日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(107)「象は鼻が長い。」と「述語論理」。

2018-11-22 19:06:42 | 「は」と「が」
(01)
「定理(公式)」を用ひるならば、
(a)
1  (1) ∀z(~鼻zx→~長z)  A
1  (2)    ~鼻cx→~長c   1UE
1  (3)   ~~鼻cx∨~長c   2含意の定義
1  (4)  ~(~鼻cx& 長c)  ド・モルガンの法則
 5 (5) ∃x(~鼻zx& 長z)  A
  6(6)    ~鼻cx& 長c   A
1 6(7)  ~(~鼻cx& 長c)&
         (~鼻cx& 長c)  46&I
15 (8)  ~(~鼻cx& 長c)&
         (~鼻cx& 長c)  567EE
1  (9)~∃x(~鼻zx& 長z)  58RAA
(b)
1  (1)~∃x(~鼻zx& 長z) A
1  (2)∀z~(~鼻zx& 長z) 1量化子の関係
1  (3)  ~(~鼻cx& 長c) 2UE
1  (4)   ~~鼻cx∨~長c  3ド・モルガンの法則
1  (5)    ~鼻cx→~長c  4含意の定義
1  (6) ∀z(~鼻zx→~長z) 5UI
(02)
「定理(公式)」を用ひないならば、
(a)
1      (1) ∀z(~鼻zx→~長z)  A
1      (2)    ~鼻cx→~長c   1UE
 3     (3)    ~鼻cx& 長c   A
 3     (4)    ~鼻cx       3&E
 3     (5)          長c   3&E
13     (6)         ~長c   24MPP
13     (7)      長c&~長c   56&I
1      (8)         ~長c   57RAA
1      (9)   ~~鼻cx∨~長c   8∨I
  ア    (ア)    ~鼻cx& 長c   A
  ア    (イ)    ~鼻cx       ア&E
   ウ   (ウ)   ~~鼻cx       A
  アウ   (エ)    ~鼻cx&~~鼻cx イウ&I
   ウ   (オ)  ~(~鼻cx& 長c)  アエRAA
  ア    (カ)          長c   ア&E
    キ  (キ)         ~長c   A
  ア キ  (ク)      長c&~長c   カキ&I
    キ  (ケ)  ~(~鼻cx& 長c)  アクRAA
1      (コ)  ~(~鼻cx& 長c)  9ウオキケ∨E
     サ (サ) ∃z(~鼻zx& 長z)  A
      ス(シ)    ~鼻cx& 長c   A
1     ス(セ)  ~(~鼻cx& 長c)&
             (~鼻cx& 長c)  コシ&I
1    サ (ソ)  ~(~鼻cx& 長c)&
             (~鼻cx& 長c)  サスセEE
1      (タ)~∃z(~鼻zx& 長z)  サソRAA
(b)
1         (1)  ~∃z(~鼻zx& 長z)  A
 2        (2) ~∀z~(~鼻zx& 長z)  A
  3      (3)     (~鼻cx& 長c)  A
  3       (4)   ∃z(~鼻zx& 長z)  3EI
1 3       (5)  ~∃z(~鼻zx& 長z)&
                ∃z(~鼻zx& 長z) 14&I
1         (6)    ~(~鼻cx& 長c)  3RAA
1         (7)  ∀z~(~鼻zx& 長z)  6UI
12       (8) ~∀z~(~鼻zx& 長z)&
              ∀z~(~鼻zx& 長z)  27&I
1         (9)~~∀z~(~鼻zx& 長z)  28RAA
1        (ア)  ∀z~(~鼻zx& 長z)  9DN
1        (イ)    ~(~鼻cx& 長c)  アUE
 ウ       (ウ)    ~( 鼻cx∨~長c)  A
  エ      (エ)       鼻cx       A
  エ      (オ)       鼻cx∨~長c   エ∨I
 ウエ      (カ)    ~( 鼻cx∨~長c)  
                  ( 鼻cx∨~長c)  ウオ&I
 ウ       (キ)      ~鼻cx        エカRAA
   ク      (ク)           ~長c   A
         (ケ)       鼻cx∨~長c   ク∨I
 ウ ク      (コ)    ~( 鼻cx∨~長c)&
                 ( 鼻cx∨~長c)  ウケ&I
 ウ        (サ)          ~~長c   クコRAA
