日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(861)「パースの法則」の「証明」の「説明」(Ⅱ)。

2021-04-08 21:15:02 | 論理

― 今日は、(479)へのアクセスが、多くなってゐます。―
(01)
命題計算では、パースの法則は ((P→Q)→P)→P のことを言う。この意味するところを書き出すと、命題Pについて、命題Qが存在して、「PならばQ」からPが真であることが従うときには、Pは真でなければならないとなる。とりわけ、Qとして偽を選んだ場合には、Pから偽が従うときは常にPが真であるならば、Pは真であるとなる。
パースの法則は直観論理や中間命題論理では成立せず、演繹定理だけからでは導くことができない(ウィキペディア)。
(02)
1   (1)  (P→Q)→P   A
 2  (2)  ~P∨Q      A
 2  (3)   P→Q      2含意の定義
12  (4)        P   13MPP
1   (5) (~P∨Q)→P   24CP
1   (6)~(~P∨Q)∨P   2含意の定義
  7 (7)~(~P∨Q)     A
  7 (8)  P&~Q      7ド・モルガンの法則
  7 (9)  P         8&E
   ア(ア)        P   A
1   (イ)  P         679アア∨E
    (ウ)((P→Q)→P)→P 1イCP
従って、
(01)(02)により、
(03)
((P→Q)→P)→P である所の、「パースの法則」は、 「A、含意の定義、MPP、CP、ド・モルガンの法則、&E、∨E」によって、「証明」出来る。
然るに、
(04)
―「含意の定義」の証明。―
(ⅰ)
1  (1)    P→Q  A
 2 (2) ~(~P∨Q) A
  3(3)   ~P    A
  3(4)   ~P∨Q  3∨I
 23(5) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q) 24&I
 2 (6)  ~~P    35RAA
 2 (7)    P    6DN
12 (8)      Q  17MPP
12 (9)   ~P∨Q  8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q) 29&I
1  (イ)~~(~P∨Q) 2アRAA
1  (ウ)   ~P∨Q  イDN
(ⅱ)
1     (1) ~P∨ Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3) ~P      A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5) ~P&P    34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   2&E
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   ウエ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   エカRAA
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
(05)
―「ド・モルガンの法則」の証明(Ⅰ)。―
(ⅰ)
1   (1) ~( P& Q)  A
 2  (2) ~(~P∨~Q)  A
  3 (3)   ~P      A
  3 (4)   ~P∨~Q   3∨I
 23 (5) ~(~P∨~Q)&
         (~P∨~Q)  24&I
 2  (6)  ~~P      35RAA
 2  (7)    P      6DN
   8(8)      ~Q   A
   8(9)   ~P∨~Q   8∨I
 2 8(ア) ~(~P∨~Q)&
          ~P∨~Q   29&I
 2  (イ)     ~~Q   8アRAA
 2  (ウ)       Q   イDN
 2  (エ)    P& Q   7ウ&I
12  (オ) ~( P& Q)&
         ( P& Q)  1エ&I
1   (カ)~~(~P∨~Q)  2オRAA
1   (キ)   ~P∨~Q   カDN
(ⅱ)
1   (1)   ~P∨~Q   A
 2  (2)    P& Q   A
  3 (3)   ~P      A
 2  (4)    P      2&E
 23 (5)   ~P&P    34&I
  3 (6) ~( P& Q)  25RAA
   7(7)      ~Q   A
 2  (8)       Q   2&E
 2 7(9)    ~Q&Q   78&I
   7(ア) ~( P& Q)  29RAA
1   (イ) ~( P& Q)  1367ア∨E
従って、
(04)(05)により、
(06)
「含意の定義」と「ド・モルガンの法則」は、
「A、∨I、&I、RAA、DN、MPP、&E、CP、∨E」によって、「証明」出来る。
従って、
(03)(06)により、
(07)
((P→Q)→P)→P である所の、「パースの法則」は、
「A、含意の定義、MPP、CP、ド・モルガンの法則、&E、∨E」によって、「証明」出来、
「含意の定義」と「ド・モルガンの法則」は、
「A、∨I、&I、RAA、DN、MPP、&E、CP、∨E」によって、「証明」出来る。
従って、
(07)により、
(08)
((P→Q)→P)→P である所の、「パースの法則」は、
「A、MPP、DN、CP、&I、&E、∨I、∨E、RAA」によって、「証明」出来る。
然るに、
(09)
((P→Q)→P)→P である所の、「パースの法則」は、
「E.J.レモンの、自然演繹の規則」である所の、「原子規則(10 primitive rules)」である、
「A、MPP、DN、CP、&I、&E、∨I、∨E、RAA」によって、「証明」出来る。
然るに、
(10)
命題計算の規則は、本質的にゲンツェン(G.Gentzen)」に由来するものである。
(E.J.レモン 著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、序ⅲ)
従って、
(09)(10)により、
(11)
((P→Q)→P)→P である所の、「パースの法則」は、
「E.J.レモンの、自然演繹の規則(ゲンツェンの自然演繹に由来する)によって、「証明」出来る。
従って、
(01)(11)により、
(12)
((P→Q)→P)→P である所の、「パースの法則」は、「演繹定理だけでは導くことができない(ウィキペディア)。」
とは言ふものの、「パースの法則」は、「ゲンツェンの自然演繹だけで、導くことができる
従って、
(01)(02)(12)により、
(13)
パースの法則は直観論理や中間命題論理では成立しない(ウィキペディア)。」
とは言ふものの、
1   (1)  (P→Q)→P   A
 2  (2)  ~P∨Q      A
 2  (3)   P→Q      2含意の定義
12  (4)        P   13MPP
1   (5) (~P∨Q)→P   24CP
1   (6)~(~P∨Q)∨P   2含意の定義
  7 (7)~(~P∨Q)     A
  7 (8)  P&~Q      7ド・モルガンの法則
  7 (9)  P         8&E
   ア(ア)        P   A
1   (イ)  P         679アア∨E
    (ウ)((P→Q)→P)→P 1イCP
といふ「証明」からすれば、「パースの法則」は、「ごく普通の、恒真式トートロジーの一つ」に、過ぎない


