どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

めぐろのさんま

2019年02月04日 | 絵本(日本)


    めぐろのさんま/川端 誠/クレヨンハウス/2001年


 おなじみの「めぐろのさんま」。
 川端さんの落語絵本も何冊かめになりました。

 銚子のさんまをたべたお殿様、さんまは目黒にかぎるときっぱり いいきったのですが。

 いつか目黒で食べたさんまがわすれられず、しんせきのお屋敷で、食べたいものをいってくだされといわれ、さんまを所望します。

 料理人は、まず三枚におろし、むし器に入れてあぶらをすっかりとり、小骨がのどにさわってはと、骨をとっていると、かたちがぐずぐずになり、つみれのだんごにして、あんかけに。

 まずいのなんの。あぶらをぬいてバサッバサのさんまのかすのようなもので、ねこにやってもたべないようなしろもの。

 とうじのお殿様は、お毒見などで、冷めたお料理しか食べられませんから、お気の毒さまというしかありません。あつあつのさんま、おいしいのも当然です。

 ページいっぱいに描かれている絵。余白をうまくつかった絵本もあれば、ページ全体が躍動しているこのような絵本も味わいがあります。

 昔のおさむらいは、やすい魚を下魚とよんで食べなかったといいますが、野がけでさんまを食べる顔は、びっくり顔。おいしさにびっくりしたんでしょうね。


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