(01)
1 (1)∀x{(数学x∨英語x)←→理学部x} A
2 (2)∃x(理学部x&~英語x) A
1 (3) (数学a∨英語a)←→理学部a 1UE
1 (4)理学部a→(数学a∨英語a)&
(数学a∨英語a)→理学部a 3Df.←→
1 (5) 理学部a→(数学a∨英語a) 4&E
6(6) 理学部a&~英語a A
6(7) 理学部a 6&E
1 6(8) 数学a∨英語a 57MPP
1 6(9) 英語a∨数学a 8交換の法則
1 6(ア) ~~英語a∨数学a 9DN
1 6(イ) ~英語a→数学a ア含意の定義
6(ウ) ~英語a 6&E
1 6(エ) 数学a イウMPP
1 6(オ) 数学a&~英語a ウエ&I
1 6(カ) ∃x(数学x&~英語x) オEI
12 (キ) ∃x(数学x&~英語x) 26カEE
12 (〃)ある人は、数学はできるが、英語はできない。
12 (ク) ~~∃x(数学x&~英語x) キDN
12 (ケ) ~∀x~(数学x&~英語x) ク量化子の関係
12 (コ) ~∀x(~数学x∨~~英語x) ケ、ド・モルガンの法則
12 (サ) ~∀x(~数学x∨ 英語x) コDN
12 (シ) ~∀x(数学x→ 英語x) サ含意の定義
12 (〃)誰もが、数学ができるならば、英語もできる。といふわけではない。
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x{(数学x∨英語x)←→理学部x}。然るに、
② ∃x(理学部x&~英語x)。従って、
③ ~∀x(数学x→ 英語x)。
といふ「推論」は「正しい」。
従って、
(02)により、
(03)
① ∀x{(数学x∨英語x)←→理学部x}。然るに、
② ∃x(理学部x&~英語x)。従って、
③ ~∀x(数学x→ 英語x)。
といふ「推論」、すなはち、
①「すべてのxについて、xが数学ができるか、xが英語ができるならば、そのときに限ってxは理学部である。」然るに、
②「あるxは理学部であって、英語ができない。」従って、
③「すべてのxについて、xが数学ができるならば、xは英語ができる。といふわけではない。」
といふ「推論」は「正しい」。
従って、
(03)により、
(04)
①「すべてのxについて、xが数学ができるか、xが英語ができるならば、そのときに限ってxは理学部である。」然るに、
②「あるxは理学部であって、英語ができない。」従って、
③「すべてのxについて、xが数学ができるならば、xは英語ができる。といふわけではない。」
といふ「推論」、すなはち、
①「数学か英語ができるならば、そのときに限って、全員が理学部である。」然るに、
②「理学部であるが、英語ができない人がゐる。」従って、
③「誰もが、数学ができるならば、英語もできる。といふわけではない。」
といふ「推論」は「正しい」。
然るに、
(05)
①「数学か英語ができるのは、理学部の学生だけだ。」
といふことは、
①「数学か英語ができるならば、全員が理学部の学生だ。」
といふことである。
従って、
(05)により、
(06)
①「数学か英語ができるのは、理学部の学生だけだ。」然るに、
②「理学部であるが、英語ができない人がゐる。」 従って、
③「誰もが、数学ができるならば、英語もできる。といふわけではない。」
といふ「推論」は、
①「数学か英語ができるならば、そのときに限って、全員が理学部である。」然るに、
②「理学部であるが、英語ができない人がゐる。」従って、
③「誰もが、数学ができるならば、英語もできる。といふわけではない。」
といふ「推論」に、相当する。
然るに、
(07)
①「数学か英語ができるならば、そのときに限って、全員が理学部である。」然るに、
②「理学部であるが、英語ができない人がゐる。」従って、
③「誰もが、数学ができるならば、英語もできる。といふわけではない。」
といふ「推論」は、
① ∀x{(数学x∨英語x)←→理学部x}。然るに、
② ∃x(理学部x&~英語x)。従って、
③ ~∀x(数学x→ 英語x)。
といふ「推論」ではなく、
① ∀x{(数学x∨英語x)→理学部x}。然るに、
② ∃x(理学部x&~英語x)。従って、
③ ~∀x(数学x→ 英語x)。
といふ「推論」に、相当する。
然るに、
(08)
① A=2+3 然るに、
② B=A×2 従って、
③ B=10
といふ「計算」は、「正しく」、
その一方で、
① A=2×3 然るに、
② B=A×2 従って、
③ B=10
といふ「計算」は、「正しくない」。
cf.
