くじゃくしんしとオルゴール/伊藤夏紀/こどものとも年中向き/福音館書店/2022年
動物の町の くじゃくしんしは おしゃれで なにをするのも優雅。
くじゃくしんの土曜日の楽しみは、骨董市。
弾むような音がして、フラミンゴのバレリーナが くるくるおどるオルゴールに、「おお! なんと うつくしい!!」と ひとめぼれ。
飾り物で売らないというおばあさんに、あきらめきれないくじゃくしんし。晴れの日も 雨の日も お店にいき 満月の日に、オルゴールを ひらかないと約束し、オルゴールを 手に入れます。
毎日オルゴールをまわし、うっとりながめていたくじゃくしんしでしたが、雲がおおって 月が見えない満月の日、オルゴールの ねじをまわします。そのとき 雲がゆっくり動き、つきあかりが さしこむと ひかりをあびた バレリーナが くるり ふわり くるくる くる オルゴールを とびだした。いつのまにか 目の前には 舞台が広がって、フラミンゴのバレリーナに さそわれたくじゃくしんしは、くるくると いっしょに おどりはじめます。
夢のような時間。しばらくすると 音は ちいさく ちいさく ゆっくりになって やがて とまります。バレリーナは しずかに はねをひろげ 舞い上がり そのまま たかくたかく とんで つきの ひかりのなかに 消えていった。
毎回、孔雀紳士の洋服、靴がちがっています。何着、何足もっているやら。
バレリーナとおどる孔雀紳士の おおきくひらいた はねと 脇役の花にも注目です。
擬人化されていますが、孔雀を 自分とおきかえたら どんな風景がひろがるやら。