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53年問題に東京地裁が大胆な決定

2006-07-12 00:12:02 | 時事問題
「オードリー・ヘプバーン主演の映画「ローマの休日」(53年公開)などの廉価版DVDの販売会社(東京都板橋区)に、米国の映画会社「パラマウント・ピクチャーズ・コーポレーション」が著作権を主張して製造・販売の差し止めを求めた仮処分申請について、東京地裁は11日、申請を却下する決定を出した。」

2004年1月1日施行の改正著作権法では、映画の著作権保護期間が50年から70年に延長された。この効果が1953年公開の映画に適用されるのかどうかが「53年問題」である。

この問題を管轄している文化庁のホームページでは、「12月31日午後12時と1月1日午前0時は同時のため53年作品には改正法が適用される」と書かれているのである。

私はこの判決には驚いた。私は普段からお役所の見解を気にせざるを得ないので、たぶんお役所の言うとおりの判決が出るのだろうと予期していたからであった。(行政と司法は違うのは理解しているつもりだが)

毎日新聞の記事では、ド素人にもわかりやすく書かれている。

「高部裁判長は「著作権法は保護期間を年単位で定めており(53年作品の保護期間は)12月31日で満了した。改正法は1月1日時点で著作権が残っている(54年以降の)映画のみに適用される」と判断。文化庁の見解については「法的に誤っている」と指摘した。」
(http://www.mainichi-msn.co.jp/photo/news/20060712k0000m040067000c.html)

お役所の見解をここまで明快に否定するのも珍しい。もちろん争いはこれで決着したわけではなく、知財高裁での判断が求められるのであろう。できれば末端ユーザーフレンドリーなこの判決が維持されることを希望したい。

ちなみに500円のDVDでは、1万枚売れるとすると、メーカーは、120円程度の利益が出るという。原盤購入代金が30円、字幕作成が30円、デジタル編集20円、ジャケットのデザイン印刷15円、プレス50円、包装50円、流通経費や取り次ぎ書店の利益が185円である。(朝日新聞、2006年6月25日、500円DVD原盤は30円)

「シェーン」と「ローマの休日」の問題

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