ぼくは建築家ヤング・フランク/作:フランク・ビバ 訳:まえじま みちこ ばん しげる/西村書店/2015年初版
自称建築家のヤング・フランクはまだ子どもですが、トイレットペーパーで椅子をつくったり、本を積み上げて超高層ビルをつくったり、一つの町全体をデザインしたりしていましたが、おじいさんのオールド・フランクは首をかしげます。
そこで美術館にいって建築家の作品をみることを提案します。
ところが、美術館にはフランクという建築家の作ったくねくねした椅子があり、おなじフランクという名前のねじれたタワー、またこれもフランクという建築家のつくった町全体の大きな模型もあって、オールドはうなります。
そこで二人はいろいろなものを作り始めます。
建築を既成の概念でとらえないでとでもいっているようです。
オールド・フランクの「わしがまちがっていたようだ」という率直な感想。そして「ちょっぴり若く、そして少しかしこくなった気がした」という言葉は、年を感じさせません。
ところで訳が二人で、ひとりは坂茂さん。
いつかテレビで、2011年の地震で被害を受けたニュージーランドのクライストチャーチ大聖堂の仮設教会を紙管で作る様子が放送されていて、はじめて知った方です。
1995年の阪神・淡路大震災後の紙のログハウス(仮設住宅)や、トルコ、インドで起きた地震に際しても仮設住宅の建設を行い、2005年に津波災害を受けたスリランカキリンダ村で復興住宅、2008年に大地震の被害に遭った中国四川省の小学校の仮設校舎、さらに東日本大震災では、体育館などの避難所に避難したものの、ひとつの空間で多くの人々が同居している状態で、プライバシーがまったく無くて苦しんでいるが言いだせない人々のために、紙管と布を使った間仕切りでプライバシーを確保する提案をし、各地の役所職員たちを説得してまわり、また仮設住宅の建設、質の向上にもかかわった。女川町で海上輸送用のコンテナを使い家具を作り付けにした2-3階建仮設住宅は快適で、期限が来てもそのまま住み続けたいと希望する人々が多かったという。(ウイキペデアから)