日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(14)「明日は物忌みなるを(蜻蛉日記)」の「は」について。

2018-03-23 10:39:32 | 「は」と「が」
(01)
[訳]明日は物忌みなるを、門強く鎖せよ。
[訳]明日は物忌みなので、門をしっかり閉めなさい。
(中村菊一、基礎からわかる古典文法、1978年、170・171頁)
従って、
(01)により、
(02)
① 明日物忌みなるを(平時代)、 
② 明日物忌みなので(平時代)、
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
A=明日は物忌みである。
B=門をしっかり閉める。
であるとする。
従って、
(03)により、
(04)
①   A& B =明日物忌みなので、門をしっかり閉める。
② ~(A→~B)=明日物忌みならば、門をしっかり閉めない。といふことはない。
である。
然るに、
(05)
(a)
1   (1)   A& B          仮定
 2  (2)  ~A∨~B          仮定
  3 (3)  ~A             仮定
1   (4)   A             1&除去
1 3 (5)  ~A& A          34&導入
  3 (6) ~(A& B)         15背理法
   7(7)     ~B          仮定
1   (8)      B          1&除去
1  7(9)  ~B& B          78&導入
   7(ア) ~(A& B)         19背理法
 2  (イ) ~(A& B)         2367ア∨除去
12  (ウ)  (A& B)&~(A& B) 1イ&導入
1   (エ)~(~A∨~B)         2ウ背理法
(b)
 1  (1)~(~A∨~B)         仮定
  2 (2)  ~A             仮定
  2 (3)  ~A∨~B          2∨導入
 12 (4)~(~A∨~B)&(~A∨~B) 13&導入
 1  (5) ~~A             24背理法
 1  (6)   A             5二重否定
   7(7)     ~B          仮定
   7(8)  ~A∨~B          7∨導入
 1 7(9)~(~A∨~B)&(~A∨~B) 18&導入
 1  (ア)    ~~B          79背理法
 1  (イ)      B          ア二重否定
 1  (ウ)   A& B          6イ&導入
従って、
(05)により、
(06)
①    A& B =Aであって、Bである。
② ~(~A∨~B)=Aでないか、Bでない。といふことはない。
に於いて、
①=② である。
cf.
ド・モルガンの法則
(07)
(a)
1     (1) ~A∨~B       仮定
 2    (2)  A& B       仮定
 2    (3)  A          2&除去
 2    (4)     B       2&除去
  3   (5) ~A          仮定
 23   (6)  A&~A       25&導入
  3   (7)~(A& B)      26背理法
   8  (8)    ~B       仮定
 2 8  (9)  B&~B       48&導入
   8  (ア)~(A& B)      29背理法
1     (イ)~(A& B)      1578ア∨除去
    ウ (ウ)  A          仮定
     エ(エ)     B       仮定
    ウエ(オ)  A& B       ウエ&導入
1   ウエ(カ)~(A&B)&(A&B) イオ&導入
1   ウ (キ)    ~B       エカ背理法
1     (ク)  A→~B       ウキCA
(b)
    1 (1)  A→~B       仮定
     2(2)  A& B       仮定
     2(3)  A          2&除去
     2(4)     B       2&除去
    12(5)    ~B       13前件肯定
    12(6)  B&~B       45&I
    1 (7)    ~B       46背理法
    1 (8) ~A∨~B       7∨導入
cf.
含意の定義
従って、
(07)により、
(08)
③ ~A∨~B=Aでないか、Bでない。
④  A→~B=Aならば、 Bでない。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(06)(08)により、
(09)
①    A& B =Aであって、Bである。
② ~(~A∨~B)=Aでないか、Bでない。といふことはない。
③   ~A∨~B =Aでないか、Bでない。
④    A→~B =Aならば、 Bでない。
に於いて、
①=②=③=④ である。
従って、
(09)により、
(10)
①   A& B =Aであって、Bである。
② ~(A→~B)=Aならば、 Bでない。といふことはない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(11)
(a)
 1 (1)  A→~B       仮定
  2(2)  A& B       仮定
  2(3)  A          2
 12(4)    ~B       13前件肯定
 12(5)     B       2&除去
 12(6) ~B& B       45&導入
 1 (7)~(A& B)      16背理法
(b)
1  (1)~(A& B)      仮定
 2 (2)  A          仮定
  3(3)     B       仮定
 23(4)  A&B        23&導入
123(5)~(A&B)&(A&B) 12&導入
12 (6)    ~B       35背理法
1  (8)  A→~B       27条件法
従って、
(11)により、
(12)
③   A→~B =Aならば  Bでない。
④ ~(A& B)=Aであって、Bである。といふことはない。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(10)(12)により、
(13)
①   A& B =Aであって、Bである。
② ~(A→~B)=Aならば、 Bでない。といふことはない。
に於いて、
①=② であって、
③   A→~B =Aならば  Bでない。
④ ~(A& B)=Aであって、Bである。といふことはない。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(13)により、
(14)
①     A& B  =Aであって、Bである。
②   ~(A→~B) =Aならば、 Bでない。といふことはない。
③ ~(~(A& B))=Aであって、Bである。といふことはない。といふことはない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(15)
「二重否定」により、
③ ~(~(A& B))=Aであって、Bである。といふことはない。といふことはない。
④     A& B  =Aであって、Bである。
従って、
(14)(15)により、
(16)
①     A& B  =Aであって、Bである。
②   ~(A→~B) =Aならば、 Bでない。といふことはない。
③ ~(~(A& B))=Aであって、Bである。といふことはない。といふことはない。
④     A& B  =Aであって、Bである。
に於いて、
①=②=③=④ である。
従って、
(16)により、
(17)
「確かに」、
①     A& B  =Aであって、Bである。
②   ~(A→~B) =Aならば、 Bでない。といふことはない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(18)
(a)
1  (1) A→~B 仮定
 2 (2) B    仮定
  3(3) A    仮定
1 3(4)   ~B 13前件肯定
123(5) B&~B 24&導入
12 (6)~A    35背理法
1  (7) B→~A 26条件法
(b)
1  (1) B→~A 仮定
 2 (2) A    仮定
  3(3) B    仮定
1 3(4)   ~A 13前件肯定
123(5) A&~A 24&導入
12 (6)~B    35背理法
1  (7) A→~B 26条件法
cf.
