   A
    ア (ア)           火星c&~地球c                    A
    ア (イ)           火星c                         ア&E
    ア (ウ)               ~地球c                    ア&E
     エ(エ)                 b=c                    A
    アエ(オ)               ~地球b                    ウエ=E
  5   (カ)                地球b                    6&E
  5 アエ(キ)           ~地球b&地球b                    オカ&I
  5 ア (ク)                b≠c                    エキRAA
  5 ア (ケ)                        ~第三惑星ca        8クMTT
  5 ア (コ)           火星c&~第三惑星ca                 イケ&I
  5 ア (サ)        ∃z(火星z&~第三惑星za)                コEI
  59  (シ)        ∃z(火星z&~第三惑星za)                9アサEE
13 9  (ス)        ∃z(火星z&~第三惑星za)                45シEE
1  9  (セ)   太陽系a→∃z(火星z&~第三惑星za)                3スCP
1  9  (シ)∀x{太陽系x→∃z(火星z&~第三惑星zx)}               セUI
従って、
(12)(13)により、
(14)
① ∀x{太陽系x→∃y[地球y&第三惑星yx&~∃z(第三惑星zx&z≠y)]}
② ∀x{太陽系x→∃y[地球y&第三惑星yx&  ∀z(第三惑星zx→y=z)]}
に於いて、
①=② である。
然るに、
(15)
(ⅱ)
1 (1) ∀z(第三惑星zx→y=z) A
1 (2)    第三惑星cx→y=c  1UE
 2(3)           y≠c  A
12(4)   ~第三惑星cx      23MTT
1 (5)   y≠c→~第三惑星cx  24CP
1 (6)∀z(y≠z→~第三惑星zx) 5UI
(ⅲ)
1 (1)∀z(y≠z→~第三惑星zx) A
1 (2)   y≠c→~第三惑星cx  1UE
 3(3)        第三惑星cx  A
 3(4)      ~~第三惑星cx  3DN
13(5) ~(y≠c)         24MTT
13(6)   y=c          5DN
1 (7)    第三惑星cx→y=c  36CP
1 (8) ∀z(第三惑星zx→y=z) 7UI
従って、
(15)により、
(16)
② ∀z(  第三惑星zx→y=z)
③ ∀z(y≠z→~第三惑星zx)
に於いて、
②=③ である。
従って、
(14)(15)(16)により、
(17)
① ∀x{太陽系x→∃y[地球y&第三惑星yx&~∃z(  第三惑星zx&z≠y)]}
② ∀x{太陽系x→∃y[地球y&第三惑星yx&  ∀z(  第三惑星zx→y=z)]}
③ ∀x{太陽系x→∃y[地球y&第三惑星yx&  ∀z(y≠z→~第三惑星zx)]}
に於いて、
①=②=③ である。
(18)
「象鼻文」の場合は、
④ 象は鼻長い。⇔
④ 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。⇔
④ Elephants have long noses, but no other parts of them are not long.⇔
④ すべてxのxについて{xが象ならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)}。
である。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