日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(71)「論理学」の「難問(と解答)」です。

2018-08-10 18:18:57 | 論理
(01)
〔問題〕
①「国語か英語ができるのは文学部の学生だけだ。」 然るに、
②「文学部の学生のなかに英語ができない者がいる。」従って、
③「国語ができるものはみんな英語ができる。というわけではない。」
といふ「推論」は、『間違ひ』であるが、その「理由」を述べよ。
(昭和堂、論理学の基礎、1994年、148頁改)
(02)
①「国語か英語ができるのは文学部の学生だけだ。」   といふことは、
①「国語か英語ができるのは文学部の学生以外ではない。」といふことである。
然るに、
(03)
①「国語か英語ができるのは文学部の学生以外ではない。」といふことは、
①「国語か英語ができるのはみんな文学部の学生である。」といふことである。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
①「国語か英語ができるのは文学部の学生だけだ。」 然るに、
②「文学部の学生のなかに英語ができない者がいる。」従って、
③「国語ができるものはみんな英語ができる。というわけではない。」
といふ「推論」は、
①「国語か英語ができるのはみんな文学部の学生だ。」然るに、
②「文学部の学生のなかに英語ができない者がいる。」従って、
③「国語ができるものはみんな英語ができる。というわけではない。」
といふ「推論」に等しい。
然るに、
(05)
1  (1)∀x{(国語x∨英語x)←→文学部x} A
 2 (2)∃x(文学部x&~英語x)       A
1  (3)   (国語a∨英語a)←→文学部a  1UE
1  (4)文学部a→(国語a∨英語a)&
           (国語a∨英語a)→文学部a 3Df.←→
1  (5)   文学部a→(国語a∨英語a)   4&E
  6(6)   文学部a&~英語a        A
  6(7)   文学部a             6&E
1 6(8)         国語a∨英語a    57MPP
1 6(9)         英語a∨国語a    8交換の法則
1 6(ア)       ~~英語a∨国語a    9DN
1 6(イ)        ~英語a→国語a    ア含意の定義
  6(ウ)        ~英語a        6&E
1 6(エ)             国語a    イウMPP
1 6(オ)        国語a&~英語a    ウエ&I
1 6(カ)     ∃x(国語x&~英語x)   オEI
12 (キ)     ∃x(国語x&~英語x)   26カEE
12 (〃)あるxは国語はできるが、英語ができない。
12 (〃)国語ができるものはみんな英語ができる。というわけではない。
従って、
(05)により、
(06)
1  (1)∀x{(国語x∨英語x)←→文学部x} A
 2 (2)∃x(文学部x&~英語)        A
といふ「仮定」により、
12 (キ)     ∃x(国語x&~英語x)   26カEE
12 (〃)あるxは国語はできるが、英語ができない。
12 (〃)国語ができるものはみんな英語ができる。というわけではない。
といふ「結論」を、得ることが、出来る。
従って、
(05)(06)により、
(07)
1  (1)∀x{(国語x∨英語x)←→文学部x} A
といふ「仮定」ではなく、
1  (1)∀x{(国語x∨英語x)→ 文学部x} A  
といふ「仮定」からは、
12 (キ)     ∃x(国語x&~英語x)   26カEE
12 (〃)あるxは国語はできるが、英語ができない。
12 (〃)国語ができるものはみんな英語ができる。というわけではない。
といふ「結論」を、得ることは、「計算マチガイ」であるため、出来ない。
然るに、
(08)
1  (1)∀x{(国語x∨英語x)←→文学部x} A
1  (1)∀x{(国語x∨英語x)→ 文学部x} A 
といふ「論理式」は、それぞれ、
①「すべてのxについて、xが国語ができるか、xが英語ができるならば、そのときに限ってxは文学部である。」
①「すべてのxについて、xが国語ができるか、xが英語ができるならば、xは文学部である。」
といふ「意味」である。
然るに、
(09)
①「すべてのxについて、xが国語ができるか、xが英語ができるならば、そのときに限ってxは文学部である。」
①「すべてのxについて、xが国語ができるか、xが英語ができるならば、xは文学部である。」
といふことは、それぞれ、
①「国語か英語ができるならば、そのときに限ってみんな文学部の学生だ。」
①「国語か英語ができるのはみんな文学部の学生だ。」
といふことである。
従って、
(02)(03)(09)により、
(10)
①「すべてのxについて、xが国語ができるか、xが英語ができるならば、xは文学部である。」
といふことは、
①「国語か英語ができるのは文学部の学生だけだ。」
といふことである。
従って、
(04)(08)(10)により、
(11)
①「国語か英語ができるのは文学部の学生だけだ。」 然るに、
②「文学部の学生のなかに英語ができない者がいる。」従って、
③「国語ができるものはみんな英語ができる。というわけではない。」
といふ「推論」に於ける、
①「国語か英語ができるのは文学部の学生だけだ。」
といふ「仮定」は、
1  (1)∀x{(国語x∨英語x)←→文学部x} A
といふ「仮定」ではなく、
1  (1)∀x{(国語x∨英語x)→ 文学部x} A  
といふ「仮定」に、「等しい」
従って、
(07)(11)により、
(12)
① ∀x{(国語x∨英語x)→ 文学部x}=
①「国語か英語ができるのは文学部の学生だけだ。」
といふ「仮定」からは、
12 (キ)     ∃x(国語x&~英語x)   26カEE
12 (〃)あるxは国語はできるが、英語ができない。
12 (〃)国語ができるものはみんな英語ができる。というわけではない。
といふ「結論」を、得ることは、「計算マチガイ」であるため、出来ない。
従って、
(01)(12)により、
(13)
①「国語か英語ができるのは文学部の学生だけだ。」 然るに、
②「文学部の学生のなかに英語ができない者がいる。」従って、
③「国語ができるものはみんな英語ができる。というわけではない。」
といふ「推論」は、『間違ひ』である。
すなはち、
(14)
①「∀x{(国語x∨英語x)→ 文学部x}。」  然るに、
②「文学部の学生のなかに英語ができない者がいる。」従って、
③「国語ができるものはみんな英語ができる。というわけではない。」
といふ「推論」は、『間違ひ』である。
然るに、
(06)により、
(15)
①「∀x{(国語x∨英語x)←→文学部x}。」  然るに。
②「文学部の学生のなかに英語ができない者がいる。」従って、
③「国語ができるものはみんな英語ができる。というわけではない。」
といふ「推論」の場合は、『間違ひ』ではない
従って、
(08)(09)(15)により、
(16)
①「国語か英語ができるならば、そのときに限ってみんな文学部の学生だ。」然るに、
②「文学部の学生のなかに英語ができない者がいる。」          従って、
③「国語ができるものはみんな英語ができる。というわけではない。」
といふ「推論」は、『間違ひ』ではない
(17)
①「国語か英語ができるならば、そのときに限ってみんな文学部の学生だ。」といふのであれば、
①「文学部の学生であるならば、国語英語ができる。」といふことになる。
然るに、
(18)
①「文学部の学生であるならば、英語国語ができる。」として、
②「文学部の学生のなかに、  英語ができない者がいる。」のであれば、
③「文学部の学生のなかには、 国語ができて英語ができないものがいる。」
然るに、
(19)
③「文学部の学生のなかには、 国語ができて英語ができないものがいる。」といふのであれば、
③「国語ができるものはみんな英語ができる。というわけではない。」   といふことになる。