日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(663)「鼻は象が長い」の「述語論理」の説明。

2020-06-25 16:48:42 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
{象、兎、馬}であるならば、
① 鼻は象長い。
② 耳は兎長い。
③ 顔は馬長い。
従って、
(02)
{象、兎、馬}であるならば、
① 鼻は象は長く、象以外の鼻は長くない
② 耳は兎は長く、兎以外の耳は長くない
③ 顔は馬は長く、馬以外の顔は長くない
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 鼻は象は長く、象以外で、ある部分が長いのであれば、鼻ではない
② 耳は兎は長く、兎以外で、ある部分が長いのであれば、耳ではない
③ 顔は馬は長く、馬以外で、ある部分が長いのであれば、顔ではない
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① 鼻は象長い。⇔
① 鼻は象は長く、象以外で、ある部分が長いのであれば、鼻ではない。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}⇔
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xが長いならば、xはyの鼻ではない}。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(05)
(ⅰ)鼻は象長い。         然るに、
(ⅱ)ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、
(ⅲ)ある兎の鼻は長くない。
といふ「論証(三段論法)」は、明らかに、「妥当(Valid)」である。
然るに、
(06)
② ある兎は、象ではないが鼻が有る。⇔
② ∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy)⇔
② あるxとあるyについて(yは兎であって、象ではなく、xはyの鼻である)。
然るに、
(07)
③ ある兎の鼻は長くない。⇔
③ ∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)⇔
② あるxとあるyについて(yは兎であって、xはyの鼻であって、xは長くない)。
従って、
(04)~(07)により、
(08)
(ⅰ)鼻は象長い。         然るに、
(ⅱ)ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、
(ⅲ)ある兎の鼻は長くない。
といふ「論証(三段論法)」、すなはち、「記号」で書くと、
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}然るに、
② ∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy)従って、
③ ∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)
といふ「論証(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
然るに、
(09)
1    (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} A
1    (2)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} 1UE
 3   (3)     (鼻ab&象b→長a)&(~象b&長a→~鼻ab)  A
 3   (4)                  ~象b&長a→~鼻ab   3&E
  5  (5)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy)                A
   6 (6)  ∃y(兎y&~象y&鼻ay)                A
    7(7)     兎b&~象b&鼻ab                 A
    7(8)     兎b&                        7&E
    7(9)        ~象b                     7&E
    7(ア)            鼻ab                 7&E
    7(イ)          ~~鼻ab                 アDN
 3  7(ウ)                ~(~象b& 長a)      4イMPP
 3  7(エ)                 ~~象b∨~長a       ウ、ド・モルガンの法則
 3  7(オ)                  ~象b→~長a       エ含意の定義
 3  7(カ)                      ~長a       9オMTT
    7(キ)     兎b&鼻ab                     8ア&I
 3  7(ク)     兎b&鼻ab&~長a                 カキ&I
 3  7(ケ)  ∃y(兎y&鼻ay&~長a)                クEI
 3 6 (コ)  ∃y(兎y&鼻ay&~長a)                67ケEE
 3 6 (サ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)                コEI
 35  (シ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)                56サEE
1 5  (ス)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)                13シEE
従って、
(08)(09)により、
(10)
(ⅰ)鼻は象長い。         然るに、
(ⅱ)ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、
(ⅲ)ある兎の鼻は長くない。
といふ「論証(三段論法)」、すなはち、「記号」で書くと、
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}然るに、
② ∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy)従って、
③ ∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)
といふ「論証(三段論法)」は、果たして、「妥当(Valid)」である。
従って、
(04)~(10)により、
(11)
① 鼻は象が長い。⇔
① 鼻は象は長く、象以外で、ある部分が長いのであれば、鼻ではない。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}⇔
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xが長いならば、xはyの鼻ではない}。
といふ「等式」が、「妥当(Valid)」であるならば、その時に限って、
(ⅰ)鼻は象が長い。         然るに、
(ⅱ)ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、
(ⅲ)ある兎の鼻は長くない。
といふ「論証(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
然るに、
(12)
(ⅰ)鼻は象長い。         然るに、
(ⅱ)ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、
(ⅲ)ある兎の鼻は長くない。
といふ「論証(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
従って、
(11)(12)により、
(13)
① 鼻は象長い。⇔
