国際学どうでしょう

私が気にしている情報のメモ

制裁にはエサが必要というはなし

2006-10-18 00:13:04 | 時事問題
エコノミスト記事(10月14日号)のメモ。「今誰が彼をとめることができるか?米、中、露は、アジアと中東の核兵器競争をとめるために皆犠牲を払わなければならない。」結論だけを記録する。

エコノミストは、核拡散の責めをブッシュ政権に負わせない。ブッシュは拡散に反対する連合を作ることに務めてきた。トラブルは、説得が失敗したとき、他の大国が圧力を加えることを拒否したことである。中・露は核拡散を許さないために、重大な権益の一部を放棄しなければならない。

そしてアメリカも犠牲を払わなければならない。その犠牲は何か?端的に言って、はっきりとした体制保障である。

「強烈な制裁は、明白なエサが伴わなければならない。ブッシュ氏は、北朝鮮とイラン政府に対して両政府を取り除く意図はないとすでに述べている。もし独裁者達が、よりしっかりとした保障を必要とするならば、彼はそれを与えるべきである。武装計画の検証可能な終了と引き替えにである。民主主義を広めたい大統領には、これは容易なことではない。しかし、不完全な世の中においては、このことは、独裁者達が数百万人を殺害しうる武器の管理をすることを妨げる代価である。」

核実験に対して北朝鮮に対する制裁は必要である(北に対する効果は小さいかもしれないが)。しかしその制裁は、明確なエサを伴うべきである。核兵器の廃棄とともに、体制保障を与えるということであるという。要するに、核問題の解決のためには、アメリカの北朝鮮との直接交渉しか、選択肢はないということである。現実は厳しいと言わざるをを得ない。

*エサはincentiveの訳語です。
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6 コメント

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瀬戸際外交に応じるしかない? (solaris)
2006-10-18 11:01:12
初めてコメントさせてもらいます。



「誘因」というのは、日常語としてはこの場合あまり

ピンとこない言葉のように思うのですが、国際政治学

における術語なのでしょうか?incentiveの訳?



従来の北朝鮮の外交は、まさにその「誘因」を求めて

瀬戸際まで押し込んできていたのではないかと思うの

ですが、これまで同様それに応じていくのが最善の策

だというのがエコノミストの記事の結論なのでしょう

か?どうにも腑に落ちません。
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Unknown (ogintern)
2006-10-18 12:48:53
誘因に関しては、おっしゃるとおりincentiveの訳語です。意味が分かりにくいということですので、再考します。



エコノミストの趣旨は、厳しい制裁には、核廃棄をしたときに北朝鮮が求めている体制承認を与えるincentiveが伴うことが必要であるということにつきます。



北朝鮮の要求に一面では応じることですが、その代償として、検証可能な核廃絶を求めています。つまり核拡散を防ぎ、北の瀬戸際外交の根を絶つためならば、北の専制体制存続ということも容認せざるを得ないということだと思われます。



ブッシュ政権に比較的好意的な「エコノミスト」の、これしか策がないという指摘を読んで、私は厳しいなという感想を抱かざるを得なかったわけです。
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Unknown (solaris)
2006-10-18 14:27:54
記事の通りになれば、北朝鮮にとっては、核開発に対するincentiveが認められたことにもなりそうですね。

したがって、瀬戸際外交は今後も続きそうな予感がします。



ほんとに厳しいですね。

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Unknown (ogintern)
2006-10-20 00:11:03
incentiveの訳語について、いい案が浮かばないので、「誘因(インセンティブ)」とします。
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incentive (塩狩峠)
2006-10-20 13:57:08
たんなる思いつきですが、



「旨い話」

「その気にさせる対価」

「誘惑材料」



などがあります。もっと平たく言えば、



「エサ」という感じでしょうか。誤解がありましたら、お許しください。
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Unknown (ogintern)
2006-10-21 01:36:48
ありがとうございます。「エサ」がわかりやすくて、いいと思います。
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