(01)
練習問題2 つぎの論証の妥当性を示せ。
(d) 幾人かの少女はウィリアムが好きである。すべての少年はいかなる少女をも好きである。ウィリアムは少年である。故にウィリアムを好きであってそしてウィリアムによって好かれるある人が存在する。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英、1973年、174頁)
然るに、
(02)
第1に、固有名詞をつぎの符号のひとつとして定義する。
m,n,・・・・・
第2に、任意の名前をつぎの符号のひとつとして定義する。
a,b,c,・・・・・
第3に、個体変数をつぎの符号のひとつとして定義する。
x,y,z,・・・・・
第4に、述語文字をつぎの符号のひとつとして定義する。
F,G,H,・・・・・
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、176頁)
然るに、
(03)
「ウィリアム」は「固有名」である。
従って、
(02)(03)により、
(04)
Fx =xは少女である。
Hxm=xはmを好む。
Gm =ウィリアムは少年である。
ものの、ここでは、
少女x=xは少女である。
好xm=xはmを好む。
少年m=ウィリアムは少年である。
とする。
従って、
(01)(04)により、
(05)
解答(d)
1 (1)∃x(少女x&好xm) A
2 (2)∀y{少年y→∀x(少女x→好yx)} A
3 (3) 少年m A
4(4) 少女a&好am A
2 (5) 少年m→∀x(少女x→好mx) 2UE
2 (6) 少年m→ 少女a→好ma 5UE
23 (7) 少女a→好ma 36MPP
234(8) 少女a 4&E
234(9) 好ma 78MPP
4(ア) 好am 4&E
234(イ) 好am&好ma 9ア&I
234(ウ) ∃x(好xm&好mx) イEI
123 (エ) ∃x(好xm&好mx) 14ウEE
123 (〃)あるxはm(ウィリアム)が好きであってm(ウィリアム)もそのxを好いてゐる。
123 (〃)ウィリアム(m)を好きであってそしてウィリアム(m)によって好かれるある人が存在する。
といふ「解答」は、「正しい」。
cf.
ただし、「E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、」には「練習問題(ranging from the simple to the challenging)」の「解答」が載ってゐないので、「解答」は、「私の解答」です。
然るに、
(06)
伝統的な論理学では、「である」を主語と述語を結びつける語と解釈すると共に、それが存在を現わす「がある・ゐる」の意味も同時にもっているところから、「である」も「がある・ゐる」も共に、より根本的な存在の二つのあり方であると、解釈する。
(沢田充茂、現代論理学入門、1962年、114頁改)
従って、
(06)により、
(07)
∃y(ウィリアムy&少年y)=ウィリアムは少年である。
∃y(ウィリアムy&少年y)=ウィリアムといふ少年がゐる。
∃y(ウィリアムy&少年y)=あるyはウィリアムであって少年である。
従って、
(01)(07)により、
(08)
解答(d)
1 (1)∃x∃y(少女x&ウィリアムy&好xy) A
2 (2) ∃y(少女a&ウィリアムy&好ay) A
3 (3) 少女a&ウィリアムb&好ab A
3 (4) 少女a 3UE
3 (5) ウィリアムb 3UE
3 (6) 好ab 3UE
7 (7)∀y{少年y→∀x(少女x→好yx)} A
7 (8) 少年b→∀x(少女x→好bx) 4UE
9 (9) ∃y(ウィリアムy&少年y) A
ア(ア) ウィリアムb&少年b A
ア(イ) 少年b アUE
7 ア(ウ) ∀x(少女x→好bx) 8イMPP
7 ア(エ) 少女a→好ba ウUE
37 ア(オ) 好ba 4エMPP
37 ア(カ) 好ab&好ba 6オ&I
37 ア(キ) ウィリアムb&好ab&好ba 7カ&I
37 ア(ク)少女a&ウィリアムb&好ab&好ba 4キ&I
37 ア(ケ)∃y(少女a&ウィリアムy&好ay&好ya) クEI
37 ア(コ)∃x∃y(少女x&ウィリアムy&好xy&好yx) ケエイ
379 (サ)∃x∃y(少女x&ウィリアムy&好xy&好yx) 9アコEE
2 79 (シ)∃x∃y(少女x&ウィリアムy&好xy&好yx) 23サEE
1 79 (ス)∃x∃y(少女x&ウィリアムy&好xy&好yx) 129EE
1 79 (〃)あるxは少女であって、あるyはウィリアムであって、xはyが好きであり、yもxが好きである。
1 79 (〃)ある少女はウィリアムが好きであり、ウィリアムもその少女が好きである。
といふ「解答」も、「正しい」。
cf.
