めぐろのさんま/川端 誠/クレヨンハウス/2001年
おなじみの「めぐろのさんま」。
川端さんの落語絵本も何冊かめになりました。
銚子のさんまをたべたお殿様、さんまは目黒にかぎるときっぱり いいきったのですが。
いつか目黒で食べたさんまがわすれられず、しんせきのお屋敷で、食べたいものをいってくだされといわれ、さんまを所望します。
料理人は、まず三枚におろし、むし器に入れてあぶらをすっかりとり、小骨がのどにさわってはと、骨をとっていると、かたちがぐずぐずになり、つみれのだんごにして、あんかけに。
まずいのなんの。あぶらをぬいてバサッバサのさんまのかすのようなもので、ねこにやってもたべないようなしろもの。
とうじのお殿様は、お毒見などで、冷めたお料理しか食べられませんから、お気の毒さまというしかありません。あつあつのさんま、おいしいのも当然です。
ページいっぱいに描かれている絵。余白をうまくつかった絵本もあれば、ページ全体が躍動しているこのような絵本も味わいがあります。
昔のおさむらいは、やすい魚を下魚とよんで食べなかったといいますが、野がけでさんまを食べる顔は、びっくり顔。おいしさにびっくりしたんでしょうね。
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