日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(436)「消去律」と「選言導入の規則」。

2019-12-24 11:11:15 | 論理

(01)
(ⅰ)
1(1)P       A
1(2)P∨Q     1∨I
1(3)P&(P∨Q) 12&I
(ⅱ)
1(1)P&(P∨Q) A
1(2)P       1&E
従って、
(01)により、
(02)
① P
② P&(P∨Q)
に於いて、
①=② である。
cf.
「消去律・吸収律・簡約律」といふ。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① P
② P&(P∨
③ P&(P∨
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
(ⅰ)
1(1)P   A
1(2)P∨Q 1∨I
といふ「計算」に於いて、
1(1)Pは、必ず「」であるが、
1(2)  Qは、「真」である「必要」はなく、
1(〃)  Qは、「」であっても、かまわない
然るに、
(05)
1(2)  Qは、「真」である「必要」はなく、
1(〃)  Qは、「」であっても、かまわない
といふことは、
1(2)  Qの「真偽」は、分からない
といふ、ことである。
従って、
(01)(05)により、
(06)
1(1)P   A
1(2)P∨Q 1∨I
といふ「計算」は、
(1)Pである。 従って、
(2)Pであるが、Qであるかどうかは、分からない
といふ「意味」になる。
従って、
(07)
1(1)P   A
1(2)P∨Q 1∨I
といふ「計算」は、
(1)Pである。 従って、
(2)Pであるか、または、Qである。
といふ「意味」ではない
従って、
(06)(07)により、
(08)
1(1)P   A
1(2)P∨Q 1∨I
に於いて、
P=彼女は背が高い。
Q=彼女は美人である。
であるならば、
(2)彼女は背が高いが、美人であるかどうかは、分からない
といふ「意味」ではあって、
(2)彼女は背が高いか、または、美人である。
といふ「意味」ではない
然るに、
(09)
この規則は、推論の中で意識されることがおおよそないといえます。「彼女は背が高い」という主張をPとしましょう。すると、このPから「彼女は背が高い または 彼女は美人だ」が導けます。この場合、主張Qは「彼女は美人だ」に対応しています。しかし、「彼女は背が高い」がわかっているのに、わざわざ、「彼女は背が高い または 彼女は美人だ」とつなげる場面は普通の会話ではあまりないでしょう。数学の証明でも、これが使われる場面はほとんど見かけないような気がします(小島寛之、証明と論理に強くなる、2017年、156頁)。
従って、
(08)(09)により、
(10)
 この規則(選言導入)を、
「彼女は背が高い または 彼女は美人だ」と理解するのは、「マチガイ」であって、
「彼女は背が高い しかし 美人かどうかは、分からない」とするのが、「正しい」。
然るに、
(11)
1(1)P   A
1(2)P∨Q 1∨I
ではなく
1(1)P∨Q A
に於いて、
P=彼女は背が高い。
Q=彼女は美人である。
であるならば、当然、
「彼女は背が高い または 彼女は美人だ」とするのが、「正しく」、
「彼女は背が高い しかし 美人かどうかは、分からない」とするのは、「マチガイ」である。
従って、
(10)(11)により、
(12)
1(2)P∨Q 1∨I(選言導入
1(1)P∨Q A(仮定)
といふ「二種類の、P∨Q」を、「混同」してはならないものの、寡聞にして、「そのやうに書いてある、教科書」を、私は知らない。