日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(746)「象(鼻)は鼻(象)が長い」の「述語論理」と「返り点」。

2020-10-26 13:00:45 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
 ― 繰り返し書いてゐる通り、―
1     (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2    (2)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  3   (3)∃x(兎x&象x)                      A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2    (5)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  2UE
   6  (6)   兎a&象a                       A
   6  (7)   兎a                          6&E
   6  (8)      象a                       6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  48MPP
 2 6  (ア)      ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  57MPP
1  6  (イ)      ∃y(鼻ya&長y)               9&E
    ウ (ウ)         鼻ba&長b                A
 2 6  (エ)      ∃y(耳ya&長y)               ア&E
     オ(オ)         耳ba&長b                A
     オ(カ)         耳ba                   オ&E
 2 6  (キ)                 ∀z(耳za→~鼻za)  ア&E
 2 6  (ク)                    耳ba→~鼻ba   キUE
 2 6 オ(ケ)                        ~鼻ba   オクMPP
1  6  (コ)                 ∀z(~鼻za→~長z)  ア&E
1  6  (サ)                    ~鼻ba→~長b   コUE
12 6 オ(シ)                         ~長b   ケサMPP
     オ(ス)             長b                オ&E
12 6 オ(セ)             長b&~長b            シス&I
12 6  (ソ)             長b&~長b            エオセEE
123   (タ)             長b&~長b            36ソEE
12    (チ)~∃x(兎x&象x)                     3タRAA
12    (ツ)∀x~(兎x&象x)                     チ量化子の関係
12    (テ)  ~(兎a&象a)                     ツUE
12    (ト)  ~兎a∨~象a                      テ、ド・モルガンの法則
12    (ナ)   兎a→~象a                      ト含意の定義
12    (ニ)∀x(兎x→~象x)                     ナUI
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。従って、
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。}然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyはxの耳であって、長く、すべてのzについて、zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない。}従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎であるならば、xは象ではない。}
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)象は鼻長い。然るに、
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① 象は鼻長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。}
といふ「等式」が、「成立」する。
然るに、
(05)
1    (1)∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)} A
1    (2)  ∃y{(象a&鼻ya→長y)&(~象a&鼻ya→~長y)} 1UE
 3   (4)                  ~象a&鼻ba→~長b   3&E
  5  (5)∃x∃y(兎x&~象x&鼻yx)                A
   6 (6)  ∃y(兎a&~象a&鼻ya)                A
    7(7)     兎a&~象a&鼻ba                 A
    7(8)     兎a                         7&E
    7(9)        ~象a&鼻ba                 7&E
 3  7(ア)                          ~長b   49MPP
    7(イ)            鼻ba                 9&E
 3  7(ウ)            鼻ba&~長b             アイ&I
 3  7(エ)     兎a&鼻ba&~長b                 8ウ&I
 3  7(オ)  ∃y(兎a&鼻ya&~長y)                エEI
 3 6 (カ)  ∃y(兎a&鼻ya&~長y)                67オEE
 3 6 (キ)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y)                カEI
 35  (ク)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y)                56キEE
1 5  (ケ)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y)                23クEE
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(05)により、
(06)
(ⅰ)∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)}。然るに、
(ⅱ)∃x∃y(兎x&~象x&鼻yx)。従って、
(ⅲ)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(06)により、
(07)
(ⅰ)すべてのxとあるyについて{xが象であって、yがxの鼻であるならば、yは長く、xが象でなくて、yがxの鼻であるならば、yは長くない。}然るに、
