どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ヤギとライオン・・トリニダード・ドバコ、ライオンとやぎ・・パキスタン

2018年07月12日 | 絵本(昔話・外国)


    ヤギとライオン/作:内田 莉莎子・文 むかい ながまさ・絵/鈴木出版/1991年


ものすごい夕立の日に、ヤギに声をかけてくれたライオン。
ライオンは雨宿りのあいだバイオリンをひいてあげようと歌いだします。
 あめの ふる ひにゃ
 うちに いて うちに いて
 あめの ふる ひにゃ
 うちに いて うちに いて
 おいしい にくの
 おいでを まつのさ

 親切だと思ったライオンが、おいしいにくとうたったのは、じぶんのことだときがついたヤギ。

 考えて、おちついて、バイオリンをかり、歌いだしたのは

 きのう ころした
 一まんびき ライオン 一まんびき ライオン 一まんびき ライオン

 きのう ころした 一まんびき ライオン
 きょうは なんびき ころそうか

 聞いたライオンは相当びびったようですよ。首をかしげたライオンでしたが、ようじんしたほうが いいと 考えて、おかみさんを、雨の中で薪をとってこいといいます。そして「かえってくるなよ」とも。

 ヤギが繰り返し歌っていると、ライオンはこんどはむすこを外にだします。

 くたびれても、歌うことをやめないヤギ。
 ライオンが外に出ると、ヤギも一目散に逃げだします。

 おはなし会で一度は聞かれたことがあるかもしれません。おもわず笑ってしまいます。藤井いづみさんの語りもネットにありました。
 何度か聞いていますが、楽しいのは歌。
 ライオンの歌を「第九」、ヤギの歌を「アルプス一万尺」で歌った方もいらしゃるようですが、いま一つイメージがわきません。

 絵本の着物を着たライオンはあまりこわくありません。余裕がありそうでなさそうで、ぶるぶる震えるところは大笑いでした。

 トリニダード・トバゴの民話ですが、トリニダード・トバゴは人口134万人(2008年)、カリブ海のトリニダード島とトバゴ島の二島と属領からなる共和制国家で、イギリス連邦加盟国とありました。


ライオンとやぎ(アジア・太平洋の楽しいお話/ライオンとやぎ/こぐま社/1994年)

 ライオンとやぎの順番が逆ですが、同じ題名でパキスタンの再話。やはり自分がいかに大物であるかをしめすところが共通しています。

 あたりが暗くなって、群れからはぐれた年とったやぎが、一晩過ごそうと思ったほら穴で、おそろしいライオンと鉢合わせしてしまいます。
 ライオンがどうしてここにきたかと、やぎに声をかけると、やぎは
 「わらわは、ジャングルの女王。すでにこれまで50頭のチータと20頭の象と、10頭のライオンをかみころすと神に誓った。すでにこれまで50頭のチータと20頭の象をかみころし、いま、ちかいを守るため、10頭のライオンをさがしているところなのじゃ」と、いいます。

 これを聞いたライオンは、ヤギが本当のことを、いっていると信じ込んでしまいます。

 いったん穴の外に逃げ出したライオンは、ジャッカルにいわれて、またやぎのところへでかけますが、やぎはこんどはジャッカルをおどします。

 「ヤギとライオン」の方は、一万びきのライオンがでてきますが、小さな子に語る場合、一万という数字は大きすぎます。50とか20という数字の方がわかりやすいかも・・・。 


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