(860)∀x(偶x∨奇x)├ ∃x(偶x)∨∃x(奇x)┤├ ∃x(遇x∨奇x)

2021-04-08 16:36:27 | 論理

(01)
すべての正の整数が奇数ではなく、またすべての数が偶数でもない。この場合には、自然な試みを差しとめるのは「UIに対する制限」である。
 1 (1)∀x(Fx∨Gx) A
 1 (2)   Fa∨Ga  1UE
  3(3)   Fa     A
Fa∨Ga を(1)から結論し、そして第1の選言項Faを(3)の行に仮定する。しかし(3)は「a」を含む故、ここで、「UIに対する制限」が、∀x(Fx)を結論とすることをさしとめる。
(E.J.レモン 著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、156頁改)
従って、
(01)により、
(02)
次の「計算」は、「UIに対する制限」を満たしてゐないが故に、「マチガイ」である。
 1  (1)∀x(Fx∨Gx)     A
 1  (2)   Fa∨Ga      1UE
   ()   F         A
   (4)∀x(Fx)        UI(はマチガイである。)
  3 (5)∀x(Fx)∨∀x(Gx) 4∨I
   )      G      A
   (7)       ∀x(Gx) UI(はマチガイである。)
   6(8)∀x(Fx)∨∀x(Gx) 7∨I
 1  (9)∀x(Fx)∨∀x(Gx) 23568∨E(はマチガイである。)
然るに、
(03)
次の「計算」は、「UI」自体が無いため、「正しい」。
 1  (1)∀x(Fx∨Gx)     A
 1  (2)   Fa∨Ga      1UE
  3 (3)   Fa         A
  3 (4)∃x(Fx)        3EI(は正しい。)
  3 (5)∃x(Fx)∨∃x(Gx) 4∨I
   6(6)      Ga      A
   6(7)       ∃x(Gx) 6EI
   6(8)∃x(Fx)∨∃x(Gx) 7∨I(は正しい。)
 1  (9)∃x(Fx)∨∃x(Gx) 23568∨E(は正しい。)
従って、
(03)により、
(04)
① ∀x(Fx∨Gx)
② ∃x(Fx)∨∃x(Gx)
に於いて、少なくとも、
① ならば、② である。
然るに、
(05)
(ⅱ)
 1    (1)∃x(Fx)∨∃x(Gx) A
  2   (2)∃x(Fx)        A
   3  (3)   Fa         A
   3  (4)   Fa∨Ga      3∨I
   3  (5)∃x(Fx∨Gx)     4EI
  2   (6)∃x(Fx∨Gx)     235EE
    7 (7)       ∃x(Gx) A
     8(8)          Ga  A
     8(9)       Fa∨Ga  8∨I
     8(ア)    ∃x(Fx∨Gx) 9EI
    7 (イ)    ∃x(Fx∨Gx) 78アEE
 1    (ウ)∃x(Fx∨Gx)     1267イ∨E
(ⅲ)
 1    (1)∃x(Fx∨Gx)     A
  2   (2)   Fa∨Ga      A
   3  (3)   Fa         A
   3  (4)∃x(Fx)        3EI
   3  (5)∃x(Fx)∨∃x(Gx) 4∨I
    6 (6)      Ga      A
    6 (7)   ∃x(Gx)     6EI
    6 (8)∃x(Fx)∨∃x(Gx) 7∨I
  2   (9)∃x(Fx)∨∃x(Gx) 23568∨E
 1    (ア)∃x(Fx)∨∃x(Gx) 129EE
従って、
(05)により、
(06)