 ウ        (シ)            長c   サDN
 ウ        (ス)      ~鼻cx& 長c   キシ&I
1ウ       (セ)    ~(~鼻cx& 長c)&
                 (~鼻cx& 長c)  イス&I
1        (ソ)   ~~( 鼻cx∨~長c)  ウセRAA
1        (タ)       鼻cx∨~長c   ソDN
    チ    (チ)      ~鼻cx& 長c   A
    チ    (ツ)      ~鼻cx       チ&E
     テ    (テ)       鼻cx       A
    チテ   (ト)      ~鼻cx&鼻cx   ツテ&I
     テ   (ナ)    ~(~鼻cx& 長c)  チトRAA
    チ    (ニ)            長c   チ&E
      ヌ  (ヌ)           ~長c   A
    チ ヌ  (ネ)        長c&~長c   ニヌ&I
      ヌ  (ノ)    ~(~鼻cx& 長c)  チネRAA
1        (ハ)    ~(~鼻cx& 長c)  タテナヌノ∨E
       ヒ (ヒ)      ~鼻cx       A
        フ(フ)            長c   A
       ヒフ(ヘ)      ~鼻cx& 長c   ヒフ&I
1      ヒフ(ホ)    ~(~鼻cx& 長c)&  
                 (~鼻cx& 長c)  ハヘ&I
1      ヒ (マ)           ~長c   フホRAA
1        (ミ)      ~鼻cx→~長c   ヒマCP
1        (ム)   ∀z(~鼻zx→~長z)  ミUI

cf.
こうして「その証明」を、最初の「基本的規則(10個)」からの「より長い証明」に変形することができる。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、72頁改)
従って、
(01)(02)により、
(03)
いづれにせよ、
(a) ∀z(~鼻zx→~長z)
(b)~∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
(a)ならば(b)であり、
(b)ならば(a)である。
従って、
(03)により、
(04)
(a) ∀z(~鼻zx→~長z)
(b)~∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
(a)=(b) である。
従って、
(04)により、
(05)
(a) ∀z(~鼻zx→~長z)
(b)~∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
(a)=(b) である。が故に、
(a)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(b)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、すなはち、
(a)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならばzは長くない}。
(b)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻ではなく、そのzが長い。といふことはない}。
に於いて、
(a)=(b) である。
然るに、
(06)
(a)
1  (1)∀z(~鼻zx→~長z) A
1  (2)   ~鼻cx→~長c  1UE
 3 (3)   ~鼻cx      A
  4(4)         長c  A
13 (5)        ~長c  23MPP
134(6)     長c&~長c  45&I
1 4(7)  ~~鼻cx      36RAA
1 4(8)    鼻cx      7DN
1  (9)    長c→ 鼻cx  48CP
1  (ア)∀z( 長z→ 鼻zx) 9UI
(c)
1  (1)∀z( 長z→ 鼻zx) A
1  (2)    長c→ 鼻cx  1UE
 3 (3)    長c       A
  4(4)       ~鼻cx  A
13 (5)        鼻cx  23MPP
134(6)   ~鼻cx&鼻cx  45&I
1 4(7)   ~長c       36RAA
1  (8)   ~鼻cx→~長c  47CP
1  (9)∀z(~鼻zx→~長z) 8UI
従って、
(06)により、
(07)
(a)∀z(~鼻zx→~長z)
(c)∀z( 長z →鼻zx)
に於いて、
(a)ならば(c)であり、
(c)ならば(a)である。
従って、
(07)により、
(08)
(a)∀z(~鼻zx→~長z)
(c)∀z( 長z →鼻zx)
に於いて、
(a)=(c) である。
cf.
