どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ひまんじょくれ・・長崎

2024年09月29日 | 昔話(九州・沖縄)

      長崎のむかし話/長崎県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1978年

 

 親と早く死に別れ、仲良く暮らしていた二人の兄弟。次郎が庄屋で働くことになった。

 庄屋は条件を出した。「次郎、おまえがひまをもらうとき、もうそう竹の数を数えてもらう。そのとき四のすうじを口にしたら、おまえは、ただぼうこう。もしも、おれが、四の字を口にしたら、ほうこうちんは倍返しする」。

 約束の三年がたって、次郎がもうそう竹の数を数えることになった。もうそう竹は、四百四十四本。次郎は三年前の約束を忘れていて、「四百四十四本あったばない。」といってしまった。銭をたいそうもらって、家に帰れると思っていた次郎は、ひどく悔しがって、楽しみにまっていた太郎に、一部始終を話した。太郎もひどく悔しがって、倍返しのほうこうちんをもらおうと、庄屋のところへいった。

 三年たって、太郎がやぶからもどってくると、「三百本、百本、三十本、十本、三本、一本」と、早口で言った。庄屋は、「なんだって・・」と聞き返した。太郎が何度も早口で、「三百本、百本、三十本、十本、三本、一本」というと、庄屋は、「それは、四百四十四本じゃなかか。」といってしまう。

 太郎は次郎のぶんまで、ほうこうちんをもらって、勇み足で家にもどった。

 

 昔話では、兄弟が出てくると、しっかり者は弟のほう。この話では兄が存在感を示しています。


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