おかずさんの読書

ビジネス・歴史を中心に読んだ本の感想を記載

維新の肖像

2015-09-27 10:31:44 | 歴史小説
「維新の肖像」 安倍龍太郎著 潮出版社

 イエール大学教授の「朝河貫一」が、二本松藩士として戊辰戦争を戦った父「朝河正澄」の小説を書くという内容で、二人の人生を織り交ぜながら描いている歴史小説。
 歴史は、勝者がつくるものだが、本書では明治維新を敗者の目から描き、明治新政府(=薩長)の横暴を描いているところが面白い。
 イギリスとの密約に基づき倒幕に動く長州藩は、公武合体派の孝明天皇を毒殺し、孝明天皇の書状を持つ会津藩が、どんなに恭順の意を示してもこれを許さず、ひたすら戊辰戦争へと突入して徹底的に会津藩をたたく。この横暴を許さず会津藩とともに戦った奥羽越列藩同盟。しかし、どんなに戦いに大義があろうとも、新政府との圧倒的な兵器の差の前に、敗戦を重ねていく。
 敗者の側から歴史を見るのはツラいが、とても面白かった。
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