ぼくはおこった/ハーウィン・オラム・文 きたむら さとし 絵・訳/評論社/1996年
アーサーは おこった。
アーサーがおこると 雷が鳴って 稲妻がはしり ヒョウがふった。
アーサーは おこった。
アーサーがおこると あたしが吹き荒れ 屋根と煙突と 教会の塔を 吹き飛ばした。
アーサーは おこった。
アーサーがおこると 台風がやってきて 町を全部 海の中へ ひっくりかえした。
アーサーは おこった。
アーサーがおこると 地球に バリバリ ひびがはいって たまごみたいに こわれてしまった。
・・・
・・・
まだまだ アーサーの いかりは とまりません。
アーサーが 火星の かけらにすわって、「ぼく どうして おこったんだろう」と考えましたが さっぱり 思い出せませんでした。
(テレビに夢中になっていたら お母さんから もう遅いから 寝なさい といわれたのでした)
あなどるなかれ こどもの 怒り。
思わず環境破壊や戦争しようとする大人への痛烈な諷刺かなと思いました。