ダイダラボッチ/野村昌司・作 阿部公洋・絵/ぬぷん児童図書出版/1996年
東京都大田区の地名にかかる巨人伝説です。
小便すると人間が困るので、海に向かって小便していたダイダラボッチ。
ある日、奥多摩のすんでいるダイタラボーと力比べ。
相撲はきりがなくつづき、なかなか勝負がつきませんでした。
二人の汗は、山を削り、谷川をつくって流れていきました。
ところが小便したくなったダイタラボッチでしたが、山のふもとの小さな家が飲み込まれては大変と、海辺をめざします。
海がすぐそこに見えるところまでやってきて我慢できない。
踏ん張った右足のところがへこんで、貉窪、左の足で踏ん張ったほうがすり鉢山に。
我慢できなくなったダイタラボッチが小便すると、虹になって、小便がたまったところは、洗足池になったんだと。
人間に迷惑をかけないよう海に向かって小便するという楽しい話です。ダイタラボッチが、雲を思わせるように描かれ、とてもやさしい感じです。