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給付金付き税額控除

2008-11-14 00:39:02 | 時事問題
定額給付金について議論が喧しい。13日付の日経新聞社説でも「目的が分からない」とこきおろされる。

なぜなら、景気浮揚策としても、効果が小さい。

「国内総生産(GDP)の押し上げ効果は来年度に向けて0.1―0.2%程度にとどまるとの見方が多い。そのために2兆円という貴重な財源を使う必要があるだろうか。」


経済悪化で苦しむ弱者対策というならば、なおさら対象が広すぎると批判されている。

さらにその批判は「働く低所得者などの支援を狙いとした「給付金付き税額控除」という考え方が経済学者の間などでは出ている。今回の定額給付金は一見それに似ているが、1回限りであり将来につながる性格のものともいえない。」と続く。


「給付金付き税額控除」とは。何のことか分からなかった。素人理解では次のようなものである。

一定額の税額控除を認める。しかし納税額が、控除額以下の場合は、控除額上限と納税額との差額分給付金が受け取れるというものらしい。納税額ゼロの場合は、控除額全額の給付金が受け取れるというもの。

政府でも検討しているらしい。10月26日付の次のような記事が見つかった。

政府、低所得者への給付金検討 格差問題に対応
http://www.47news.jp/CN/200810/CN2008102601000302.htm
「所得税を納付していない低所得者を支援する「給付付き税額控除制度」の導入に向け、政府が検討を始めることが26日、分かった。格差拡大が問題となる中で、低所得者の生活支援を手厚くするのが狙い。
 月内に開催する経済財政諮問会議を皮切りに議論を本格化し、年内に方向性を打ち出す。追加経済対策で基本的な考え方を示す税制改革などの中期プログラムの目玉としたい考えだ。
 給付付き税額控除は、所得税を納めていない低所得者に対し、政府が給付金を支払う制度。ワーキングプア(働く貧困層)をはじめ、雇用保険や生活保護で十分にカバーできない低所得者の生活水準を底上げできる。所得額に応じて給付額を上下できるのが特徴で、就労や技術習得を促す効果も期待できる。
 同制度は米国、英国、フランスなどで実施され、日本経団連などが政府に導入を提言している。」

確かに給付金付き税額控除の方が、弱者の生活支援という意義が明確となる。高額所得者に給付金配布を制限するのかどうかという(分かりやすいだけに、国民の反発が怖い)問題も、これを用いれば立ち消える。

これだけマスコミから批判されて、けちがついた政策を無理に実施すれば、内閣支持率が下がるばかりであると考えざるを得ない。定額給付金は、速効性と選挙目当てにすぎなかった。選挙が遠のいたのだから、この騒ぎを、「給付金付き税額控除」という形で収束させた方がいいのではないか?

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (ユキ)
2008-12-12 17:41:55
働かない人がお金もらうなんておかしいですよ。
そんなことしているから欧米の政府は肥大化して税が重くなったりアメリカみたいに破たん寸前になっているんでしょう。

こんなの、ありえないです。
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ちょっと質問してもよろしいですか? (solaris)
2008-11-15 21:27:19
給付金つき税額控除と定額給付とで、本質的にどこが違うのかよくわかりません。

控除額が定額(マイナスになれば給付)ということなら、定額給付と全く同じなのでは?弱者支援という意味もまったく変わらないように思います。

経済効果はどうなのかわかりませんが、同じばらまくのなら税額控除という形をとるより給付にしたほうが、お年玉気分でみなさん使ってくれるのでは?
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