まあちゃんのながいかみ/福音館書店/1989年
はじめ表紙はあまり気にしていなかったのですが、よくみると女の子の長い長ーい髪でした。
髪が長い、はあちゃんとみいちゃん、おかっぱは、まあちゃん。三人の女の子の髪の毛談義。
まちゃんは、「ずっとずっと、ずうーっとよ」と、髪の長さを空想します。
なにせ、そのながさは半端ではありません。
橋の上から髪をたらし、魚釣り。
寝袋のかわりに、グルグル巻きにし、木の上で寝ます。
二つの木に張り渡した髪で、洗濯ものも干します。
でも、そんなに長いとどうやって とかすのよ!
シャンプーつけてあらうと、ソフトクリームのよう。
川の岸辺に寝そべって、髪をゆすいだら、ゆらーりゆらーり流れます。
妹が10人うまれたら、私はのんびりイスに座って、妹がせっせっせと 髪をとかしてくれるわけ。
次から次へと広がる空想がなんとも楽しそうです。
三人が話しているところがモノクロで、空想の部分がカラーというのは、夢が花開いているよう。
洗濯ものをほしているところで、まあちゃんがよんでいるのは「どろんこハリー」の絵本。子どもはすぐに見つけたようです。
まあちゃんのまほう/福音館書店/1992年
魔法の本を読んだ”まあちゃん”が、お母さんに魔法をかけると、びっくり、タヌキになってしまいます。
多分元に戻すのに失敗するかと思っていると、ちゃんともとにもどります。
ちょっとドキドキするはじまり。
ところが、そこからお母さんは、とってもさばけたお母さんになります。
自転車の二人乗りをしたり、台所でつまみぐい、おもちゃは部屋中にちらかしぱっなし。きわめつきは洗濯物の凧あげと、いつもは口やかましく注意されていることばかっり。
やはり魔法をかけたせいかと思っていると、最後にどんでん返し。
どうもこのままいきそうにないと思っていると、急に怒りだすお母さん。いつものお母さんです。
怒られているまあちゃんをみて、ニコニコしている、もうひとりのお母さんがいました。
いぬのピケがほえると、タヌキがいっぴきおおあわてで逃げていきます。
作者から (1)タヌキははじめ、どこにいた? (2)にせものと本物のお母さんの違いは? (3)にせのお母さんがやりたい放題してるとき、本物のお母さんはどこで何をしていた?というクイズがありました。
これがなかなか難しいのです。
子どもは、お母さんと、思いっきり遊んでみたいというのがどこかにありますから、たまには、こんなことしてみてもいいのかも。
タヌキも素敵なプレゼントをしてくれました。
まあちゃんのすてきなエプロン/福音館書店/1997年
まあちゃんが、お母さんがぬってくれた新しいエプロンをしめて、ピクニックに出かけました。赤、黄色、ピンクの3つのポケットがついていて、なかには同じ色のハンカチが入っています。
歌ってスキップしながらあるいていると、こざるが赤いハンカチ、こぎつねが黄色いハンカチ、こぶたがピンクのハンカチを見つけて、ハンカチをこっそり盗みんでいきました。まあちゃんはきがつきません。
丘の上で、はーちゃんとみーちゃんが まっていました。
ハンカチをみてもらおうとポケットから取り出そうとすると、ポケットにはいっていたのは果物。ふたりは おかあさんがこっそり いれてくれたんじゃないの?としんじません。
それだけでなく パタパタパタッ あおいとりが まあちゃんの むねから とびたったのです。
よーくみると ひみつのポケットがもうひとつ ありました。そこには たまごがひとつ。あおいとりが うんでいったのです。みんなびっくり。
でも、みんなは、サンドイッチをつくります。
さんにんは、たのしそうに おりょうりしていますよ。
ポケットには、あかいすももと きいろいオレンジ ピンクのももが はいっていました。こざる、こぎつね、こぶたは、ハンカチを失敬する代わりに くだものを いれてくれていました。
たかどのさんの ほっこりする絵本です。表紙に描かれた木のそばには、登場人物がすべて顔をだしています。
おかあさんのミシンは足踏みと、ちょっとレトロな感じ。