対偶(Contraposition)
従って、
(18)により、
(19)
③ A→~B
④ B→~A
に於いて、
③=④ である。
従って、
(17)(19)により、
(20)
①   A& B  =Aであって、Bである。
② ~(A→~B) =Aならば、 Bでない。といふことはない。
に於いて、
①=② であって、
③   A→~B
④   B→~A
に於いて、
③=④ である。
従って、
(20)により、
(21)
①   A& B =Aであって、Bである。
② ~(A→~B)=Aならば、 Bでない。といふことはない。
③ ~(B→~A)=Bならば、 Aでない。といふことはない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(22)
(a)
1(1) A&B 仮定
1(2) A   1&除去
1(3) B   1&除去
1(4) B&A 23&導入
(b)
1(1) B&A 仮定
1(2) B   1&除去
1(3) A   1&除去
1(4) A&B 23&導入
従って、
(22)により、
(23)
① A&B=Aであって、Bである。
④ B&A=Bであって、Aである。
に於いて、
①=② である。
従って、
(21)(23)により、
(24)
①   A& B =Aであって、Bである。
② ~(A→~B)=Aならば、 Bでない。といふことはない。
③ ~(B→~A)=Bならば、 Aでない。といふことはない。
④   B& A =Bであって、Aである。
に於いて、
①=②=③=④ である。
従って、
(04)(24)により、
(25)
①   A& B =明日は物忌みなので、門をしっかり閉める。
② ~(A→~B)=明日が物忌みならば、門をしっかり閉めない。  といふことはない。
③ ~(B→~A)=門をしっかり閉めるならば、明日が物忌みでない。といふことはない。
④   B& A =門をしっかり閉めるので、 明日は物忌みである。
に於いて、
①=②=③=④ である。
然るに、
(26)
③ 明日物忌みでない。といふことはない。
といふ「それ」を、
④ 明日( )物忌みでないこと。
といふ風に、「書き換へ」ることとする。
然るに、
(27)
【1】[が][の]
(1) 主語を示す。
 日の暮るるとき。 汝がさりし日。   
(2) 連体修飾語を作る。
 夏草や兵どもの(が)夢のあと。(芭蕉)
(中村菊一、基礎からわかる古典文法、1978年、154頁改)
然るに、
(28)
④ こと【事】は、「名詞(体言)」である。
従って、
(26)(27)(28)により、
(29)
(2) 連体修飾語を作る。
といふ、「古文の文法」が、「現代文の文法」でもあるならば、
⑤ 明日( )物忌みでないこと。
に於ける、
⑤   ( )の中には、
⑤   「」が入り、
⑤   「は」は入らない。
然るに、
(30)
実際に、
⑤ 明日(は)物忌みでないこと。
とは言はずに、
⑤ 明日()物忌みでないこと。
と言ふ方が、「普通」である。
然るに、
(31)
② 汝(が)さりし日
に於ける、
②「を」がそうであるやうに、
① 明日( )物忌みなる
に於いて、
①「を」が、「助詞」であるならば、
① 明日()物忌みなるを、
でなければ、ならない。
然るに、
(32)
① 明日( )物忌みなる
に於いて、
①「を」が、「接続助詞」であるならば、
① 明日()物忌みなるを、
であっても、よいことになる。
従って、
(32)により、
(33)
① 明日物忌みなるを、
といふ「古文」は、
① 明日(体言)は(助詞)物忌み(体言)なる(連体形)を(接続助詞)、
であって、
① 明日(体言)は(格助詞)物忌み(体言)なる(連体形)を(格助詞)、
ではない。