{(2+3)×2=5×2=10}=10
{(2×3)×2=6×2=12}≠10
然るに、
(09)
この書物の目的は、学生に「命題計算」と「述語計算」の有効な知識を与えることである。ある計算に同意しないことだけではだめなのである。同意しないのなら、どこが間違っているのかが、言われなければならないのである。
(E.J.レモン 著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英、1973年、序文・50頁改)
従って、
(07)(08)(09)により、
(10)
① A=2×3 然るに、
② B=A×2 従って、
③ B=10
といふ「計算」が、「正しくない」やうに、
① ∀x{(数学x∨英語x)→理学部x}。然るに、
② ∃x(理学部x&~英語x)。従って、
③ ~∀x(数学x→ 英語x)。
といふ「計算」は、「正しくない」。
従って、
(02)(04)(06)(10)により、
(11)
① A=2×3 然るに、
② B=A×2 従って、
③ B=10
といふ「計算」が、「正しくない」やうに、
①「数学か英語ができるのは、理学部の学生だけだ。」然るに、
②「理学部であるが、英語ができない人がゐる。」 従って、
③「誰もが、数学ができるならば、英語もできる。といふわけではない。」
といふ「推論」は、「正しくない」。
従って、
(11)により、
(12)
①「数学か英語ができるのは、理学部の学生だけだ。」然るに、
②「理学部であるが、英語ができない人がゐる。」 従って、
③「誰もが、数学ができるならば、英語もできる。といふわけではない。」
といふ「推論」は、「正しくない」のは、実際には、
① A=2×3 然るに、
② B=A×2 従って、
③ B=10
といふ「計算」は、「正しくない」にも拘らず、
① A=2×3 を、
① A=2+3 と、「読み違へ」て、
③ B=(2+3)×2=5×2=10
といふ「計算マチガイ」をしてゐる場合に、「譬へる」ことが、出来る。
平成30年08月11日、毛利太。
1 (1)∀x{(数学x∨英語x)←→理学部x} A
2 (2)∃x(理学部x&~英語x) A
1 (3) (数学a∨英語a)←→理学部a 1UE
1 (4)理学部a→(数学a∨英語a)&
(数学a∨英語a)→理学部a 3Df.←→
1 (5) 理学部a→(数学a∨英語a) 4&E
6(6) 理学部a&~英語a A
6(7) 理学部a 6&E
1 6(8) 数学a∨英語a 57MPP
1 6(9) 英語a∨数学a 8交換の法則
1 6(ア) ~~英語a∨数学a 9DN
1 6(イ) ~英語a→数学a ア含意の定義
6(ウ) ~英語a 6&E
1 6(エ) 数学a イウMPP
1 6(オ) 数学a&~英語a ウエ&I
1 6(カ) ∃x(数学x&~英語x) オEI
12 (キ) ∃x(数学x&~英語x) 26カEE
12 (〃)ある人は、数学はできるが、英語はできない。
12 (ク) ~~∃x(数学x&~英語x) キDN
12 (ケ) ~∀x~(数学x&~英語x) ク量化子の関係
12 (コ) ~∀x(~数学x∨~~英語x) ケ、ド・モルガンの法則
12 (サ) ~∀x(~数学x∨ 英語x) コDN
12 (シ) ~∀x(数学x→ 英語x) サ含意の定義
12 (〃)誰もが、数学ができるならば、英語もできる。といふわけではない。
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x{(数学x∨英語x)←→理学部x}。然るに、
② ∃x(理学部x&~英語x)。従って、
③ ~∀x(数学x→ 英語x)。
といふ「推論」は「正しい」。
従って、
(02)により、
(03)
① ∀x{(数学x∨英語x)←→理学部x}。然るに、
② ∃x(理学部x&~英語x)。従って、
③ ~∀x(数学x→ 英語x)。
といふ「推論」、すなはち、
①「すべてのxについて、xが数学ができるか、xが英語ができるならば、そのときに限ってxは理学部である。」然るに、
②「あるxは理学部であって、英語ができない。」従って、
③「すべてのxについて、xが数学ができるならば、xは英語ができる。といふわけではない。」
といふ「推論」は「正しい」。
従って、
