どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

かえんだいこ

2018年10月24日 | 絵本(日本)


    かえんだいこ/川端 誠/クレヨンハウス/2010年


 道具屋の主人の甚兵衛さんがかってきたのは、古くて、ほこりだらけの太鼓。

 「きたない太鼓なんかだれも買わないよ。お前さんは、ほんとうに 商売が下手なんだから」と、いやみをいうおかみさん。

 定吉に はたきかけさせると、ドーンドーンと大きな音。
 すると、音を聞いた侍が顔を出し、太鼓を屋敷に持参いたせとのおおせ。

 「こんな きたない太鼓をもっていったら なにがおこるかわからない」と、心配するおかみさんでしたが・・・。
 これが なんと、世にもまれな名品「火焔太鼓」と分かり、300両でのお買いあげ。 

 ここから、重役と甚兵衛さんのやりとりが楽しい。

 50両のつつみをだされ はええええええ とおどろき
 次のつつみで100両  ひええええええ とあわて
 次のつつみで150両  ふええええええ とふるえ
 2次のつつみで00両  へええええええ となき
 次のつつみで250両  ほほほほほほほ と笑い
 次のつつみで300両  ・・・・・・ 水いっぱい

 もちかえった300両を見たおかみさんの なんともいえない仕草。
 火焔太鼓の購入金額は一分、一分金が4枚で一両、一両は、今の金額に換算すると10万円ほどにはなりそうですから、300両だと、なんと3000万。たしかにおかみさんが商売上手とほめるのも当然。

 江戸時代のことがわかるのも得な感じ。

 今では半鐘というのは絵本や時代劇映画などでしかわからないかもしれません。

 ジャリジャリジャリだと、火事はすぐちかい
 すこしちかくなら ジャンジャンジャーン ジャンジャンジャーン・・
 とおくなら 「ジャーン ジャーン ・・」
 すこしとおくなら「ジャンジャーン ジャンジャーン ・・」

 はじめのページに半鐘が出てきて、最後のオチにつながっています。

 道具屋に、ロボットやウルトラマン?がならんでいたり、風呂敷を首に巻いたスーパーマン風な格好の甚兵衛さんがでてくるなど、作者の遊び心も楽しい。

 落語を題材にした絵本ですが、やはり落語は聞くのが一番でしょうか。


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