① 鼻は象は長く、象以外で、ある部分が長いのであれば、鼻ではない。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}⇔
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xが長いならば、xはyの鼻ではない}。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(14)
(ⅰ)
1   (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} A
1   (2)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} 1UE
 3  (3)     (鼻ab&象b→長a)&(~象b&長a→~鼻ab)  A
 3  (4)      鼻ab&象b→長a                 3&E
 3  (5)                  ~象b&長a→~鼻ab   3&E
  6 (6)                          鼻ab   A
  6 (7)                        ~~鼻ab   6DN
 36 (8)                ~(~象b&長a)       57MTT
 36 (9)                  象b∨~長a        8ド・モルガンの法則
 36 (ア)                  ~長a∨象b        9交換法則
 36 (イ)                   長a→象b        ア含意の定義
 3  (ウ)              鼻ab→(長a→象b)       6イCP
   エ(エ)              鼻ab& 長a           A
   エ(オ)              鼻ab               エ&E
 3 エ(カ)                   長a→象b        ウオMPP
   エ(キ)                   長a           エ&E
 3 エ(ク)                      象b        カキMPP
 3  (ケ)               鼻ab&長a→象b        エクCP
 3  (コ)     (鼻ab&象b→長a)&(鼻ab&長a→象b)    4ケ&I
 3  (サ)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)}   コEI
1   (シ)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)}   23サEE
1   (ス)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)}   シUI
(ⅱ)
1   (1) ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)}  A
1   (2)   ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)}  1UE
 3  (3)      (鼻ab&象b→長a)&(鼻ab&長a→象b)   A
 3  (4)       鼻ab&象b→長a                3&E
 3  (5)                   鼻ab&長a→象b    3&E
  6 (6)                         ~象b    A
 36 (7)                 ~(鼻ab&長a)      56MTT
 36 (8)                 ~鼻ab∨~長a       7ド・モルガンの法則
 36 (9)                 ~長a∨~鼻ab       8交換法則
 36 (ア)                  長a→~鼻ab       9含意の定義
 3  (イ)             ~象b→(長a→~鼻ab)      6アCP
   ウ(ウ)             ~象b& 長a            A
   ウ(エ)             ~象b                ウ&E
 3 ウ(オ)                  長a→~鼻ab       イエMPP
   ウ(カ)                  長a            ウ&E
 3 ウ(キ)                     ~鼻ab       オカMPP
 3  (ク)              ~象b&長a→~鼻ab       ウキCP
 3  (ケ)     (鼻ab&象b→長a)&(~象b&長a→~鼻ab)  4ク&I
 3  (コ)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} ケEI
1   (サ)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} 23コEE
1   (シ)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} サUI
従って、
(14)により、
(15)
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}
② ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xが長いならば、xはyの鼻ではない}。
② すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、長いならば、yは象である}。
に於いて、
①=② である。
従って、
(16)
① 鼻は象は長く、象以外で、ある部分が長いのであれば、鼻ではない
② 鼻は象は長く、鼻が長いならば、象である
に於いて、
①=② である。
然るに、
(17)
{象、兎、馬}であるならば、
① 鼻は象は長く、鼻が長いならば、象である
② 耳は兎は長く、耳が長いならば、兎である
③ 顔は馬は長く、顔が長いならば、馬である
従って、
(01)(15)(16)(17)により、
(18)
① 鼻は象長い≡鼻は象は長く、鼻が長いならば、象である≡∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)}。
② 耳は兎長い≡耳は兎は長く、耳が長いならば、兎である≡∀x∃y{(耳xy&兎y→長x)&(耳xy&長x→兎y)}。
③ 顔は馬長い≡顔は馬は長く、顔が長いならば、馬である≡∀x∃y{(顔xy&馬y→長x)&(顔xy&長x→馬y)}。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(18)により、
(19)
① 鼻は象長い。
と言へば、それだけで、
① 鼻は象は長く、鼻が長いならば、象である
といふ風に、言ったことになり、
① 鼻は象は長く、鼻が長いならば、象である
といふ「日本語」を、「記号」で書くならば、
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x象y)}
といふ、「述語論理式」になる。
従って、
(08)(09)(15)(19)により、
(20)
(a)
1    (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} A
1    (2)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} 1UE
 3   (3)     (鼻ab&象b→長a)&(~象b&長a→~鼻ab)  A
 3   (4)                  ~象b&長a→~鼻ab   3&E
  5  (5)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy)                A
   6 (6)  ∃y(兎y&~象y&鼻ay)                A
    7(7)     兎b&~象b&鼻ab                 A
