日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(733)「E.J.レモン」も「間違ふこと」が有る(?)。

2020-10-09 12:29:36 | 論理

(01)
われわれはつぎの結果をたやすく証明できる
158 ∃x∃y(Rxy)├ ~{∀x∀y(Rxy→Ryx)&∀x∀y(Rxy→~Ryx)}
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、233頁)
然るに、
(02)
1   (1)  ∃x∃y(Rxy)                     A
 2  (2)    ∃y(Ray)                     A
  3 (3)       Rab                      A
   4(4)  ∀x∀y(Rxy→Ryx)&∀x∀y(Rxy→~Ryx)  A
   4(5)  ∀x∀y(Rxy→Ryx)                 4&E
   4(6)    ∀y(Rxb→Rbx)                 5UE
   4(7)       Rab→Rba                  6UE
   4(8)                ∀x∀y(Rxy→~Ryx)  4&E
   4(9)                  ∀y(Ray→~Rya)  8UE
   4(ア)                     Rab→~Rba   9UE
  34(イ)           Rba                  37MPP
  34(ウ)                         ~Rba   3アMPP
  34(エ)           Rba&~Rba             イウ&I
  3 (オ)~{∀x∀y(Rxy→Ryx)&∀x∀y(Rxy→~Ryx)} 4エRAA
 2  (カ)~{∀x∀y(Rxy→Ryx)&∀x∀y(Rxy→~Ryx)} 23オEE
1   (キ)~{∀x∀y(Rxy→Ryx)&∀x∀y(Rxy→~Ryx)} 12カEE
従って、
(01)(02)により、
(03)
私にも
158 ∃x∃y(Rxy)├ ~{∀x∀y(Rxy→Ryx)&∀x∀y(Rxy→~Ryx)}
といふ結果をたやすく証明できる
然るに、
(04)
つぎの結果は容易に証明される
159 ∀x∀y(Rxy→~Ryx)├ ∀x∀y(x≠y&Rxy→~Ryx)
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、234頁)
然るに、
(05)
15□ ∀x∀y(Rxy→~Ryx)├ ∀x∀y(Rxy→x≠y&~Ryx)
1  (1)    ∀x∀y(Rxy→~Ryx) A
1  (2)      ∀y(Ray→~Rya) 1UE
1  (3)         Rab→~Rba  2UE
 4 (4)         a=b& Rab  A
 4 (5)         a=b       4&E
 4 (6)              Rab  4&E
14 (7)             ~Rba  36MPP
14 (8)              Raa  56=E
14 (9)             ~Raa  57=E
14 (ア)         Raa&~Raa  89&I
1  (イ)       ~(a=b& Rab) 4アRAA
1  (ウ)         a≠b∨~Rab  イ、ド・モルガンの法則
1  (エ)        ~Rab∨a≠b   ウ交換法則
1  (オ)         Rab→a≠b   エ含意の定義
  カ(カ)         Rab       A
1 カ(キ)             ~Rba  3カMPP
1 カ(ク)             a≠b   オカMPP
1 カ(ケ)         a≠b&~Rba  キク&I
1  (コ)     Raba≠b~Rba  カケCP
1  (サ)  ∀y(Ray→a≠y&~Rya) コUI
1  (シ)∀x∀y(Rxy→x≠y&~Ryx) サUI
従って、
(04)(05)により、
(06)
① ∀x∀y(Rxy→~Ryx)├ ∀x∀y(x≠y&Rxy→~Ryx)
② ∀x∀y(Rxy→~Ryx)├ ∀x∀y(Rxy→x≠y&~Ryx)
に於いて、
① は、E.J.レモン によって、「証明」されて、
② は、      によって、「証明」される。
然るに、
(07)
①(x≠y&Rxy→~Ryx)
②(Rxy→x≠y&~Ryx)
に於いて、
x≠y が「偽」であって、
③ Rxy が「真」であるならば、
① は、「(式全体として、)」であるが、
② は、「(式全体として、)」である。
従って、
(06)(07)により、
(08)
① ∀x∀y(Rxy→~Ryx)├ ∀x∀y(x≠y&Rxy→~Ryx)
② ∀x∀y(Rxy→~Ryx)├ ∀x∀y(Rxy→x≠y&~Ryx)
に於いて、
①=② ではない
然るに、
(09)
(3)∀x∀y(Rxy→~Ryx)
であるときまたそのときに限って非対称的である。
親であるという関係は非対称的である。なぜならば、がbの親であるならば、はaの親ではないからである。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、232頁)
従って、
(08)(09)により、
(10)
① ∀x∀y(親xy→~親yx)├ ∀x∀y(x≠y&親xy→~親yx)
② ∀x∀y(親xy→~親yx)├ ∀x∀y(親xy→x≠y&~親yx)
に於いて、
①=② ではない
然るに、
(11)
① ∀x∀y(x≠y&親xy→~親yx)
② ∀x∀y(親xy→x≠y&~親yx)
に於いて、それぞれ、
①「xとyが同一人物でなくて、xがyの親であること」は、「yがxの親でないこと」の「十分条件」である。
②「xがyの親であること」は、「xとyが同一人物でなくて、yがxの親でないこと」の「十分条件」である。
といふ、「意味」である。
然るに、
(12)
例へば、
②「サザエさんがタラちゃんの親である」ことは、「サザエさんとタラちゃんが、同一人物ではなく、タラちゃんがサザエさんの親でないこと」の「十分条件」である。
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
②「xがyの親であること」は、「xとyが同一人物でなくて、yがxの親でないこと」の「十分条件」である。⇔
②「サザエさんがタラちゃんの親であること」は、「サザエさんとタラちゃんが、同一人物ではなく、タラちゃんがサザエさんの親でないこと」の「十分条件」である。
といふ「常識」からすると、
① ∀x∀y(親xy→~親yx)├ ∀x∀y(x≠y&親xy→~親yx)
② ∀x∀y(親xy→~親yx)├ ∀x∀y(親xy→x≠y&~親yx)
といふ「連式(Sequents)」に於いて、
① は、「妥当」ではなく
② が、「妥当」であると、すべきである。
従って、
(04)(13)により、
(14)
つぎの結果は容易に証明される
159 ∀x∀y(Rxy→~Ryx)├ ∀x∀y(x≠y&Rxy→~Ryx)
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、234頁)
といふ「2行」は、「正しくはないと、思はれる(?)。