このテキストを使って効果を挙げるためには、かなり沢山与えてある練習問題を、労を惜しまずに自分で解いてみるのが一番の近道である(E.J.レモン 著、論理学初歩、訳者あとがき)。
従って、
(01)~(08)により、
(09)
少なくとも、
(d) 幾人かの少女はウィリアムが好きである。すべての少年はいかなる少女をも好きである。ウィリアムは少年である。故にウィリアムを好きであってそしてウィリアムによって好かれるある人が存在する。
といふ「論証」を行ふ際には、
第1に、有名詞をつぎの符号のひとつとして定義する。
m,n,・・・・・
第2に、任意の名前をつぎの符号のひとつとして定義する。
a,b,c,・・・・・
第3に、個体変数をつぎの符号のひとつとして定義する。
x,y,z,・・・・・
第4に、述語文字をつぎの符号のひとつとして定義する。
に於ける、
第1に、有名詞をつぎの符号のひとつとして定義する。
m,n,・・・・・
といふ「第一の、定義」は、不要である。
練習問題2 つぎの論証の妥当性を示せ。
(d) 幾人かの少女はウィリアムが好きである。すべての少年はいかなる少女をも好きである。ウィリアムは少年である。故にウィリアムを好きであってそしてウィリアムによって好かれるある人が存在する。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英、1973年、174頁)
然るに、
(02)
第1に、固有名詞をつぎの符号のひとつとして定義する。
m,n,・・・・・
第2に、任意の名前をつぎの符号のひとつとして定義する。
a,b,c,・・・・・
第3に、個体変数をつぎの符号のひとつとして定義する。
x,y,z,・・・・・
第4に、述語文字をつぎの符号のひとつとして定義する。
F,G,H,・・・・・
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、176頁)
然るに、
(03)
「ウィリアム」は「固有名」である。
従って、
(02)(03)により、
(04)
Fx =xは少女である。
Hxm=xはmを好む。
Gm =ウィリアムは少年である。
ものの、ここでは、
少女x=xは少女である。
好xm=xはmを好む。
少年m=ウィリアムは少年である。
とする。
従って、
(01)(04)により、
(05)
解答(d)
1 (1)∃x(少女x&好xm) A
2 (2)∀y{少年y→∀x(少女x→好yx)} A
3 (3) 少年m A
4(4) 少女a&好am A
2 (5) 少年m→∀x(少女x→好mx) 2UE
2 (6) 少年m→ 少女a→好ma 5UE
23 (7) 少女a→好ma 36MPP
234(8) 少女a 4&E
234(9) 好ma 78MPP
4(ア) 好am 4&E
234(イ) 好am&好ma 9ア&I
234(ウ) ∃x(好xm&好mx) イEI
123 (エ) ∃x(好xm&好mx) 14ウEE
123 (〃)あるxはm(ウィリアム)が好きであってm(ウィリアム)もそのxを好いてゐる。
123 (〃)ウィリアム(m)を好きであってそしてウィリアム(m)によって好かれるある人が存在する。
といふ「解答」は、「正しい」。
cf.
ただし、「E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、」には「練習問題(ranging from the simple to the challenging)」の「解答」が載ってゐないので、「解答」は、「私の解答」です。
然るに、
(06)
伝統的な論理学では、「である」を主語と述語を結びつける語と解釈すると共に、それが存在を現わす「がある・ゐる」の意味も同時にもっているところから、「である」も「がある・ゐる」も共に、より根本的な存在の二つのあり方であると、解釈する。
(沢田充茂、現代論理学入門、1962年、114頁改)
従って、
(06)により、
(07)
∃y(ウィリアムy&少年y)=ウィリアムは少年である。
∃y(ウィリアムy&少年y)=ウィリアムといふ少年がゐる。
∃y(ウィリアムy&少年y)=あるyはウィリアムであって少年である。
従って、
(01)(07)により、
(08)
解答(d)
1 (1)∃x∃y(少女x&ウィリアムy&好xy) A
2 (2) ∃y(少女a&ウィリアムy&好ay) A
3 (3) 少女a&ウィリアムb&好ab A
3 (4) 少女a 3UE
3 (5) ウィリアムb 3UE
3 (6) 好ab 3UE
7 (7)∀y{少年y→∀x(少女x→好yx)} A
7 (8) 少年b→∀x(少女x→好bx) 4UE
9 (9) ∃y(ウィリアムy&少年y) A
ア(ア) ウィリアムb&少年b A
ア(イ) 少年b アUE
7 ア(ウ) ∀x(少女x→好bx) 8イMPP
7 ア(エ) 少女a→好ba ウUE
37 ア(オ) 好ba 4エMPP
37 ア(カ) 好ab&好ba 6オ&I
37 ア(キ) ウィリアムb&好ab&好ba 7カ&I
37 ア(ク)少女a&ウィリアムb&好ab&好ba 4キ&I
37 ア(ケ)∃y(少女a&ウィリアムy&好ay&好ya) クEI
37 ア(コ)∃x∃y(少女x&ウィリアムy&好xy&好yx) ケエイ
379 (サ)∃x∃y(少女x&ウィリアムy&好xy&好yx) 9アコEE
2 79 (シ)∃x∃y(少女x&ウィリアムy&好xy&好yx) 23サEE
1 79 (ス)∃x∃y(少女x&ウィリアムy&好xy&好yx) 129EE
1 79 (〃)あるxは少女であって、あるyはウィリアムであって、xはyが好きであり、yもxが好きである。
1 79 (〃)ある少女はウィリアムが好きであり、ウィリアムもその少女が好きである。
といふ「解答」も、「正しい」。
cf.
このテキストを使って効果を挙げるためには、かなり沢山与えてある練習問題を、労を惜しまずに自分で解いてみるのが一番の近道である(E.J.レモン 著、論理学初歩、訳者あとがき)。
従って、
(01)~(08)により、
(09)
少なくとも、
(d) 幾人かの少女はウィリアムが好きである。すべての少年はいかなる少女をも好きである。ウィリアムは少年である。故にウィリアムを好きであってそしてウィリアムによって好かれるある人が存在する。
といふ「論証」を行ふ際には、
第1に、有名詞をつぎの符号のひとつとして定義する。
m,n,・・・・・
第2に、任意の名前をつぎの符号のひとつとして定義する。
a,b,c,・・・・・
第3に、個体変数をつぎの符号のひとつとして定義する。
x,y,z,・・・・・
第4に、述語文字をつぎの符号のひとつとして定義する。
に於ける、
第1に、有名詞をつぎの符号のひとつとして定義する。
m,n,・・・・・
といふ「第一の、定義」は、不要である。