どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

おにとあんころもち

2024年03月13日 | 絵本(昔話・日本)

   おにとあんころもち/おざわとしお・くのあいこ・再話 半田強・絵/福音館書店/2017年1月号「こどものとも」発行

 

 おかあが太郎の七つの祝いに あんころもちを つくったて。太郎があんころもちを食べようとすると、三つ目のあんころもちが、ころころころころ にげていっちゃうげな。太郎が追いかけていくと、山道をくだって のぼって やまの真ん中にある穴の中へ。穴の中には鬼がいて、あんころもちは鬼の大将の おなかのなかへ。鬼の大将は、ほんとにうまかったと、あんころもちを つくるよう 鬼たちへ命令。鬼たちは、大将の口元についとった あんこを とって、すり鉢の中へいれると、すりこぎで くるくるくる。ほのつぎに、大将の奥歯にはさまっとった 餅をとって また すりこぎで くるくるくる。あんこも餅もいっぱいになって、はらいっぱい くった。

 鬼がみんな眠ってしまったのをみて、太郎は逃げかけたが、すりこぎを もってかえろうとすると、ちょうど目を覚ました鬼に見つかってしまった。

 太郎が逃げて逃げていくと、川があってそこに船があった。船にとびのり、すりこぎをこいで逃げ出すと、鬼たちは、川の水を飲みだした。鬼が水を飲むと、太郎の船は 鬼の方へ流される。つかまっちゃいかんと、漕いでいたすりこぎを くるくるくる まわすと、川の水が ぶくぶく ぶくぶく ふえだして 鬼たちがいくら飲んでも飲みきれない。

 鬼のすりこぎを 家にもちかえった帰った太郎が、すりこぎを 米櫃に入れて、くるくるくる まわすと みるみる 米櫃は お米でいっぱい。そのあと、おかあと太郎は、いつでも お米が食べられるようになって、いっしょう しあわせに くらしたげな。

 

 鬼の絵も とってもユニーク。三つ目は大将、一つ目もいます!

 愛知県西三河の再話で、出典も明記されています。