対偶(Contraposition)は、等しい。
従って、
(08)により,
(09)
(a)∀z(~鼻zx→~長z)
(c)∀z( 長z →鼻zx)
に於いて、
(a)=(c) である。が故に、
(a)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
(c)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z( 長x→ 鼻zx)}。
に於いて、すなはち、
(a)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならばzは長くない}。
(c)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、xが長いならば、zはxの鼻である}。
に於いて、
(a)=(c) である。
従って、
(05)(09)により、
(10)
(a)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(b)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
(c)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z( 長x→ 鼻zx)}。
に於いて、すなはち、
(a)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならばzは長くない}。
(b)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻ではなく、そのzが長い。といふことはない}。
(c)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、xが長いならば、zはxの鼻である}。
に於いて、
(a)=(b)=(c) である。
然るに、
(11)
(a)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
(c)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z( 長x→ 鼻zx)}。
に於いて、
(a)象 =タゴール記念会
(a)鼻 =私
(a)長い=理事長
といふ「代入」を行ふと、
(a)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)}。
(c)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z( 理事長x→ 私zx)}。
といふ「式」になる。
従って、
(10(11)により、
(12)
(a)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)}。
(c)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z( 理事長x→ 私zx)}。
に於いて、
(a)=(c) である。
従って、
(12)により、
(13)
次の「計算」は、当然、「正しい」。
(a)
1   (1)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)}  A
1   (2)   タゴール記念会a→∃y(私ya&理事長y)&∀z(~私za→~理事長z)   1UE
 2  (3)   タゴール記念会a                               A
12  (4)            ∃y(私ya&理事長y)&∀z(~私za→~理事長z)   23MPP
12  (5)            ∃y(私ya&理事長y)                  4&E
12  (6)                         ∀z(~私za→~理事長z    4&E
12  (7)                            ~私ca→~理事長c    6UI
  8 (8)                            ~私ca          A
   9(9)                                  理事長c    A
128 (ア)                                 ~理事長c    78MPP
1289(イ)                            理事長c&~理事長c    9ア&I   
12 9(ウ)                           ~~私ca          8イRAA
12 9(エ)                             私ca          ウDN
12  (オ)                             理事長c→ 私ca    9エCP
12  (カ)                         ∀z( 理事長z→ 私za)   オUI
12  (キ)            ∃y(私ya&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私za)   5カ&I
1   (ク)   タゴール記念会a→∃y(私ya&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私za)   3キCP
1   (ケ)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私zx)}  ケUI
(c)
1   (1)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私zx)}  A
1   (2)   タゴール記念会a→∃y(私ya&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私za)   1UE
 2  (3)   タゴール記念会a                               A
12  (4)            ∃y(私ya&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私za)   23MPP
12  (5)            ∃y(私ya&理事長y)                  4&E
12  (6)                         ∀z( 理事長z→ 私za)   4&E
12  (7)                             理事長c→ 私ca    6UI     
  8 (8)                             理事長c         A
   9(9)                                  ~私ca    A
128 (ア)                                   私ca    78MPP