② ∃x(Fx)∨∃x(Gx)
③ ∃x(Fx∨Gx)
に於いて、
②=③ である。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
① ∀x(Fx∨Gx)
② ∃x(Fx)∨∃x(Gx)
③ ∃x(Fx∨Gx)
に於いて、
① ならば、② であって、
② は、  ③ に等しい。
が故に、
① ならば、③ である。
従って、
(07)により、
(08)
「番号」を付け直すと、
① ∀x(Fx∨Gx)
② ∃x(Fx∨Gx)
に於いて、
① ならば、② である。
然るに、
(09)
(ⅰ)
1 (1)∀x(Fx∨Gx) A
1 (2)   Fa∨Ga  1UE
1 (3)∃x(Fx∨Gx) 2EI
といふ「計算」は「正しく」、
(ⅱ)
1 (1)∃x(Fx∨Gx) A
 )   F∨G  A
 (3)∀x(Fx∨Gx) UI(はマチガイである。)
1 (4)∀x(Fx∨Gx) 123EE(はマチガイである。)
といふ「計算」は、「UIに対する制限」に対する「違反」であるため、「マチガイ」である。
従って、
(08)(09)により、
(10)
① ∀x(Fx∨Gx)
② ∃x(Fx∨Gx)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① である、ではない。
(11)
例へば、
① ∀x(Fx∨Gx)≡すべての自然数xは(奇数であるか、遇数である)。
② ∃x(Fx∨Gx)≡   ある自然数xは(奇数であるか、遇数である)。
に於いて、
① ならば、② である。
然るに、
(12)
例へば、
②「2」といふ、「一つの自然数」が「偶数」である。
ならば、それだけで
② ∃x(Fx∨Gx)≡ ある自然数xは(奇数であるか、遇数である)。
といふ「命題」は、「真(本当)」である。
然るに、
(13)
①「2」以外にも、「無数の自然数」が存在する。
が故に、
②「2」といふ、「一つの自然数」が「偶数」である。
としても、
① ∀x(Fx∨Gx)≡すべての自然数xは(奇数であるか、遇数である)。
といふ「命題」は、「真(本当)」には、ならない
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
例へば、
① ∀x(Fx∨Gx)≡すべての自然数xは(奇数であるか、遇数である)。
② ∃x(Fx∨Gx)≡    ある自然数xは(奇数であるか、遇数である)。
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① である。ではない
従って、
(10)(14)により、
(15)
「結論」として、
① ∀x(Fx∨Gx)
② ∃x(Fx∨Gx)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① である、ではない
(16)
(ⅰ){∀x(Fx)→Fa}→∃x(Fx)
(ⅱ)        Fa →∃x(Fx)
(ⅲ) ∃x(Fx)→Fa
(ⅳ){∃x(Fx)→F}→∀x(Fx)
(ⅴ)        F →∀x(Fx)
に於いて、
(ⅰ)は「正しい」。
(ⅱ)は「正しい」。
(ⅲ)は「正しくはない」。
(ⅳ)は「正しくはない」。
(ⅴ)は「正しくはない」。
(17)
UIに対する制限」といふのは、
(ⅳ){∃x(Fx)→F}→∀x(Fx)
(ⅴ)        F →∀x(Fx)
は、両方とも、「正しくない」にも拘らず、
(ⅳ){∃x(Fx)→F}→∀x(Fx)
(ⅴ)        F →∀x(Fx)
を、「正しい」と、することをいふ。
ただし、
(18)
(ⅲ) ∃x(Fx)→Fa
については、「説明」を、必要とする。
cf.
代表的選言項(typical disjunct)