日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(864)「代表的選言項(typical disjunct)」について。

2021-04-11 14:29:06 | 論理

―「昨日(令和03年04月11日)の記事」を書き直します。―
(01)
1(1)∃x(Fx) A
2(2)   Fa  A
といふ「仮定」は「妥当」であり、それ故、
  連式 ∃x(Fx)├ Fa
といふ「連式」も「妥当」でなければ、ならない。
然るに、
(02)
連式 Fa├ ∃x(Fx)
妥当である受けいれるが、
連式 ∃x(Fx)├ Fa
妥当であるとは考えず、aは任意に選ばれているが、与えられたFをもつ対象の一つではないかも知れないから、この連式を受け入れないのである。
(E.J.レモン 著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、149頁)
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ∃x(Fx)├ Fa
② ∃x(Fx)├ Fa
に於いて、
① は「妥当」であって、
② は「妥当」ではない
といふ風に、「矛盾」する。
然るに、
(04)
(α)「あるxはF」なので、取り合へず、「aがFである」と仮定して、「Fa」としよう。ところが、
(β)「すべてのxについて(xがFであるならば、xはGである)。」といふことからすれば、
(〃)「FaならばGaである」といふことは、「事実」であり、
(〃)「FbならばGbである」といふことも、「事実」であり、
(〃)「FcならばGcである」といふことも、「実事」であるため、「Fa」ではなく、
                                「Fb」であったとしても、
                                「Fb」ではなく、
                                「Fc」であったとしても、いづれにせよ
(γ)「あるxは、Fであって、尚且つ、Gである。」といふことには、変はりがない
といふのが、
(ⅰ)
1  (1)∃x(Fx)    A
 2 (2)   Fa     A(代表的選言項
  3(3)∀x(Fx→Gx) A
  3(4)   Fa→Ga  1UE
1 3(5)      Ga  24MPP
123(6)   Fa&Ga  25&I
123(7)∃x(Fx&Gx) 6EI
1 3(8)∃x(Fx&Gx) 6EI
といふ「計算」の、「その心(意味)」である。
(05)
(α)「あるxはF」  なので、取り合へず、「aがFである」  と仮定して、「Fa」   としよう。
(β)「あるxはF→G」なので、取り合へず、「aがF→Gである」と仮定して、「Fa→Ga」としよう。ところが、
(〃)「FaならばGaである」といふことは、「仮定」に過ぎないため、
(〃)「FbならばGbである」といふことが、「本当」なのかも知れないし、
(〃)「FcならばGcである」といふことが、「本当」なのかも知れないため、この場合は、
(γ)「あるxは、Fであって、尚且つ、Gである。」とは、「断定出来ない
といふのが、
(ⅱ)
1   (1)∃x(Fx→Gx) A
 2  (2)∃x(Fx)    A
  3 (3)   Fa→Ga  A(代表的選言項
   4(4)   Fa     A(代表的選言項
  34(5)      Ga  34MPP
  34(6)   Fa&Ga  45&I
  34(7)∃x(Fx&Gx) 6EI
 23 (8)∃x(Fx&Gx) 247EE
12  (9)∃x(Fx&Gx) 138EE
といふ「計算」の、「その心(意味)」である。
従って、
(04)(05)により、
(06)
① ∃x(Fx),∀x(Fx→Gx)├ ∃x(Fx&Gx)
② ∃x(Fx),∃x(Fx→Gx)├ ∃x(Fx&Gx)
に於いて、すなはち、
① あるxは(Fである)。すべてのxについて(xがFであるならば、xはGである)。故に、あるxは(Fであって、Gである)。
② あるxは(Fである)。  あるxについて(xがFであるならば、xはGである)。故に、あるxは(Fであって、Gである)。
に於いて、
① は、「妥当」であるが、
② は、「妥当」ではない
従って、
(01)(06)により、
(07)
連式 Fa├ ∃x(Fx)
妥当であると受けいれるが、
連式 ∃x(Fx)├ Fa
妥当であるとは考えないにしても、
(ⅰ)
1  (1)∃x(Fx)    A
 2 (2)   Fa     A(代表的選言項
  3(3)∀x(Fx→Gx) A
  3(4)   Fa→Ga  1UE
1 3(5)      Ga  24MPP
123(6)   Fa&Ga  25&I
123(7)∃x(Fx&Gx) 6EI
1 3(8)∃x(Fx&Gx) 6EI
といふ「計算」に於ける、
1  (1)∃x(Fx)    A
 2 (2)   Fa     A(代表的選言項
といふ「仮定」に関しては、「妥当」である。
といふ、ことになる。
然るに、
(08)
われわれはつぎのように証明をはじめるであろう。
 1  (1)∃x(Fx)&∃x(Gx) A
 1  (2)∃x(Fx)        1&E
 1  (3)       ∃x(Gx) 1&E
  4 (4)   Fa         A
   5(5)          Gb  A
  45(6)   Fa&Gb      45&I
  45(7)∃x(Fx&Gx)     6EI
存在命題(2)および(3)に対して、われわれは
代表的選言項(4)(5)を仮定し、それらから、
 ∃x(Fx&Gx)
を導出した。しかし、EEを適用するどのようなくわだても、こんどはうまく行かない
(7)の行の結論は(4)と(5)に依存し、そのいずれにも「」が現われているからである。
(E.J.レモン 著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、154頁)
従って、
(05)(08)により、
(09)
(ⅱ)
1   (1)∃x(Fx→Gx) A
 2  (2)∃x(Fx)    A
  3 (3)   F→G  A(代表的選言項
   4(4)   F     A(代表的選言項
  34(5)      Ga  34MPP
  34(6)   Fa&Ga  45&I
  34(7)∃x(Fx&Gx) 6EI
 23 (8)∃x(Fx&Gx) 247EE
12  (9)∃x(Fx&Gx) 138EE
といふ「計算」と、
(ⅲ)
 1  (1)∃x(Fx)&∃x(Gx) A
 1  (2)∃x(Fx)        1&E
 1  (3)       ∃x(Gx) 1&E
  4 (4)   F         A(代表的選言項
   5(5)          G  A(代表的選言項
  45(6)   Fa&Gb      45&I
  45(7)∃x(Fx&Gx)     6EI
 14 (8)∃x(Fx&Gx)     357EE
 1  (9)∃x(Fx&Gx)     248EE
といふ「計算」は、両方とも、「マチガイ」である。
従って、
(09)により、
(10)
(ⅱ)
1   (1)∃x(Fx→Gx) A
 2  (2)∃x(Fx)    A
  3 (3)   F→G  A(代表的選言項
   4(4)   F     A(代表的選言項
(ⅲ)
 1  (1)∃x(Fx)&∃x(Gx) A
 1  (2)∃x(Fx)        1&E
 1  (3)       ∃x(Gx) 1&E
  4 (4)   F         A(代表的選言項
   5(5)          G  A(代表的選言項
がさうであるやうに、「2つ存在命題」から、
(ⅱ)
12  (9)∃x(Fx&Gx) 138EE
(ⅲ)
 1  (9)∃x(Fx&Gx) 248EE
のやうに、「1つ存在命題」を、「結論」することは、出来ない



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