1289(イ)                              ~私ca&私ca    9ア&I
12 9(ウ)                            ~理事長c         8イRAA
12  (エ)                            ~私ca→~理事長c    9ウCP
12  (オ)                         ∀z(~私za→~理事長z)   エUI
12  (カ)            ∃y(私ya&理事長y)&∀z(~私za→~理事長z)   5オ&I
1   (キ)   タゴール記念会a→∃y(私ya&理事長y)&∀z(~私za→~理事長z)   3カCP
1   (ク)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)}。 キUI
従って、
(12)(13)により、
(14)
(a)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)}。
(c)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z( 理事長x→ 私zx)}。
に於いて、すなはち、
(a)すべてのxついて{xがタゴール記念会員であるならば、あるyはxの、すなはちタゴール記念会員の私であって、そのyは理事長であって、すべてのzについて、zがxの、すなはちタゴール記念会員の私でないならば、zは理事長ではない}。
(c)すべてのxついて{xがタゴール記念会員であるならば、あるyはxの、すなはちタゴール記念会員の私であって、そのyは理事長であって、すべてのzについて、zが理事長であるならば、zはxの、すなはちタゴール記念会員の私である}。
に於いて、
(a)=(c) である。
然るに、
(15)
(a)すべてのzについて、zがxの、すなはちタゴール記念会員の私でないならば、zは理事長ではない。
(c)すべてのzについて、zが理事長であるならば、zはxの、すなはちタゴール記念会員の私である。
といふことは、要するに、
(a)私以外に、タゴール記念会の理事長はゐない。
(c)タゴール記念会の理事長は、私である。
といふことに、他ならない。
従って、
(14)(15)により、
(16)
(a)私以外に、タゴール記念会の理事長はゐない。
(c)タゴール記念会の理事長は、私である。
に於いて、
(a)=(c) である。
従って、
(16)により、
(17)
(Ⅱ)理事長は、私です。
(Ⅲ)私以外は、理事長ではない。
に於いて、
(Ⅱ)=(Ⅲ) である。
然るに、
(18)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念館は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念館」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
(17)(18)により、
(19)
これは主辞「タゴール記念館」を品評するという心持ちの文である。
か、どうかは別にして、いづれにせよ、
(Ⅰ)私理事長です。
(Ⅱ)理事長、私です。
(Ⅲ)私以外は、理事長ではない
に於いて、
(Ⅰ)=(Ⅱ)=(Ⅲ) である。
従って、
(19)により、
(20)
(Ⅰ)タゴール記念館は、私が理事長です。
(Ⅱ)タゴール記念館の、理事長は、私です。
(Ⅲ)タゴール記念館は、私以外に、理事長はいない。
に於いて、
(Ⅰ)=(Ⅱ)=(Ⅲ) である。
従って、
(11)(20)により、
(21)
(Ⅰ)タゴール記念会=象
(Ⅰ)      私=鼻
(Ⅰ)    理事長=長い
といふ「代入」を行ふと、
(Ⅰ)象は、鼻が長いです。
(Ⅱ)象で、長いのは、鼻です。
(Ⅲ)象は、鼻以外は、長くありません。
に於いて、
(Ⅰ)=(Ⅱ)=(Ⅲ) である。
然るに、
(22)
(Ⅰ)象は、鼻が長い。
(Ⅱ)象で、長いのは、鼻である。
(Ⅲ)象は、鼻以外は、長くない。
に於いて、
(Ⅰ)=(Ⅱ)=(Ⅲ) である以上、
(α)象は鼻が長い。然るに、
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
(γ)兎は象でない。
といふ「日本語」による「推論(三段論法)」は、「妥当(valid)」でなければ、ならない。
然るに、
(23)
(α)象は鼻が長い。
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。
(γ)兎は象でない。
といふ「日本語」は、
(α)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
(β)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。
(γ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「述語論理」、すなはち、
(α)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻でなく、尚且つ、長い。といふことはない}。
(β)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyはxの耳であって長く、すべてのzについて、zがxの耳ならば、zはxの鼻ではない}。
(γ)すべてのxについて{xが兎であるならば、xは象ではない。
といふ「述語論理」に、対応する。
然るに、
(24)
α      (α)象は鼻が長い。                        A
α      (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)} A
α      (〃)すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻でなく、尚且つ、長い。といふことはない。 A
 β     (β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。              A
 β     (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
 β     (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、あるyはxの耳であって長く、すべてのzについて、zがxの耳ならば、zはxの鼻ではない。 A
  3    (3)ある兎は象である。                      A
  3    (〃)∃x(兎x&象x)                      A
  3    (〃)あるxは兎であって象である。                 A
α      (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z)  αUE
