きんのがちょう/川崎大治・脚本 田中武紫・画/童心社/1971年(12画面)
ひとりの若者が、こびとに パンを分けてやり、かわりに きんのがちょうを 手にいれます。
宿屋の三人の娘が きれいなガチョウの羽をぬこうとすると、手が がちょうにくっついて 離れなくなってしまいます。そのまま歩いて野原の真ん中まできて、おぼうさんが はなれて歩くようにと娘に手を触れると、こんどはおぼうさんがくっついてしまいます。
となりのおばさん、馬に乗った兵隊、やぎやねこまで くっついてしまった行列。
生まれてから 一度も笑ったことがなかった この国のお姫さまが 奇妙な行列をみて 大笑い。王さまは、お姫さまを笑わせた者がいたら、婿にしたいと思っていましたから、若者を姫の婿にします。
グリムの昔話で、くっつくようすが どんな風にかかれているか興味がありました。
行列をながめている人たちの、あぜんとした表情は、絵でなくては表現できない世界です。
紙芝居で集中できるのは12画面くらいでしょうか。グリムの話に忠実になろうとすると、これ以上になりますから、この程度の長さが適当です。