日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(5)「仮言命題」の「前件」に於ける「(他ならぬ)_が」について。

2018-03-13 18:32:24 | 「は」と「が」

(01)
「(4)午前中の記事」で説明したやうに、
① ABである=AはBであって(A以外はBでない)。
② ABである=(A以外ではない所の)AがBである。
に於いて、
① は、「終止形としての排他的命題」であるとし、
② は、「連体形としての排他的命題」であるとする。
従って、
(02)
例へば、
① 私理事長です=私は理事長であって(私以外は理事長ではない)。
② 藤井総太婚約=(なら)藤井総太婚約。
に於いて、
① は、「終止形としての排他的命題」であって、
② は、「連体形としての排他的命題」である。
然るに、
(03)
③ AならばBである(A→B)。
といふ「命題」を、「仮言命題」といふ。
然るに、
(04)
(a)
 1 (1)  A→ B        仮定
  2(2)  A&~B        仮定
  2(3)  A           2
 12(4)     B        13前件肯定
 12(5)    ~B        2&除去
 12(6)  B&~B        45&導入
 1 (7)~(A&~B)       16背理法
(b)
1  (1)~(A&~B)       仮定
 2 (2)  A           仮定
  3(3)    ~B        仮定
 23(4)  A&~B        23&導入
123(5)~(A&~B)&(A&~B)12&導入
12 (6)   ~~B        35背理法
12 (7)     B        6二重否定
1  (8)  A→ B        27条件法
従って、
(03)(04)により、
(05)
③   A→ B =AならばBである。
④ ~(A&~B)=AであってBでない、といふことはない。
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(06)
④ AであってBでない、といふことはない
といふのであれば、
④ AであってBでない。
ならば、そのときにだけ、「ウソ」である。
従って、
(05)(06)により、
(07)
③ Aならば、Bである=
④ AであってBでない、といふことはない
といふ「仮言命題」は、
③ AであってBでない。
ならば、そのときにだけ、「ウソ」である。
然るに、
(08)
③ AならばBである=
③ 日曜日晴れならば、私は釣りに行く。
であるとする。
然るに、
(07)(08)により、
(09)
③ 日曜日晴れならば、私は釣りに行く。
といふのであれば、
⑤ 月曜日晴れたのに、私は釣りに行かない
⑤ 火曜日晴れたのに、私は釣りに行かない
⑤ 水曜日晴れたのに、私は釣りに行かない
⑤ 木曜日晴れたのに、私は釣りに行かない
⑤ 金曜日晴れたのに、私は釣りに行かない
⑤ 土曜日晴れたのに、私は釣りに行かない
としても、
③ 日曜日晴れならば、私は釣りに行く。
とふ「仮言命題」は、「ウソにはならず
⑤ 日曜日晴れたのに、私は釣りに行かない
のであれば、
③ 日曜日晴れならば、私は釣りに行く。
とふ「仮言命題」は、「ウソ」になる。
従って、
(09)により、
(10)
⑤(日曜日以外ある所の)土曜日晴れたのに、私は釣りに行かない(としてもウソではない)。
④(日曜日以外ない所の)日曜日晴れたのに、私は釣りに行かない(としたら、ウソある)。
然るに、
(11)
④ 私はウソを言はない
従って、
(10)(11)により、
(12)
⑤(日曜日以外ある所の)土曜日晴れたのに、私は釣りに行かない(といふことはアル)。
④(日曜日以外ない所の)日曜日晴れたのに、私は釣りに行かない(といふことはナイ)。
然るに、
(05)により、
(13)
④ AであってBでない、といふことはない
③ AならばBである。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(12)(13)により、
(14)
③(日曜日以外ない所の)日曜日晴れならば、私は釣りに行く。
④(日曜日以外ない所の)日曜日晴れたのに、私は釣りに行かない(といふことはナイ)。
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(15)
③(日曜日以外ない所の)日曜日晴れならば、私は釣りに行く。
といふことは、
③(なら)日曜日晴れならば、私は釣りに行く。
といふことに、他ならない。
従って、
(08)~(15)により、
(16)
③ 日曜日晴れならば、私は釣りに行く=(なら)日曜日が晴れならば、私は釣りに行く。
でなければ、ならない。
従って、
(02)(16)により、
(17)
② 藤井総太婚約           =(なら)藤井総太婚約。
③  日曜日晴れならば、私は釣りに行く=(なら) 日曜日晴れならば、私は釣りに行く。
に於いて、
② は、「連体形としての排他的命題」であって、
③ も、「連体形としての排他的命題」である。
従って、
(17)により、
(18)
② 藤井総太( )指原莉乃と婚約! 
③  日曜日( )晴れならば、
に於ける、
②     ( )には、「」が入り、
③     ( )にも、「」が入る「理由」は、
② 藤井総太()指原莉乃と婚約! 
③  日曜日()晴れならば、
に於いて、それぞれが、
②「連体形としての排他的命題」であって、
③「連体形としての排他的命題」であるからである。
(証明終了)
従って、
(18)により、
(19)
④ 象は鼻長い=
④ すべての象は鼻は長く、鼻以外は長くない
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}=
④ すべてのxについて、xが象ならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、全てのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
に於ける、
④ すべてのxについて、x( )象ならば、
に於ける、
④            ( )の中に、「」が入らない「理由」も、
④ すべてのxについて、x()象ならば、
といふ「それ」が、
④「連体形としての排他的命題」であるからである。
すなはち、
(20)
③ 日曜日( )晴れならば、
であれば、必ず、
③ 日曜日()晴れならば、
であって、「日本語」としては、
③ 日曜日()晴れならば、
とはならないことを、知ってゐるため、そのため、
④   x( )象ならば、
であれば、必ず、
④   x()象ならば、
であって、
④   x()象ならば、
といふ風に、思ふことになる
然るに、
(21)
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理」を、仮に、
④ すべてのxについて、x象ならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、全てのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
とは読まずに、
④ すべてのxについて、象ならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、全てのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
といふ風に、読むならば、すなはち、
④ すべてのxについて、x象ならば、
とは読まずに、
④ すべてのxについて、象ならば、
といふ風に、読むならば、
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理」は、「意味」をなさない。
従って、
(21)により、
(22)
④ すべてのxについて、
と言ってしまへば、
④ すべてのxについて、(ではない所の)x
でなければ、ならない。
従って、
(22)により、
(23)
④ すべてのxについて、
と言ってしまへば、
④ すべてのxについて、(ではない所の)x
すなはち、
④ すべてのxについて、(なら)x
でなければ、ならない。
従って、
(23)により、
(24)
④ 象は鼻長い=
④ すべての象は鼻長く、鼻以外は長くない
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}=
④ すべてのxについて、x象ならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、全てのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
に於ける、
④ すべてのxについて、x()象ならば、
の場合も、
③         日曜日()晴れならば、
と同じく、
④「連体形としての排他的命題」であっても、ヲカシクはない。
然るに、
(25)
③ 日曜日()晴れならば、
④   x()象ならば、
のやうな「それ」を、「仮言命題の前件」といふ。
従って、
(24)(25)により、
(26)
仮言命題」の「前件」に於ける「(なら)_」は、「連体形としての排他的命題」である。
(27)
明日の「予定」⇒「徒然草(第二十段)」他。