    7(8)     兎b&                        7&E
    7(9)        ~象b                     7&E
    7(ア)            鼻ab                 7&E
    7(イ)          ~~鼻ab                 アDN
 3  7(ウ)                ~(~象b& 長a)      4イMPP
 3  7(エ)                 ~~象b∨~長a       ウ、ド・モルガンの法則
 3  7(オ)                  ~象b→~長a       エ含意の定義
 3  7(カ)                      ~長a       9オMPP
    7(キ)     兎b&鼻ab                     8ア&I
 3  7(ク)     兎b&鼻ab&~長a                 カキ&I
 3  7(ケ)  ∃y(兎y&鼻ay&~長a)                クEI
 3 6 (コ)  ∃y(兎y&鼻ay&~長a)                67ケEE
 3 6 (サ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)                コEI
 35  (シ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)                56サEE
1 5  (ス)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)                23シEE
といふ「述語計算(Predicate calculus)」と、並びに、
(b)
1    (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)} A
1    (2)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} 1UE
 3   (3)     (鼻ab&象b→長a)&(鼻ab&長a→象b)  A
 3   (4)                  鼻ab&長a→象b   3&E
  5  (5)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy)              A
   6 (6)  ∃y(兎y&~象y&鼻ay)              A
    7(7)     兎b&~象b&鼻ab               A
    7(8)     兎b&                      7&E
    7(9)        ~象b                   7&E
    7(ア)            鼻ab               7&E
 3  7(イ)                ~(鼻ab&長a)     49MTT
 3  7(ウ)                ~鼻ab∨~長a      イ、ド・モルガンの法則
 3  7(エ)                 鼻ab→~長a      ウ、含意の定義
 3  7(オ)                     ~長a      アエMPP
 3  7(カ)     兎b&鼻ab                   8イ&I
 3  7(キ)     兎b&鼻ab&~長a               オカ&I
 3  7(ク)  ∃y(兎y&鼻ay&~長a)              キEI
 3 6 (ケ)  ∃y(兎y&鼻ay&~長a)              67クEE
 3 6 (コ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)              ケEI
 35  (サ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)              56コEE
1 5  (シ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)              23サEE
といふ「述語計算(Predicate calculus)」が「可能」となって、それ故、
(ⅰ)鼻は象長い。         然るに、
(ⅱ)ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、
(ⅲ)ある兎の鼻は長くない。
といふ「論証(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
といふ、ことになる。
従って、
(20)により、
(21)
① 鼻は象長い。
といふ「日本語」に於いて、「肝心」なのは、
① 鼻は象長い≡鼻は象は長く、鼻が長いならば、象である
といふ「等式」である。
従って、
(21)により、
(22)
三上章 先生は、
① 鼻は象長い。
といふ「日本語」に於いて、
①「鼻」は「主」であるか、
①「象」は「主」でないか、といふ「問題」を論じるよりも、以前に、
① 鼻は象が長い≡鼻は象は長く、鼻が長いならば、象である
といふ「等式」が、成り立つといふことを、「確認」すべきである。
然るに、
(23)
そのためには、
1    (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)} A
1    (2)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} 1UE
 3   (3)     (鼻ab&象b→長a)&(鼻ab&長a→象b)  A
 3   (4)                  鼻ab&長a→象b   3&E
  5  (5)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy)              A
   6 (6)  ∃y(兎y&~象y&鼻ay)              A
    7(7)     兎b&~象b&鼻ab               A
    7(8)     兎b&                      7&E
    7(9)        ~象b                   7&E
    7(ア)            鼻ab               7&E
 3  7(イ)                ~(鼻ab&長a)     49MTT
 3  7(ウ)                ~鼻ab∨~長a      イ、ド・モルガンの法則
 3  7(エ)                 鼻ab→~長a      ウ、含意の定義
 3  7(オ)                     ~長a      アエMPP
 3  7(カ)     兎b&鼻ab                   8イ&I
 3  7(キ)     兎b&鼻ab&~長a               オカ&I
 3  7(ク)  ∃y(兎y&鼻ay&~長a)              キEI
 3 6 (ケ)  ∃y(兎y&鼻ay&~長a)              67クEE
 3 6 (コ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)              ケEI
 35  (サ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)              56コEE
1 5  (シ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)              23サEE
といふ「計算」が、どうして、「妥当」なのかといふことを、「理解」出来なければならないし、そのためには、それなりに、努力を、必要とするし、あるいは、センスも、必要なのかも知れない。



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