(03)により、
(04)
①「すべてのxについて、xが数学ができるか、xが英語ができるならば、そのときに限ってxは理学部である。」然るに、
②「あるxは理学部であって、英語ができない。」従って、
③「すべてのxについて、xが数学ができるならば、xは英語ができる。といふわけではない。」
といふ「推論」、すなはち、
①「数学か英語ができるならば、そのときに限って、全員が理学部である。」然るに、
②「理学部であるが、英語ができない人がゐる。」従って、
③「誰もが、数学ができるならば、英語もできる。といふわけではない。」
といふ「推論」は「正しい」。
然るに、
(05)
①「数学か英語ができるのは、理学部の学生だけだ。」
といふことは、
①「数学か英語ができるならば、全員が理学部の学生だ。」
といふことである。
従って、
(05)により、
(06)
①「数学か英語ができるのは、理学部の学生だけだ。」然るに、
②「理学部であるが、英語ができない人がゐる。」 従って、
③「誰もが、数学ができるならば、英語もできる。といふわけではない。」
といふ「推論」は、
①「数学か英語ができるならば、
②「理学部であるが、英語ができない人がゐる。」従って、
③「誰もが、数学ができるならば、英語もできる。といふわけではない。」
といふ「推論」に、相当する。
然るに、
(07)
①「数学か英語ができるならば、
②「理学部であるが、英語ができない人がゐる。」従って、
③「誰もが、数学ができるならば、英語もできる。といふわけではない。」
といふ「推論」は、
① ∀x{(数学x∨英語x)←→理学部x}。然るに、
② ∃x(理学部x&~英語x)。従って、
③ ~∀x(数学x→ 英語x)。
といふ「推論」ではなく、
① ∀x{(数学x∨英語x)→理学部x}。然るに、
② ∃x(理学部x&~英語x)。従って、
③ ~∀x(数学x→ 英語x)。
といふ「推論」に、相当する。
然るに、
(08)
① A=2+3 然るに、
② B=A×2 従って、
③ B=10
といふ「計算」は、「正しく」、
その一方で、
① A=2×3 然るに、
② B=A×2 従って、
③ B=10
といふ「計算」は、「正しくない」。
cf.
{(2+3)×2=5×2=10}=10
{(2×3)×2=6×2=12}≠10
然るに、
(09)
この書物の目的は、学生に「命題計算」と「述語計算」の有効な知識を与えることである。ある計算に同意しないことだけではだめなのである。同意しないのなら、どこが間違っているのかが、言われなければならないのである。
(E.J.レモン 著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英、1973年、序文・50頁改)
従って、
(07)(08)(09)により、
(10)
① A=2×3 然るに、
② B=A×2 従って、
③ B=10
といふ「計算」が、「正しくない」やうに、
① ∀x{(数学x∨英語x)→理学部x}。然るに、
② ∃x(理学部x&~英語x)。従って、
③ ~∀x(数学x→ 英語x)。
といふ「計算」は、「正しくない」。
従って、
(02)(04)(06)(10)により、
(11)
① A=2×3 然るに、
② B=A×2 従って、
③ B=10
といふ「計算」が、「正しくない」やうに、
①「数学か英語ができるのは、理学部の学生だけだ。」然るに、
②「理学部であるが、英語ができない人がゐる。」 従って、
③「誰もが、数学ができるならば、英語もできる。といふわけではない。」
といふ「推論」は、「正しくない」。
従って、
(11)により、
(12)
①「数学か英語ができるのは、理学部の学生だけだ。」然るに、
②「理学部であるが、英語ができない人がゐる。」 従って、
③「誰もが、数学ができるならば、英語もできる。といふわけではない。」
といふ「推論」は、「正しくない」のは、実際には、
① A=2×3 然るに、
② B=A×2 従って、
③ B=10
といふ「計算」は、「正しくない」にも拘らず、
① A=2×3 を、
① A=2+3 と、「読み違へ」て、
③ B=(2+3)×2=5×2=10
といふ「計算マチガイ」をしてゐる場合に、「譬へる」ことが、出来る。
平成30年08月11日、毛利太。