(ⅱ)あるxとあるyについて(xは兎であって、象ではななく、yはxの鼻である。)従って、
(ⅲ)あるxとあるyについて(xは兎であって、yはxの鼻であって、yは長くない。)
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)鼻は象長い。然るに、
(ⅱ)兎は象ではなく、兎には鼻がある。従って、
(ⅲ)兎の鼻は長くない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(01)~(07)により、
(08)
① 象は鼻長い。
② 鼻は象(の鼻)長い。
といふ「日本語」は、それぞれ、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx →~長z)}
② ∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)}
といふ「述語論理式」に、「対応」する。
従って、
(08)により、
(09)
① 象は鼻長い。
② 鼻は象長い。
といふ「日本語」に「対応」する「述語論理式」としては、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{鼻x→∃y(象yx&長y)&∀z(~象zx→~長z)}
に於いて、
① は「正しい」が、
② は「正しく」ない
然るに、
(10)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{鼻x→∃y(象yx&長y)&∀z(~象zx→~長z)}
といふ「述語論理式」は、「返り点」を付けるとしたら、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~zx→~z)}
② ∀x{鼻x→∃y(象yx&長y)&∀z(~zx→~z)}
といふ「語順」で「読むこと」が、「決まり」になってゐる。
従って、
(10)により、
(11)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{鼻x→∃y(象yx&長y)&∀z(~象zx→~長z)}
といふ「述語論理式」は、
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。}
② すべてのxについて{xが鼻であるならば、あるyはxの象であって、長く、すべてのzについて、zがxの象でないならば、zは長くない。}
といふ「語順」で「読むこと」が、「決まり」になってゐる。
然るに、
(12)
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。}
② すべてのxについて{xが鼻であるならば、あるyはxの象であって、長く、すべてのzについて、zがxの象でないならば、zは長くない。}
といふことは、
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは象の鼻であって、長く、すべてのzについて、zが象の鼻でないならば、zは長くない。}
② すべてのxについて{xが鼻であるならば、あるyは鼻の象であって、長く、すべてのzについて、zが鼻の象でないならば、zは長くない。}
といふことである。
然るに、
(13)
①「象の鼻」
②「鼻の象」
に於いて、
① は「意味明瞭」であるが、
② は「意味不明」である。
従って、
(09)~(13)により、
(14)
①「象の鼻」
②「鼻の象」
に於いて、
① は「意味明瞭」であるが、
② は「意味不明」である。
といふ「理由」により、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{鼻x→∃y(象yx&長y)&∀z(~象zx→~長z)}
といふ「述語論理式」に於いて、
① は「正しい」が、
② は「正しく」ない
然るに、
(15)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{鼻x→∃y(象yx&長y)&∀z(~象zx→~長z)}
に対して、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~zx→~z)}
② ∀x{鼻x→∃y(象yx&長y)&∀z(~zx→~z)}
といふ「返り点」を付た場合は、それぞれ、
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。}
② すべてのxについて{xが鼻であるならば、あるyは象のxであって、長く、すべてのzについて、zが、象でないxならば、zは長くない。}
といふ風に、「訓読出来る
然るに、
(16)
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。}
② すべてのxについて{xが鼻であるならば、あるyは象のxであって、長く、すべてのzについて、zが、象でないxならば、zは長くない。}
といふことは、
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは象の鼻であって、長く、すべてのzについて、zが象の鼻でないならば、zは長くない。}
② すべてのxについて{xが鼻であるならば、あるyは象の鼻であって、長く、すべてのzについて、zが、象以外の鼻ならば、zは長くない。}
といふことである。
然るに、
(17)
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは象の鼻であって、長く、すべてのzについて、zが象の鼻でないならば、zは長くない。}
② すべてのxについて{xが鼻であるならば、あるyは象の鼻であって、長く、すべてのzについて、zが、象以外の鼻ならば、zは長くない。}
といふことは、
① 象は鼻長い(鼻以外は長くない)。
② 鼻は象長い(象以外は長くない)。
といふことである。
従って、
(14)~(17)により、
(18)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~zx→~z)}
② ∀x{鼻x→∃y(象yx&長y)&∀z(~zx→~z)}
といふ「返り点」が、「許される」のであれば、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{鼻x→∃y(象yx&長y)&∀z(~象zx→~長z)}
といふ「述語論理式」は、
① 象は鼻長い(鼻以外は長くない)。
② 鼻は象長い(象以外は長くない)。
といふ「日本語」に、「相当」する。
然るに、
(19)
実際には、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{鼻x→∃y(象yx&長y)&∀z(~象zx→~長z)}
といふ「述語論理式」に対して、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~zx→~z)}
② ∀x{鼻x→∃y(象yx&長y)&∀z(~zx→~z)}
といふ「返り点」が、付けられることは、「今の所」、「習慣」として、無いし、「これからも」、無い
従って、
(08)(19)により、
(20)
① 象は鼻長い。
② 鼻は象(の鼻)長い。
といふ「日本語」は、それぞれ、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx  →~長z)}
② ∀x{鼻x→∃y(象yx&長y)&∀z(~象zx  →~長z)}
③ ∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)}
に於ける、
①と② ではなく
①と③ に、「対応」する。