 β     (5)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  αUE
   6   (6)   兎a&象a                       A
   6   (7)   兎a                          6&E
   6   (8)      象a                       6&E
α  6   (9)      ∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z)  47MPP
 β 6   (ア)      ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  58MPP
α  6   (イ)      ∃y(鼻ya&長y)               9&E
 β 6   (ウ)      ∃y(耳ya&長y)               ア&E
    エ  (エ)         鼻ba&長b                A
     オ (オ)         耳ba&長b                A
α  6   (カ)                 ~∃z(~鼻za&長z)  9&E
      キ(キ)                     ~鼻ba&長b   A
      キ(ク)                  ∃z(~鼻za&長z)  キEI
α  6  キ(ケ)                 ~∃z(~鼻za&長z)&
                            ∃z(~鼻za&長z)  カキ&I
α  6   (コ)                   ~(~鼻ba&長b)  キケRAA
α  6   (サ)                   ~~鼻ba∨~長b   コ、ド・モルガンの法則
α  6   (シ)                    ~鼻ba→~長b   サ含意の定義
 β 6   (ス)                  ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
 β 6   (セ)                     耳ba→~鼻ba  スUE
     オ (ソ)                     耳ba       オ&E
 β 6 オ (タ)                         ~鼻ba  セソMPP
αβ 6 オ (チ)                         ~長b   シタMPP
     オ (ツ)             長b                オ&
αβ 6 オ (テ)             長b&~長b            チツ&I
αβ 6 オ (ト)          ∃x(長x&~長x)           テEI
αβ 6   (ナ)          ∃x(長b&~長b)           ウオトEE
αβ3    (ニ)          ∃x(長b&~長b)           36ナEE
αβ     (ヌ)~∃x(兎x&象x)                     3ニRAA
αβ     (ネ)∀x~(兎x&象x)                     ヌ量化子の関係
αβ     (ノ)  ~(兎a&象a)                     ネUE
αβ     (ハ)  ~兎a∨~象a                      ノ、ド・モルガンの法則
αβ     (ヒ)   兎a→~象a                      ハ含意の定義
αβ     (γ)∀x(兎x→~象x)                     ヒUI
αβ     (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。   ヒUI
αβ     (〃)兎は象ではない。                       ヒUI

従って、
(23)(24)により、
(25)
(α)象は鼻が長い。然るに、
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
(γ)兎は象でない。
といふ「日本語」は、
(α)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。然るに、
(β)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。故に、
(γ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「述語論理」に、対応し、尚且つ、
(α)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。然るに、
(β)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。故に、
(γ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「推論(三段論法)」は、「述語論理(Predicate logic)」として、「妥当(Valid)」である。
従って、
(25)により、
(26)
(α)象は鼻が長い。然るに、
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
(γ)兎は象でない。
といふ「日本語」による「推論(三段論法)」を、「マチガイ」であると、しないのであれば、その一方で、
(α)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
(α)象は鼻が長い=すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻でなく、尚且つ、長い。といふことはない}。
といふ「等式」を、「否定」することは、出来ない。
従って、
(22)(26)により、
(27)
(Ⅰ)象は、鼻が長い。
(Ⅱ)象で、長いのは、鼻である。
(Ⅲ)象は、鼻以外は、長くない。
に於いて、
(Ⅰ)=(Ⅱ)=(Ⅲ)
といふ「等式」は、「日本語・述語論理」として、「正しい」。
従って、
(05)(27)により、
(28)
少なくとも、
(a)象は、鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(b)象は、鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「日本語」は、「述語論理的(Predicate logical)」であって「非論理的(Illogical)」ではない。
(29)
「英語」は、「論理的」であるとしても、「論理学的な言語」ではない。
(30)
「漢文や日本語」は、少なくとも、「英語」よりは、「論理学的」である。