日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(72)「昨日の記事」を補足します。

2018-08-11 16:25:31 | 論理
(01)
1  (1)∀x{(数学x∨英語x)←→理学部x} A
 2 (2)∃x(理学部x&~英語x)       A
1  (3)   (数学a∨英語a)←→理学部a  1UE
1  (4)理学部a→(数学a∨英語a)&
           (数学a∨英語a)→理学部a 3Df.←→
1  (5)   理学部a→(数学a∨英語a)   4&E
  6(6)   理学部a&~英語a        A
  6(7)   理学部a             6&E
1 6(8)         数学a∨英語a    57MPP
1 6(9)         英語a∨数学a    8交換の法則
1 6(ア)       ~~英語a∨数学a    9DN
1 6(イ)        ~英語a→数学a    ア含意の定義
  6(ウ)        ~英語a         6&E
1 6(エ)             数学a    イウMPP
1 6(オ)        数学a&~英語a    ウエ&I
1 6(カ)     ∃x(数学x&~英語x)   オEI
12 (キ)     ∃x(数学x&~英語x)   26カEE
12 (〃)ある人は、数学はできるが、英語はできない。
12 (ク)   ~~∃x(数学x&~英語x)   キDN
12 (ケ)   ~∀x~(数学x&~英語x)   ク量化子の関係
12 (コ)   ~∀x(~数学x∨~~英語x)  ケ、ド・モルガンの法則
12 (サ)   ~∀x(~数学x∨ 英語x)   コDN
12 (シ)    ~∀x(数学x→ 英語x)   サ含意の定義
12 (〃)誰もが、数学ができるならば、英語もできる。といふわけではない。
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x{(数学x∨英語x)←→理学部x}。然るに、
② ∃x(理学部x&~英語x)。従って、
③ ~∀x(数学x→ 英語x)。
といふ「推論」は「正しい」。
従って、
(02)により、
(03)
① ∀x{(数学x∨英語x)←→理学部x}。然るに、
② ∃x(理学部x&~英語x)。従って、
③ ~∀x(数学x→ 英語x)。
といふ「推論」、すなはち、
①「すべてのxについて、xが数学ができるか、xが英語ができるならば、そのときに限ってxは理学部である。」然るに、
②「あるxは理学部であって、英語ができない。」従って、
③「すべてのxについて、xが数学ができるならば、xは英語ができる。といふわけではない。」
といふ「推論」は「正しい」。
従って、
(03)により、
(04)
①「すべてのxについて、xが数学ができるか、xが英語ができるならば、そのときに限ってxは理学部である。」然るに、
②「あるxは理学部であって、英語ができない。」従って、
③「すべてのxについて、xが数学ができるならば、xは英語ができる。といふわけではない。」
といふ「推論」、すなはち、
①「数学か英語ができるならば、そのときに限って、全員が理学部である。」然るに、
②「理学部であるが、英語ができない人がゐる。」従って、
③「誰もが、数学ができるならば、英語もできる。といふわけではない。」
といふ「推論」は「正しい」。
然るに、
(05)
①「数学か英語ができるのは、理学部の学生だけだ。」
といふことは、
①「数学か英語ができるならば、全員が理学部の学生だ。」
といふことである。
従って、
(05)により、
(06)
①「数学か英語ができるのは、理学部の学生だけだ。」然るに、
②「理学部であるが、英語ができない人がゐる。」 従って、
③「誰もが、数学ができるならば、英語もできる。といふわけではない。」
といふ「推論」は、
①「数学か英語ができるならば、そのときに限って、全員が理学部である。」然るに、
②「理学部であるが、英語ができない人がゐる。」従って、
③「誰もが、数学ができるならば、英語もできる。といふわけではない。」
といふ「推論」に、相当する。
然るに、
(07)
①「数学か英語ができるならば、そのときに限って、全員が理学部である。」然るに、
②「理学部であるが、英語ができない人がゐる。」従って、
③「誰もが、数学ができるならば、英語もできる。といふわけではない。」
といふ「推論」は、
① ∀x{(数学x∨英語x)←→理学部x}。然るに、
② ∃x(理学部x&~英語x)。従って、
③ ~∀x(数学x→ 英語x)。
といふ「推論」ではなく、
① ∀x{(数学x∨英語x)→理学部x}。然るに、
② ∃x(理学部x&~英語x)。従って、
③ ~∀x(数学x→ 英語x)。
といふ「推論」に、相当する。
然るに、
(08)
① A=2+3 然るに、
② B=A×2 従って、
③ B=10
といふ「計算」は、「正しく」、
その一方で、
① A=2×3 然るに、
② B=A×2 従って、
③ B=10
といふ「計算」は、「正しくない」。
cf.
{(2+3)×2=5×2=10}=10
{(2×3)×2=6×2=12}10
然るに、
(09)
この書物の目的は、学生に「命題計算」と「述語計算」の有効な知識を与えることである。ある計算に同意しないことだけではだめなのである。同意しないのなら、どこが間違っているのかが、言われなければならないのである。
(E.J.レモン 著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英、1973年、序文・50頁改)
従って、
(07)(08)(09)により、
(10)
① A=2×3 然るに、
② B=A×2 従って、
③ B=10
といふ「計算」が、「正しくない」やうに、
① ∀x{(数学x∨英語x)→理学部x}。然るに、
② ∃x(理学部x&~英語x)。従って、
③ ~∀x(数学x→ 英語x)。
といふ「計算」は、「正しくない」。
従って、
(02)(04)(06)(10)により、
(11)
① A=2×3 然るに、
② B=A×2 従って、
③ B=10
といふ「計算」が、「正しくない」やうに、
①「数学か英語ができるのは、理学部の学生だけだ。」然るに、
②「理学部であるが、英語ができない人がゐる。」 従って、
③「誰もが、数学ができるならば、英語もできる。といふわけではない。」
といふ「推論」は、「正しくない」。
従って、
(11)により、
(12)
①「数学か英語ができるのは、理学部の学生だけだ。」然るに、
②「理学部であるが、英語ができない人がゐる。」 従って、
③「誰もが、数学ができるならば、英語もできる。といふわけではない。」
といふ「推論」は、「正しくない」のは、実際には、
① A=2×3 然るに、
② B=A×2 従って、
③ B=10
といふ「計算」は、「正しくない」にも拘らず、
① A=2×3 を、
① A=2+3 と、「読み違へ」て、
③ B=(2+3)×2=5×2=10
といふ「計算マチガイ」をしてゐる場合に、「譬へる」ことが、出来る。
平成30年08月11日、毛利太。