(4)「(連体形としての)排他的命題」としての「(他ならぬ)_が」について。

2018-03-13 11:41:43 | 「は」と「が」
(01)
「最初の記事(3月10日)」で「確認」した通り、
① ABである。
② A以外はBでない
に於いて、
①=② である。
然るに、
(02)
① ABである。
であって、
① AはBでない。
といふことは、あり得ない。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ABである=AはBであって(A以外はBでない)。
でなければ、ならない。
然るに、
(04)
Definition of exclusive proposition
: a proposition in logic whose predicate is asserted to apply to its subject and no other “none but the brave deserves the fair” is a simple exclusive proposition(merriam-webster).
従って、
(03)(04)により、
(05)
① ABである=AはBであって(A以外はBでない)。
といふ「それ」を、「排他的命題(exclusive proposition)」と呼ぶことにする。
然るに、
(06)
② 藤井総太( )指原莉乃と婚約!
であれば、「週刊誌の見出し」は、
② 藤井総太()指原莉乃と婚約!
であって、
② 藤井総太(は)指原莉乃と婚約!
ではあり得ない。
然るに、
(07)
 マリリンモンローディマジオと結婚!
のような見出しが女性週刊誌を賑わすのは、ガによってその上の体言を未知扱いにし、まったく驚いた、新しい情報だぞ! と読者に迫る手法である。
 あのチャップリン大往生。
のような場合、「あの」がついている以上、未知とはいえないという議論も有りうるが、むしろ既知のものを未知扱いすることによって、驚異を表す表現なのである。
(大野晋、日本語の文法を考える、1978年、41頁)
然るに、
(08)
未知とはいえないという議論も有りうるが、むしろ既知のものを未知扱いすることによって、驚異を表す表現なのである。」といふのは、「詭弁」に過ぎない。
従って、
(07)(08)により、
(09)
② 藤井総太()指原莉乃と婚約!
であれば、「週刊誌の見出し」は、
②(誰でも知ってゐる、なら、あの)藤井総太()指原莉乃と婚約!
といふ「意味」になる。
然るに、
(10)
②(なら)A
といふことは、
②(A以外ではない)A
といふ、ことである。
従って、
(10)により、
(11)
② ABである=
②(なら)AがBである=
②(A以外ではない)AがBである。
といふ、ことになる。
従って、
(05)(11)により、
(12)
① ABである=AはBであって(A以外はBでない)。
② ABである=(A以外ではない)AがBである。
であるものの、
① に関しては、「終止形としての排他的命題」と呼び、
② に関しては、「連体形としての排他的命題」と呼ぶことにする。
然るに、
(13)
「最初の記事(3月10日)」でも、確認した通り、
もし濁音を発音するときの物理的・身体的な口腔の膨張によって「音=大きい」とイメージがつくられているのだとしたら、面白いですね。この仮説が正しいとすると、なぜ英語話者や中国語話者も濁音に対して「大きい」というイメージを持っているか説明がつきます(川原繁人、音とことばの不思議な世界、2015年、13頁)。
従って、
(12)(13)により、
(14)
① ABである=AはBであって(A以外はBでない)。
② ABである=(A以外ではない)ABである。
に於いて、
① は、「排他的命題」であって、
② は、「排他的命題」であって、
① A(濁音) は、「強調形」であって、
② A(濁音) は、「強調形」である。
従って、
(15)
① 私理事長です=私は理事長であって(私以外は理事長ではない)。
② 藤井総太婚約=(なら)藤井総太婚約。
に於いて、
① は、「終止形としての排他的命題」であって、
② は、「連体形としての排他的命題」であって、
①    私(濁音) は、「強調形」であって、
② 藤井総太(濁音) は、「強調形」である。